暮らしのコト

東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー

2種類のトマトのおいしさがカルダモンで弾ける「ダブルトマトチキンカレー」

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人気の出張カレーユニット「東京カリ〜番長」メンバーが、四季折々のおいしさを詰め込んだカレーを伝授する連載「東京カリ〜番長直伝! 春夏秋冬カレー」の第33回。

今回は東京カリ〜番長のリーダー、伊東盛さんによる「ダブルトマトチキンカレー」をお届けします。

何がダブルなのかといえば、トマトとプチトマトをダブルで使っているから。今が旬のトマトの風味を存分に味わうことのできるスパイスカレーです。そのため、辛さはちょっと控えめにして、トマトと相性のよいカルダモンの香りをフィーチャーしています。

いかにしてトマトを最大限に味わうか。その一点に向かって設計されたスパイスカレーのレシピを、教えてもらいましょう!

【材料(4人分)】
・鶏もも肉:250〜300g(唐揚げ用などに皮つきでカットされているもの)
・タマネギ:大1個
・トマト:1個(150g)
・プチトマト:8〜12粒
・ニンニク(すりおろし):2片分
・ショウガ(すりおろし):1片分
・塩:小さじ1
・砂糖:小さじ1/2
・調理油:大さじ2
・水:400cc
・パクチー:1株
〈ホールスパイス〉
・クミンシード:小さじ1
・カルダモン:5〜7粒(小さじ1)
〈パウダースパイス〉
・コリアンダーパウダー:小さじ3
・カイエンペッパー:小さじ1/2
・ターメリック:小さじ1/2

■作り方
①素材を切り、鶏もも肉を焼く
②ホールスパイスを炒める
③タマネギ、ニンニク、ショウガを炒める
④トマトを加えて炒める
⑤パウダースパイスと塩を加えて炒める
⑥鶏もも肉を加えて炒める
⑦水を加えて煮込む
⑧プチトマト、パクチー、砂糖を加えて煮込む

①素材を切り、鶏もも肉を焼く

鶏もも肉に塩(分量外)とコショウ(分量外)をして、フライパンで焼き色がつくまで焼きます。油は使わず、皮目を先に、パリッとなるくらいまでしっかり焼きましょう。

トマトはヘタを切り落としてざく切りに、プチトマトはヘタを取っておきます。タマネギ、パクチーは粗みじん切り。カルダモンは、コップの底などを使って軽く潰しておきます。

②ホールスパイスを炒める

鶏もも肉を焼いたフライパンに調理油を加え、中火でホールスパイス(クミンシード、カルダモン)を炒めます。クミンシードが茶色に色づいたらOKです。

③タマネギ、ニンニク、ショウガを炒める

タマネギを加えて塩少々(分量外)を振り、あめ色(写真参照)になるまで炒めたら、ニンニク・ショウガを加えて青臭さがなくなるまで炒めます。

伊東さん「タマネギを炒めるときは、ちょっと焦げてきたかな?と感じたら、1回50cc程度の差し水をしましょう。タマネギの焦げつきを防いで、発色をよくする効果があります。フライパン内の焦げつきの状態をみて、適宜差し水を繰り返します。ニンニク・ショウガを加えたあとも同様です。仕上がりに悪影響を及ぼすことはありませんので、恐れずに差し水をしてください」

④トマトを加えて炒める

トマトを加え、潰しながら(形が残る程度に)水分がなくなるまで炒めます。

伊東さん「今回はトマトを具としても味わえるよう、トマトを完全に潰さないように炒めます」

⑤パウダースパイスと塩を加えて炒める

火を弱めてパウダースパイスと塩を加え、弱火でよく炒め、混ぜ合わせます。

伊東さん「1〜2分を目安に炒め、ぽてっとまとまったら“カレーの素”が完成します」

⑥鶏もも肉を加えて炒める

焼いた鶏もも肉を加え、弱火〜弱めの中火でしっかり混ぜ合わせながら炒めます。

伊東さん「鶏もも肉の全体に“カレーの素”がからめばOKです」

⑦水を加えて煮込む

水を加えて強火で沸騰させたら弱火にし、ふたをせずに5分ほど煮込みます。

⑧プチトマト、パクチー、砂糖を加えて煮込む

プチトマト、パクチー、砂糖を加えたら、よく混ぜ合わせながら弱めの中火で2分ほど煮込めばできあがりです。

伊東さん「煮込むときのポイントは、表面が小さくぽこぽこと泡立つ状態をキープすること(写真参照)。それを目安に火加減を調整しましょう」

カレー全体に満ちたトマトの風味が、カルダモンの優雅な香りをまとって口の中に広がっていきます。さらにプチトマトをかめば、ジュワッと弾けるジューシーなおいしさ! ひと口で2度おいしい、トマトが主役のスパイスカレーです。

今回のスパイスの配合は
・クミンシード…1
・カルダモン…1
・ターメリック…1/2
・カイエンペッパー…1/2
・コリアンダー…3

で、使用スパイスの総量は小さじ6杯ぶんになります。

トマトの味を活かすために、カイエンペッパーは控えめに小さじ1/2。辛さを抑えるとともに、ターメリックも小さじ1/2にしています。もし辛さを強めたい場合は、両方とも小さじ1に増やしてもOKです。

注目すべきはカルダモン。小さじ1は5〜7粒に相当し、4人分のスパイスカレーに使う量としてはかなり多めです。これは、トマトに合うカルダモンの香りを強調することがねらいなのです。

スパイスは、多く使えばおいしくなるとは限りません。4人分のスパイスカレーを作る場合、使うスパイスの総量は、「大さじ2〜2と1/2」が目安です。これは小さじに換算すると6〜8杯にあたります。これを基準にして各種スパイスを増減すると、好みのスパイスカレーを作れるようになっていきますよ!

【ダブルトマトチキンカレーの極意】「4人分のカレーには大さじ2ぐらいのスパイスを!」
「スパイスカレーを作るときの基本のスパイスは、ターメリック、カイエンペッパー、コリアンダー、クミンの4種類。これらの基本的な配合比率は「1:1:3:3」で、これをちょっと変えるだけで何通りもの味のバリエーションを作れます。今回の『ダブルトマトチキンカレー』ではそこにカルダモンを大胆に加え、そのぶんほかのスパイスの量を減らしました。ただし、スパイスの総量は増えないようにしています。『4人分は大さじ2〜2と1/2』の枠の中で、基本4種のスパイスをベースに、プラスアルファのスパイスを組み合わせることで、スパイスカレーの無限ともいえる可能性が広がっていくのです!」

■レシピ考案・監修
東京カリ〜番長
1999年に結成された出張料理集団。全国各地のイベントでカレーのライブクッキングを行うほか、雑誌・書籍でのレシピ紹介、飲食店のメニュー開発を手掛ける。
https://www.facebook.com/tokyocurrybancho

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