街のコト

着工から4年 いまだ完成しない家/シキホール島(フィリピン)

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(ライター:斉藤 賢一)

フィリピンでは、「建築中の家?」と思われる家でも実際に人が住み、何年もそのままという状況をよく見かけます。最近ではコンクリートを使った家も多くなってきましたが、その多くはブロックを積み重ねたままの状態で、仕上げのモルタルやペンキが塗られることもなく、また窓ガラスもない状態なのに、住み始めるのです。お金ができればその都度工事を行うという方法が一般的という、日本では考えられない南国ならではのアバウトさで、近隣の人々も全く違和感を感じていないようです。

IMG_1561

フィリピンでは、何年も人が住んでいるのに、コンクリートブロックそのままに ドアも設置されていないような家をよく見かける

フィリピンでは、何年も人が住んでいるのに、コンクリートブロックそのままに
ドアも設置されていないような家をよく見かける

また、一般的に大工さんは日雇いなので、もう少しで終わりそうになると次の働き先を見つけようとします。そのため、完成前なのに大工さんが突然来なくなってしまい、工事が中途半端で終わってしまうこともしばしば…。事実、私自身、フィリピンに来て8回も家を建てましたが、今住んでいる家は大工のとんずらのせいで、なんと4年経過しているものの、いまだに完成していないという有様です。

2階建ての家で、2階部分はほぼ完成していることもあり住むことに問題はないのですが、台所のある1階部分の床はコンクリートがむき出しのままです。不自由なく暮らせる上にフィリピン式と言ってしまえばそれまでですが、やはり人を招くには多少抵抗もあり、これでも1日も早く終わらせたいと思っています。

しかし最近フィリピンでは、好景気や経済成長の影響により、人手不足で大工さんを探すのにも一苦労。一体いつになれば工事が終わるのか、神のみぞ知る、というところでしょうか。

斉藤 賢一(さいとう・けんいち)
フィリピン在住歴18年。パラワン島でダイビングショップと旅行会社を経営後に、セブ島の南にあるシキホール島に移住。白砂のビーチと青い海が売り物の静かな島でダイビングショップを営む。

 

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME