家のコト

World Life Style~わたしの国の住まい事情~

人情あふれる近所付き合いも魅力のひとつ。上海の中心地にあるチャイニーズスタイルの『団地』。

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海外の家や暮らしをレポートする「World Life Style」。第4回目は中国上海の団地に住むご夫婦の住まいをリポート。かつては政府から人民に割り当てられた住居だったという建物は「公寓」と呼ばれ、古き良き長屋のような懐かしさが残っている。人情あふれる近所付き合いも魅力だ。

1930年代に建てられた団地の中は洋風にリフォーム

world_04_01 この家は「公寓」と呼ばれる団地で、元々は政府から割り当てられた住居。イギリス、アメリカの租界地だった1930年代に建てられ、この一角には首相・故周恩来も住んでいたとか。建物は古いがインフラはしっかりとしているので、1997年にリフォームされ、現在は外国人なども賃貸できる人気の物件に。 「インテリア雑誌等を参考に内装を考えたんだ」という韦さん。インテリアデザイナーにはチャイニーズ風の内装をアドバイスされたが、中国家具は褐色で部屋が狭く感じられるので洋風に。テーマカラーは緑。「静かで温かい印象だし、みんなが使わない色だからチャレンジした」。また、風水師から「韦さんには五行の木(モク)が足りないから、緑色で満たすとよい」と言われたことも理由のひとつ

映画のポスター風に撮影したペア写真をインテリアに

world_04_02壁にかけた写真は韦さん夫婦。「友人のカメラマンが撮ってくれたんだ。映画のポスター風でいいでしょう?」。中国では一般に結婚写真を飾ることが習慣で、ポーズをとったり、映画風にしたり、かなり凝った撮影をするのだそう。韦さん曰く「でも、僕たちは自然な方がいいから、二人で旅行に行った時の写真を飾っている」とか!?奥にあるベンチチェストは中国列車の二等席をイメージし、リフォームの際に作ったもの。シートの下は収納スペースになっている。

寝室から続く書斎はガラス天井のサンルーム

world_04_03world_04_11寝室と天井をガラスにして採光をとった書斎は、2部屋続きになっている。書斎の広さは6平米と狭いが、気持ちよい光が注ぐサンルーム空間だ。韦さんは映画のプロデューサーで奥様は弁護士と、二人とも多忙なので「うっかりしていると、ただの物置になってしまう」のがもっかの悩み。

共働きが多い上海ではお手伝いさんを雇う人も多い

world_04_04キッチンは4平米ほどの広さ。テーマカラーのグリーンを配してかわいらしいインテリアだが、「共働きなので料理をするヒマはありません」。うらやましいことに、料理を始め、家事全般をお手伝いさんにまかせているという。上海では生活に余裕があれば、お手伝いさんを雇う人が多いという。

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休日は手料理を作って、ふたりで食卓を囲むこともある。

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冷蔵庫に貼っているペーパー類はときどき利用する出前のメニュー表。

団地の暮らしは、近所付き合いも魅力のひとつ

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団地の生活は、マンションより近所付き合いが盛んで、「出張、旅行と長期間、家を留守する時は、犬の面倒なども引き受けてくれて、非常に助かります」。ときには手作り餃子など、美味しいおすそ分けもある。韦さんも近所の人を呼んで、一緒に映画やサッカーの試合などを鑑賞するそうだ。

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■プロフィール■
韦亮(WEI LIANG)34歳/朱晶晶(ZHU JINGJING)34歳
韦さん(夫)は杭州出身で映画プロデューサー、朱さん(妻)は上海出身の弁護士。韦さんはカメラ、バイク、映画&音楽鑑賞と趣味が多彩。
1階スペースに寝室とリビングが一部屋ずつある「公寓」と呼ぶ団地に住んで3年。韦さんが独身時代から飼っていた愛犬たち、シベリアンハスキー(奇奇・8歳)ビーグル(萝卜・8歳)と暮らしている。
~住まいについて~
面積:60~80平米 約200万元で購入。

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■上海の不動産事情■上海は川を挟んで、東側は高層ビルが建ち並ぶ街並、西側が旧市街となっている。街の中心部にある古い建物はつぶされることも多いが、古き良き中国に憧れる外国人に貸して、持ち主は郊外のマンションで暮らす例も多いそう。
韦さんが住む団地は、上海の中心部でショッピングセンターや店が密集している静安区にある。マナーのよい上品な人々が暮らしている高級エリアで外国人も多い。団地は購入と賃貸の両方があり、賃貸だと40〜50平米で8000元/月が目安。賃貸物件は団地に限らず、ほとんどの物件が家具付きだ。
また、上海では住宅を借りるときに、不動産と大屋さんの両方に家賃の各30〜35%を手数料として支払うのが決まり。そのほかに1ヶ月分の家賃も預ける。日本の敷金のようなもので、引き払うときに戻ってくるが、修繕費などにあてられることもある。

 

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