街のコト

湯の町散歩で見つけた 木造アーケード(大分県別府市/竹瓦小路)

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(ライター:村上 健)

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源泉数、湧出量共に日本一を誇る別府温泉。それだけに市内には温泉の共同浴場が数多くあり、趣の異なる浴場をハシゴする地元の人や観光客の姿が目に付きます。

そんな共同浴場の中でシンボル的存在が「竹瓦温泉」。唐破風造りの屋根を持つ建物は登録有形文化財で、砂湯も人気です。「昔は別府港に汽船が着く度に、このかいわいは新婚さんたちで溢れ返ったもんですよ」とは、地元の人の話。昭和30年代には、宮崎の日南海岸と並んで新婚旅行の定番スポットだったんですね。

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クラシカルな「竹瓦温泉」の正面玄関

そんな竹瓦温泉の目の前に細い路地を見つけました。大正10年製の木造アーケードに覆われる飲食店街の「竹瓦小路」です。当時はモダンだったでしょうが、今となっては実にノスタルジック。
新婚旅行の主流が海外になってからはすっかり寂しくなったようですが、その分、現存するものとしては日本最古の希少なアーケードを見上げながら、ノンビリと散歩が楽しめます。

もちろん散歩の後は砂湯へ直行。浴衣を着て砂の上へ横たわり、おばちゃんにスコップで砂をかけられると、体の芯がやがてジンワリ温まってきて、ああ極楽、極楽…。

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村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

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月刊不動産流通2015年6月号掲載

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