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床下・天井裏から周辺環境まで プロが教える中古物件のチェックポイント

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中古物件のイラスト

住まいを手に入れるとき、新築か中古かは誰もが悩むところです。中古は新築を諦めてやむなく選ぶ、と思っていませんか? 実は、中古ならではのメリットを把握して、最初から中古一択で考える人が増えているのです。

アットホームが2015年6月に行った調査「中古物件の“売り手”と“買い手”のキモチ調査」(リンク先PDF)によると、「Q.住宅購入時に、新築を買うかどうか迷いましたか?」の質問で「いいえ」と答えた、つまり最初から中古狙いだった人は、なんと54.1%と過半数を占めました!

同調査で明らかになった、中古で買おうと思った理由のランキングも見てみましょう。

「Q.中古物件を買おうと思った一番の理由は?」の回答率ランキング

中古の理由ランキング

1位が「立地」、2位が「価格」という結果でした。確かに、立地や価格は中古物件のメリットですよね。

ただ一方で、中古物件の購入は建物の経年劣化やこれまでの使用状況、すでに形成されているご近所関係など、何かと不安や確認点が多いもの。そこで頼れるのが不動産のプロ・アットホーム加盟不動産店です!

今回は、中古物件について加盟店スタッフにアンケート。中古物件といっても比較的新しいものから、非常に古いものまで幅広いですが、どのくらい古い物件を扱っているか「Q.貴社が扱っている物件の中で、最も築年数が古い物件は築何年ですか?」と聞いてみたところ、最古年数の平均41.5年で、いちばん古い物件では築120年という回答もありました!

そこまで古い物件ということは、いろいろ気になる部分もありそうです。つづいて、中古物件を探す時・購入する時の注意点やアドバイスも聞いてみました。いずれも参考になる意見ばかりです!

■プロはここまでチェックする! 中古物件の確認ポイント

Q.中古物件を購入する際に、注意した方が良い点や良い物件を見つけるためのアドバイスをお願いします。

【躯体に関するアドバイス】

先ず基本的な躯体が大事だと思います。設備面は何とかなりますが基本構造はなんともなりませんし、リフォーム等も莫大な費用を要します。旧建築基準法は避けた方がいいと思います。

まず注意したいところは床下と天井裏シロアリの食害にあっていないか、雨漏りの痕跡がないか、火災(ボヤ)の跡がないか、基礎を含め躯体がしっかりしているかなどです。

室内の天井に染みがないかと、建物の傾きが無いかを確認する事

最も多かったのが、建物の基礎や柱をはじめとする躯体を注意すべきだという意見。特に一戸建ての場合は、床下や天井裏を実際に見てみて、シロアリや雨漏りがないかをチェックする必要があります。また、建物の傾きも確認した方が良さそうです。

【給排水管や水回りに関するアドバイス】

給排水設備が劣化しているため水漏れ・排水詰まり等起こる可能性を視野に入れること

雨漏りがないか、配管関係が傷んでいないかの確認をした方がいいと思います。配管の寿命は短いので。

中古戸建てを検討するのであればスリ傷や汚れ、部品の劣化(色褪せ)などは予め納得して探すべきです。そのような箇所があっても住むのには支障はなく、むしろ水周りの排水がスムーズにできているか(蛇口を目一杯捻ってもらい排水を見る)などが重要です。

築年数の古い物件を購入の際は、よく水回りを確認してください。また、カビなども注意して確認するといいでしょう。壁紙などを張り替えるとカビなどは分からなくなりますが、よ~く注意して壁の縁の木の部分などもみるといいでしょう。

こちらも多かった、給排水管や水回りの確認。やはり傷みやすく、築年数が経っていると不具合の可能性が高くなります。前述の躯体と同じく、一見ではわからない部分をよくチェックすることが重要ですね。

【設備に関するアドバイス】

設備が機能するか。またそれぞれの破損によって追加の費用が多く出ないかをチェックしないと、次々に出費がかさんで思いのほか予算オーバーになりかねません。

給湯器や換気扇など、備え付けの設備もご確認ください。取り換えがきくものはいいですが、例えばマンションでエアコンが設置できないケースもあるようなので、注意が必要です。

【修繕履歴・管理状況に関するアドバイス】

戸建、集合住宅問わず、その物件の大規模改修履歴は確認した方がいいと思います(外壁塗装や屋根補修)。購入を検討される方はついつい内装を見てしまいますが、いちばん費用がかかるのは外壁や屋根の補修です。

