(Jタウンネットより)
[ちちんぷいぷい – 毎日放送] 2015年4月29日放送で、「湊山温泉の閉館」について取り上げていました。
平安時代末期、平清盛も湯治に訪れたとの伝説が残る、神戸市兵庫区の平野温泉郷。そこでただ一軒営業を続けているのが湊山温泉です。源泉かけ流しで長年地元の人たちに愛されてきたこの温泉が、水道料金の値上げで窮地に追い込まれています。
それは2004年のことでした。神戸市水道局から送られてきた紙には、月45万円程度だった水道代を4倍以上の200万円に値上げするという内容でした。水道局の説明では、湊山温泉は戦前から長らく安い水道料金が適用される”銭湯”に区分されていましたが、これを高い料金が適用される”その他浴場”に変更したためということでした。
実は平野温泉郷にもう一軒あった天王温泉も、この水道料金の値上げで閉館となっていました。湊山温泉はこれまでなんとか頑張ってきたのですが……。
水道料金の値上げに燃料費高騰も追い打ちをかけ…
水道料金の値上げから11年。湊山温泉では、入浴料は少しずつ値上げしていきましたが、源泉かけ流しにはこだわって営業を続けてきました。その日の営業終了後には湯を全部抜いてすべて入れ替えを行います。湯を加熱する必要があるので燃料代がかさんで、効率の悪い営業を続けていると言えるのです。
温泉の質だけにこだわって営業していることが売りなので、それにこだわることはとても苦しい状況を生むことになってしまったのです。4倍以上の水道代の値上げと昨今の燃料費高騰も追い打ちをかけ、これ以上の値上げはできないと、いったん閉館が決まってしまいました。
そこに救いの手が!
と、番組ではここまでの話だったのですが、その後の新聞記事によると、閉館直前に静岡県の伊豆高原ビール社が運営会社として名乗りを上げ、ギリギリのところで営業継続が決定しました。(ライター:ツカダ)