(Jタウンネットより)
[どさんこワイド – 札幌テレビ]2015年4月24日放送の「ときめき野菜通信」では、北海道の春の味覚のひとつ「山わさび」が特集されました。
「山わさび」の正式名称は『ホースラディッシュ』。和名で『西洋わさび』といい、『わさび大根』とも呼ばれ、寒さにとても強いので、北海道が主産地となっています。
長い冬を大地の中で過ごし、目覚めたばかりの春掘り山わさび。ひと冬越した大地から収穫される山わさびは、辛さのなかにマイルドさをもつ格別の美味しさです。
今回うかがったのは「”英”倶楽部(はなくらぶ)高橋農場」(江別市東野幌)。山わさび畑ではパートさんを含めた30人ほどが作業していました。あらかじめトラクターでおこした土の中から山わさびを見つけては掘り出していきます。山わさびは繁殖力が強く、土のなかにびっしり。農園主は独学で研究を重ね、今では年間100トンの山わさびを生産しているそうです。
収穫した山わさびは、すぐに0度〜2度に保った冷蔵倉庫で土つきのまま保管します。3度を超えると成長してしまうからです。そして、出荷する分だけ出し、土を落として、生食用と加工用に。年間を通じて札幌および近郊に出荷しているといいます。
山わさびの旬は”春”と”秋”。春の山わさびは味がしまって風味がよく、秋はみずみずしい。ジャガイモでいえば、新じゃがと越冬したイモといった感じなのだそうです。
山わさびのパワー&オススメ料理
山わさびは明治時代の初期にヨーロッパからローストビーフと共に日本に入って来たそうです。しかし、当時の日本の食卓にはなじまず、寒さに強いため北海道で野生化し、その後、栽培されるようになったといいます。
しかし、今では機能性に注目されているそうです。酪農学園大学の教授にうかがうと「山わさびは大量に食べる食材ではないが、食べることによって、食欲増進、消臭作用、抗菌作用などいろいろな生理活性物質というもので注目されている」といいます。また「ビタミンCの他にカリウムが多く、カリウムというのは体内の塩分を排泄する手助けをしてくれる」ということでした。
そんな山わさびのオススメの食べ方を教えていただきました。
用意するのは、山わさび・醤油・ツナ・マヨネーズ・ご飯・きざみのりです。まず山わさびをすりおろし、醤油で和えます。そこに同量のツナを加え、マヨネーズを入れ混ぜるだけ。先に山わさびを醤油で和えておくことによって、しっとりして食感が良くなるそうです。そしてこれをご飯にのせ、きざみのりをトッピングすれば『山わさび入りツナマヨ丼』の完成。パンにはさんでも手巻き寿司などにしてもOKな逸品です。
山わさびは、豆腐や納豆など、サッパリ系のものには『めんつゆ』をかけると甘さが加わって食べやすく、肉やマヨネーズなどこってり系には『醤油』を合わせるとコクが出て美味しいというアドバイスもいただきました。
最後に、農場主の高橋さんに山わさびの魅力をうかがうと「雑草より強いこと」との回答。山わさびの精神に見習って頑張りたいとのことでした。
農村育ちの筆者が山わさびといって思い出すのは、田んぼの畦道などそこら辺に生えている野生のもの。今では広大な畑で生産されているのですね。(ライター:北海道saki)