(Jタウンネットより)
今ほどアミューズメント施設が充実していない時代は、デパートが家族みんなで楽しめる場所だった。
町のランドマークがまもなく看板を降ろす
神奈川県川崎市では、2015年5月31日をもって閉店する「さいか屋川崎」が地域一番店としてその役割を担っていた(参照:政令指定都市で唯一「百貨店」がゼロの町はどこ?)。
2月25日から大感謝セールを実施してきたが、残すところあとわずかとなった。

さいか屋川崎(編集部撮影)
品川から横浜へ京浜急行で向かう途中、左手に見える同店の様子が気になっていた人もいるだろう。筆者もその一人だ。土曜の午後、見納めをしたくて同店を訪れた。
激安セールはこれからが本番か
残り営業日を告げるパネルが掲示されている1F正面入口。家族連れの中に若者の姿も見かけたが、入店者は年配の人が圧倒的に多い。
筆者は小さい頃一度だけ入店したことがある。当時は背が小さかったからかもしれないが、「こんなに狭かったのか」と記憶と実際のずれに驚いた。
最初に向かったのは4Fの紳士服フロア。まるまる「サカゼン」の売り場と化している。ほとんどの商品は売り切れ……と思いきや、結構残っていた。値引き率もアッと驚くほどではない。
ところが! 30・31日のラスト2日間で派手なセールを実施する。カジュアル各種が100円、お好きなワイシャツを10点選んで1万円――。サカゼンは期待を裏切らない。

サカゼン川崎店のウェブチラシ(サカゼン公式サイトより)
どのフロアも23日の時点では「そこそこ商品はある」と感じた。
激安セールは最後の数日間が本当の勝負。27日から始まった「さよならセール」のチラシが公式サイトに掲載されている。
レベルの高いことで定評のある地下1Fの食料品売場。「青果の日替り税込50円セール」をはじめ、「鮮魚どれでも1パック税込500円均一セール」、神奈川の人気店のメニューが揃う「最後の湘南・神奈川味めぐり」などが実施中。

さいか屋川崎店ウェブチラシ表面
2Fの婦人服売り場では一部ブランドが50〜70%オフで、家具・じゅうたんは30〜50%オフ。

さいか屋川崎店ウェブチラシ裏面
「来店するのが1週間早かったかも…」と思いつつ店内を歩き回る。一部のスペースでは既に店じまいが始まっていた。

8Fの鮨辰は26日をもって閉店した。
2010年7月に出店したユザワヤは、17日をもって営業を終了。

その奥にある学生服売場は営業を続けている。

サテライト型店舗で営業は続く
さいか屋は川崎から完全撤退するわけではない。
6月3日から川崎日航ホテルビル3階で営業を開始する。ただし商品のジャンルは大幅に絞られ、学生服や婦人服のエンスウィート、ウィッグ、カタログギフト、補聴器などに限られる。
何でも揃う百貨店とは言えなくなるが、サテライト型店舗で営業を続けられるということは、閉店を惜しむ声が根強いのだろう。

右の高い建物が川崎日航ホテルビル。丸井川崎店やヨドバシカメラマルチメディア川崎ルフロンと直結。