
at home VOXが47都道府県にアンケートで聞いて日本人の住まい観を明らかにする、住まいの考え方シリーズ。街並み、老後の住まいに続いて第三弾となる今回のテーマは「家を新しくするなら」です。
家を新しくするとしたら、「引越して新しい家に移り住む」か、「今の家をリノベーションして住み続ける」か、どちらを選びますか? アンケートの結果は果たして……?
Q.家を新しくするなら、どちらがいいですか?
【A】引越しして新しい地域と家に 【B】リノベして今のところに住む

結果は「【A】引越しして新しい地域と家に」の合計回答率が42.3%とやや優勢。しかし「【B】リノベして今のところに住む」も32.1%と決して低くなく、このテーマも意見が割れたといえるでしょう。
この結果を都道府県別に見て、それぞれの地域でどちらの意見の方が多かったのかを表した地図がこちらです。
「【A】引越しして新しい地域と家に」が多い地域が目立ちますね。なお、【A】と【B】で真っ二つに分かれた地域は、栃木、岐阜、島根、宮崎の4県でした。
続いては、【A】か【B】のどちらかに回答が大きく偏っている地域です。まずは「【A】引越しして新しい地域と家に」の支持派が多い地域から見てみましょう。
「【A】引越しして新しい地域と家に」の志向が高い地域ランキング

※【A】と【B】の回答率の差を表す緑のバーで順位を決定
トップ5にランクインした地域は、どこも【A】への偏りが30%以上と【B】を大きく引き離しています。それに対して【B】へ大きく偏っている地域は……。
「【B】リノベして今のところに住む」の志向が高い地域ランキング

※【A】と【B】の回答率の差を表す緑のバーで順位を決定
こちらは和歌山が41.9%とダントツの偏りを見せました。もしかして和歌山はリノベが盛んなのでしょうか?
調べたところ、和歌山では「リノベーションわかやま」という“まちぐるみ”でリノベーションする取り組みが行われているそうです。今回のアンケートで明らかになった和歌山の高いリノベ志向ですが、和歌山にはそもそもそういうムーブメントがあったのでしょうか? 「リノベーションまちづくり」を推進する「リノベーションわかやま」事務局にズバリ聞いてみました!
リノベーションわかやま「和歌山に住まいをリノベーションする土壌がもともとあったのかというと、それはないと思います。でも、今後リノベの動きが盛り上がっていけばいいですよね」
at home VOXのアンケートで、和歌山県民が特に高いリノベーション志向を見せたことについては……。
リノベーションわかやま「私たちとしても、ちょっと驚きの結果ですね。もし和歌山市と私たちの活動が、少しでもこの結果につながったのだとしたら、それは大変うれしいことです。現代社会は人口縮退傾向にあり、また成熟化して心の豊かさが求められる時代になっています。コストを抑えつつ、住み慣れた家を長く活用するリノベーションが、徐々に認知されてきた結果かもしれません」
リノベーションわかやまは、リノベーションを通して何を実現しようとしているのでしょうか?
リノベーションわかやま「私たちの目的は、リノベーションを継続的・連鎖的に実施することで、新たな『まちなか産業』を育むことです。たとえば、遊休化している不動産をリノベーションして、カフェや雑貨屋などの店舗として活用するなど。住宅のリノベ事例としては、集合住宅の一部をゲストハウスやシェアハウス、カフェやイベントスペースにしたり、などがありますね」
リノベーションわかやまの活動はまだこれからで、今は大きな変化までは至っていないものの、少しずつ面白いコンテンツがまちなかに見え始めているとか。
リノベーションわかやま「今は、ちょうど蒔いた種から少しずつ芽がでてきたところと言えるでしょうか。これから大きく育ち、やがて花が咲き大きく茂っていくのが楽しみですね」
どちらかというと引越して新しい家に住みたい、という人が多いということが分かった今回のアンケートですが、一方でリノベーションも和歌山を中心に盛り上がりを見せています。新天地の新しい家もワクワクしますが、リノベーションの可能性にも期待が膨らみますよね。
さまざまな二択のアンケートを行ってきましたが、住まいや暮らし方には無限大の選択肢があります。幅広い視野で自分に合ったものを見つけていきたいですね!
イラスト:タテノカズヒロ
<アンケート調査概要>
対象/対象/全国20〜59歳の男女1,457名(47都道府県各31名ずつ)
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2016年5月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。