
自ら家具を作ったり、内装に手を加えたりして自分好みに部屋をカスタマイズするDIY。一方、住まいを大きく変えていくリフォーム・リノベーション。リフォームのTV番組や、DIYの専門店や専門雑誌が人気を集める一方、最近では賃貸でも「リフォーム・カスタマイズ」が可能な物件も増えてきており、注目を集めるムーブメントです。
事実、at home VOXが一般消費者と全国のアットホーム加盟店の皆さんにそれぞれアンケート調査したところ、こんな結果になりました!
Q.【一般消費者の皆さん】DIY(自分で家具や小物を作ったり、住まいをカスタマイズすること)に興味はありますか?

Q.【アットホーム加盟店の皆さん】お部屋のリフォーム・カスタマイズが可能な賃貸物件のニーズは増えていると感じますか?

一般消費者の「興味がある」人の割合と、不動産店の「ニーズ増加を感じている」割合が、44.2%とピッタリ同じに! これは偶然にしても、いずれの結果からもDIYやリフォームに関する注目度がうかがえます。
さらに不動産店の方々は、すでにさまざまな事例・エピソードを持っているようです。今回は、不動産店スタッフに聞いた「賃貸物件入居者のDIYやリフォーム・カスタマイズなどでビックリしたり、困ったりしたエピソード」をご紹介します!
■ビックリ&成功エピソード
若い女性が入居していた物件の退去立会に行ってビックリ! バスルームにペンキを塗りたくって、壁、風呂桶も真っピンク。元の色は淡いブルーだったのに。
江戸から明治にかけて建築された先祖代々の町家を賃貸したのですが、表側柵を外して赤く塗り、遊郭のような改装をされました。
多く寄せられたのが、色の塗り替えに関するエピソード。色彩センスは人それぞれですが、たまに度肝を抜かれるセンスの持ち主もいるようです。自分は良いと思っていても、次に住む人が同じ好みかどうか……。
入居当初から、退去時には壁紙を張り替える覚悟で、壁紙全体にかなりうまい動物の絵を描いている方がおりました。退去の立会で玄関を開けた瞬間、美術館かと思っちゃうくらいでした。
部屋全体がキャンバスに……アートに囲まれた生活はステキですね。
外国人の方ですが、トイレにシャワールームを設置しても良いかとの申し出があった時には驚きました。文化が異なると、考え方もまるで違いますのでその対応には苦労してしまいます。
風呂・トイレ・洗面所が1つの空間に置かれる3点ユニットバスが多い、欧米の水回り。住まいのお国柄がよく出たエピソードですね。しかし、そのトイレの広さはどのくらいなのでしょうか……?
貸主がリフォームはしないので何かあれば全て借主が修繕するという契約での物件で、入居前に借主がフローリングの全面張り替え、クロスの張り替え、古いキッチンのシート貼り、木部のペンキ塗りをしてほぼリノベーションのような状態だった。
ご存知のとおり、賃貸物件は退去の際には入居時の状態に戻す「原状回復」が原則ですが、中には免除している物件も。とはいえ、そこまでやってしまうとは……持ち家並みのモチベーションですね。
換気扇の故障で入居者様のお宅にお邪魔したところ、内部にカウンターや棚が作ってあって、退去時にどうするのかな?と思ったら解体した際に部屋に一切傷が付かないように考えて作ってあったこと。凄いアイディアでした。
うまーくすれば原状回復も問題なく、お部屋のアレンジができることも。
入居者によって築40年のボロ貸家がカワイイ家に大変身しちゃいました。ちなみに、入居者は建築関係だったので…
さすがはプロ。どんな大変身を遂げたのか、気になります!
■あえなく失敗してしまったエピソード
入居者が自分でフローリングを張り替えるとの申し出でがありオーナーに許可をもらいました。しかし3か月後にギブアップの申し出があり、見に行くと8畳のダイニング半分が施工されたまま、放置でした。結局、プロを手配する事になったのですが、半分の施工状態が酷くて全部撤去。入居者さんは、撤去費用まで取られて、材料費も無駄になってしまい大損失だったと思います。
挑戦してみたものの、素人の手には負えなかった悲惨なエピソード……前のエピソードとは違い、プロのように簡単にはいきませんから、自分の力量は測り間違えないように。
壁を傷つけないように気を遣われた入居者で、突っ張り棒を床と天井に何本も張って、その間に棚を設けたり飾りを吊るしたりと色々なデコレーションしてお洒落にしていましたが、強く何本も突っ張った結果、天井のボード全体が浮いてしまいました。壁だけでなく天井も気にして欲しかった…
気を遣ったのに思いもよらぬところに影響が! 全体をよく注意する必要がありますね。
ハードウッドフローリングで防音処理が無く下階に響くようになってしまった。
住まいには目に見えない、さまざまな機能が備わっています。見栄えが良いだけでは不十分なのです。
■DIY・リフォームをするなら不動産店に事前確認と相談を!
多数のエピソードが寄せられましたが、最も多かった意見は「知らないうちに勝手にされるととっても困る!」というもの。どれだけリフォームやDIYの腕に覚えがあっても、賃貸物件は事前に不動産店に相談するのがベスト。今回のアンケートで寄せられたエピソードは、そうした事前確認の大切さを教えてくれました。
ちなみに、リフォーム・カスタマイズOKな賃貸物件は、どのくらいあるのでしょうか?
Q.【アットホーム加盟不動産店の皆さん】貴社ではお部屋のリフォーム・カスタマイズが可能な賃貸物件を取り扱っていますか?

4分の1の不動産店が、リフォーム・カスタマイズOKな賃貸物件を取り扱っていると回答。自分で住まいに手を加えれば、愛着がぐっと増すこと間違いなし。次の引越しは、「リフォーム・カスタマイズが可能」という条件も検討してみては?
イラスト:タテノカズヒロ
<アンケート調査概要>
調査方法/インターネットリサーチ
一般消費者への調査時期/2015年1月
一般消費者の調査対象/全国20〜59歳の男女500名
アットホーム加盟不動産店への調査時期/2015年6月
アットホーム加盟不動産店の調査対象/全国のアットホーム加盟・利用不動産店約51,000店のうち 468店
※アンケート内容の転載にあたりましては、「at home VOX 調べ」もしくは「アットホームボックス調べ」という表記をお使いください。