
先日のアンケート「予算も要望もスケールが違う! 不動産店スタッフが見たリアルセレブ」に登場したようなセレブならともかく、毎月の賃料など住まいに関するコストは誰もが頭を悩ますところですよね。
住まいを探すとき、理想の物件が予算オーバーしていたら……。多少は希望条件を妥協しないといけなくなりますよね。とはいえ、予算を優先して希望をガマンしながら住み続けるのも、ストレスが溜まります。「これぞ!」という住まいと出会えたら、無理のない範囲で予算を上積みしてそこに決める、というのもひとつの答えです。
そこで今回は、アットホーム加盟店のスタッフに「住まい探しの予算アップ」についてアンケートをとりました。予算アップはなかなか大きな決断ですが、決して珍しいケースではないようです。
Q.お客様が提示したもともとの予算から、最終的に価格が大きくアップしたケースはありますか? あれば、どのような要因で価格アップになったのか教えてください。
■実際に見るとやっぱり考えが変わる! その結果予算アップ
どのお客様も当初は希望家賃の価格帯で探しますが、立地、築年数や設備を見ていくと、必然的に家賃や価格が高くなります。結果、希望物件が見つかれば価格面で妥協されます。
以前ご案内した若いカップルは予算は少し低めでしたが、抱き合わせでキレイな物件(予算2万円UP)にお連れした際、即決で決めて頂けた。そのカップルは夢を持って新居を探していたので、多少無理をしてでもキレイな部屋がいいみたいでした。
2LDK程度の中古マンション物件をお探しのお客様がおり、2LDKの物件をいくつかご案内しましたが、反応がイマイチでした。そこで3LDK、そして4LDKを案内するとそこで即決! 希望金額が1500万円だったのが、最終的には2500万円くらいで成約となりました。
見るからにお金持ちのようなお客様だったが、「寝にくるだけだから」と安い物件を探していました。ところが内覧すると「ここが汚い、もっと広さが欲しい」といった注文がつき、最終的に当初の予算の3倍以上に。
やっぱり実際に物件を見て回ると、より良い条件が出てきて理想が高くなったり、生活をイメージして条件が増えたりしますよね。「実際に案内したら当初の予算より高い物件で成約した」というエピソードは非常に多く寄せられました。
また、最初からしっかりした希望条件があり、予算を上積みすることで、物件との出会いを逃さないパターンも多く見受けられました。
■予算を増やしてでも譲れない条件
子供の学区の関係で、そのエリアをはずすことができず、当初の予算より3万円ほど上がりました。
ペット可の条件の方、物件が少なく、5万程予算が上がりました。
東京タワーが見える側を希望して予算が上がった。
1人暮らしのお客様で、ご予算も5万円位の物件で探していましたが、「友達を呼んで女子会をしたい」と、対面式のおしゃれなキッチンがある1LDK(家賃7万円)で契約が決まりました。
家族やペットに関する大事な条件は予算を上げざるを得ませんよね。その他にも、どうしても叶えたい希望は人それぞれ。予算を少しでも妥協できれば、理想の物件と出会えるかもしれません。
ただ、予算を上げるにも元手がなくてはどうにもなりません。予算アップした方はどうしているのでしょうか?
■予算を上げる方法?
一番多いケースは、親御さんからの援助だと思います。親御さんのご要望に沿った物件の場合、援助があるように感じます。例えば、親御さんのお住まいに近い物件など。
多くのお客は当初の予算より高い物件を買っていると思う。ローンさえ組めれば1000万円程度のアップは普通。
お探しの価格帯に全く気に入るお部屋がなく、徐々に家賃を上げて探していき、最終的に12万ほど最初の予算より高いお部屋になりました。車を2台持っていたんですが手放して、家賃を上げていました。
5万円から10万円にアップしたことがありました。ルームシェアに変更となったので。
単身用マンションの予算9万円が10万円になった程度ですが、そのお客様は「毎日コーヒー1杯分(300円×30日=約1万円)だと思えば、ケチる金額ではない」とおっしゃったのが印象的でした。
意外といろいろな方法がありますね。
理想の物件を追い求めるあまり、無理をして予算を上げてしまうと、そこでの暮らしは理想とかけ離れたものになってしまうかもしれません。予算が無理なく捻出できるか、その後の生活に影響はないか、希望条件を妥協するか、冷静な見極めが必要といえるでしょう。
イラスト:タテノカズヒロ
<アンケート調査概要>
対象/全国のアットホーム加盟・利用不動産店約54,000店のうち 511店
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2016年9月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。