(Jタウンネットより)
[ちちんぷいぷい – 毎日放送]
2015年5月19日放送で、「磐座存続の危機」について取り上げていました。 兵庫県西宮市にある「越木岩(こしきいわ)神社」は、大阪湾を見下ろす住宅地にあり、子授けや泣き相撲などでも知られていて、最近ではパワースポットとしても注目されています。 その理由が、ご神体の甑岩(こしきいわ)という巨石。古くから神が宿る石として信仰を集め、大阪城築城の際に秀吉が石垣に使うべくこの石を切り出そうとすると岩の裂け目から煙が吹き出し、工事を断念したという話が残っています。 この越木岩神社の隣には大きな土地があるのですが、ここに大規模なマンション建設計画が進行中なのです。ですがこの予定地の中には、甑岩と同様に信仰の対象とされている磐座(いわくら)という、神が降りるといわれる巨石が3つ存在しているのだそうです。 そこで、地元住民の一部が「磐座を残した形でマンション建設をして欲しい!」と、紛争調停を申し立てました。
磐座を壊さないという条件だったはずが・・・
現場は越木岩神社に面した東側にあり、1964年に夙川学院が短大の建設地として、磐座を壊さないという条件で買い取った場所です。その後土地は磐座を残した状態で短大のキャンパスとして使われてきました。 しかし2008年のリーマンショックで夙川学院は投資していた金融商品などで巨額の損失を出して経営難に。夙川学院はグラウンドや短大などの土地をマンション業者に売却し、キャンパスも移転することになり、磐座がある土地は別のマンション開発会社に売却されてしまったのです。 越木岩神社の森は森林を守るために県の天然記念物として指定されています。ですが磐座は、学術的に自然そのままのものなので文化的価値は認められないといいます。 マンション開発会社では、「土地購入の際に磐座の保全が条件だという話はなかった」として、粛々と建設を進めていくとしているのです。 磐座が”信仰の対象”か、”ただの岩のかたまり”か。磐座の行方に注目が集まりますね。(ライター:ツカダ)