新築当時から現在までの修繕履歴などを購入前に確認できるのが望ましい。雨漏りや漏水、心理的瑕疵、その他知りえる過去の履歴なども。

中古物件を購入する際は、管理組合や自治会の活動内容にも目を配ると生活してからの居心地が違うと思います。

どれくらい手入れされているかも要チェック。これまでの修繕履歴を知ることで、今後必要になりそうな修繕の検討も付けることができます。マンションの場合は、定期的に大規模修繕が行われているかと今後の計画、また管理組合の状況なども確認しましょう。

【耐震性に関するアドバイス】

新耐震の物件か旧耐震の物件かの確認と建物のゆがみ等で判断して、しっかりとした建物であれば内装はいくらでも新しくできます。

昭和56年5月31日以前の建物は旧耐震設計のため、購入の際は、耐震診断を是非検討されることを希望します。

今と昔で違う耐震基準。築年数の経っている物件はやはり気になりますよね。耐震診断をしてもらった方が安心です。

【境界・道路に関するアドバイス】

前面道路が私道か公道か。過去に前面道路私道の物件を仲介した際に、購入後すぐに前面道路補修をすることになり…。あとは、前面道路幅の確認。将来取り壊しや建替えする場合、前面道路幅が4mでは割高になる場合がある。

境界の問題や越境の問題などは後々問題になるため事前にしっかりと理解してください。わからない事があれば売主様もしくは仲介業者さんへ質問をするといいでしょう。ここでの判断、言動で担当者の良し悪しが出ます。

建築基準法では4m以上の道路に接していないと建物が建てられないことになっています。4m未満の中古物件は、再建築ができない場合がありますので確認が必要です。

【近所付き合いに関するアドバイス】

物件自体のことではないですが、ご近所を歩き回り、雰囲気・環境・近所付き合いも調べておかないと。新参者にはつらいことも

中古物件購入時に最近耳にすることが多いのは当該物件の近所の人とのトラブルです。購入前に近所の方や町内会の方などに物件の近所や買主について話を伺う、インターネットで情報収集をするなどの方法で事前に調べておくことが必要です。

一戸建てもマンションも、中古ということは周り近所の方々は以前から住んでいて、すでにコミュニティができています。事前にご近所付き合いの様子を知っていた方が溶け込みやすいかもしれませんね。

【その他のアドバイス】

修繕・リフォーム費用も込みで資金計画を立てるようにしましょう。

中古物件については、できれば瑕疵担保保険が付保されている物件がよいです。

建物の評価は難しいのが、一般的ですので、土地の価値を中心に判断することが大切だと理解しています。

雨漏りとシロアリ被害の有無、それと忘れがちなのはその建物が建っている土地の履歴……。過去100年前までは文献などでそこが田、畑、川跡など…遡り確認ができるので、仲介業者等へ依頼をして調査してもらったほうがいい。また、遺跡群等地区エリアは年毎に対象範囲が変更になるので、その確認も怠らないようにしたほうがいい(将来、再建築時に建築が不可という恐れもある)。

必ず近隣を歩くこと。可能ならば、日中だけではなく夜間の近隣状況も調べた方がいい。

近隣住民のコメント5人以上確認する。なぜ売る事になったのか理由を確認する。

建物の古さに目がいきがちですが、過去に分譲された土地の場合、建築基準法に適合していない場合もあるため、不動産会社のスキルを利用しアドバイスをもらう必要があります。建物については心配の場合、費用はかかりますが建築士の確認、ホームインスペクション(住宅診断)を行うと安心材料となります。

物件本体はもちろん、周辺環境やご近所づきあいまで、多彩かつ具体的なアドバイスが出そろいました! さすがはプロ、どれも非常に参考になります。

これだけのことを自分で隅々まで確認するのはとても難しいので、やはりプロに見てもらうのも大切です。近年では専門家による「ホームインスペクション」という住宅診断・建物検査のサービスが広まっていますので、ぜひ検討してみてくださいね。

それでも自分で直接確認する必要はあるでしょう。そこでat home VOXでは今回のアドバイスを参考にして、中古物件検討用のチェックリストを作成しました! もしあなたが中古物件を買おうと思ったら、ぜひ使ってみてください。

中古物件チェックリスト

プロのアドバイスを参考にしつつ、ステキな物件を見つけてくださいね。

イラスト:タテノカズヒロ

<アンケート調査概要>
対象/全国のアットホーム加盟・利用不動産店約51,000店のうち 477店
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2015年8月
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。

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