「ハイレゾ」

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リッピングからハイレゾ再生まで楽しみを広げるパイオニアのワイヤレスワールド  ◎文・野村ケンジ

リッピングからハイレゾ再生まで楽しみを広げるパイオニアのワイヤレスワールド  ◎文・野村ケンジ

リッピングからハイレゾ再生まで楽しみを広げるパイオニアのワイヤレスワールド 〜ワイヤレスドライブ“BDR-WFS05J”&ミュージックシステム“Stellanova”◎文・野村ケンジ AVアンプや高級スピーカーなどの本格オーディオビジュアル機器から、ヘッドホン&イヤホンなどのポータブルオーディオ、さらにはカーナビやカーオーディオなどの車載製品まで、幅広いジャンルの音響機器を手がけているパイオニア。日本有数のオーディオメーカーとして、高い知名度を誇る同ブランドだが、そのいっぽうで、パソコン分野でも内蔵や外付け用のBD-Rドライブ(BD/DVD/CDライター)を豊富にラインナップしてきており、そちらのジャンルでも有名だったりする。いや、今どきはハイクオリティーを志向したBD-Rドライブなんて、市井ではパイオニアくらい。音響ブランドならではのノウハウを生かすことで、データ書き込みの正確性だけでなく、CDリッピングや音楽再生についても高いクオリティーを誇る独自のシステムを搭載していることから、主にPCオーディオ(パソコンをプレーヤーとして活用するオーディオシステム)ユーザーから高い信頼を得ているのだ。iOSデバイス対応で機動力を高めたパイオニア・ワイヤレスドライブワイヤレスドライブ パイオニア BDR-WFS05J オープン価格 このようにパイオニアのもうひとつの顔となっているBD-Rドライブだが、その最新モデルはラインアップされた独自のワイヤレスドックによりPCとのワ イヤレス接続にも対応。パソコンでワイヤレスの外部ドライブとしての活用はもちろんのこと、この7月にはワイヤレスドックのファームウエアがアップデート されて、iOS専用アプリと連携して、iPhone/iPad、同社オーディオシステム「Stellanova」などと接続できるようになり、ダイレクト にCDリッピングやワイヤレス再生といった、さまざまな使い方が可能となっている。  もともとパソコン用ドライブであるにもかかわらず、パソコンレスでも利 用することができるようになっているのだ。そんな、画期的な手軽さを持ち合わせている最新世代のワイヤレス対応BD-Rドライブが「BDR- WFS05J」だ。  ワイヤレス機能を搭載、パソコンだけでなくスマホやタブレットからもコントロールが行えるという、多機能と利便性を極めたBDR-WFS05Jだが、そ の構成は至ってシンプル。スロットローディング式のPC用薄型BD-Rドライブ本体に、台座を兼ねたワイヤレスドックが組み合わせられた2ピース構成と なっており、ドライブを縦型設置することもあって、スペース効率もかなりよい。実際のセットアップも、台座部分にACアダプタをつなぐだけ。あとはパイオ ニアが提供しているPC用、またはiOSデバイス用のアプリから家庭内無線LANに接続させるSTモードか、直接ワイヤレスユニットを親機として接続するAPモードで接続するだけなので、ワイヤレス機器に不慣れな人でも、ほんの数10 分あれば使い始めることができる。なかなかに手軽だ。 それでいて、前記のようにiOSデバイスからパソコンレスで直接をCDリッピングして再生できるほか、iOSデバイス内の音楽データをドックにつないだHDDやUSBメモリーに書き出し、またiOSデバイスから再生したり、リッピングではデータの保存先にUSB HDDやUSBメモリーを指定できるなど、使い勝手もよい。いやはや、便利な時代になったと思う。  ちなみに、ワイヤレスユニットはAPS-WF01Jというモデル名で単体発売されているので、BDR-XS06Jなどパイオニア製BD-Rドライブを所有している人も、手軽にワイヤレス化ができる。 いっぽうで、パイオニアならではのハイクオリティー志向であるのも、BDR-WFS05Jならでは。振動の排除、抑制を図った高剛性ボディーを採用するほか、リッピングなどでCDデータの読み取りをより高精度に行うようにするPureRead 2+を搭載。新アルゴリズムの採用によって、データの読み取り精度を従来よりも高めている。ちなみに、PureRead 2+の“+”はPureRead系の設定をドライブ本体のファームウエアが記録保存してくれることを指した記号で、パソコンをつなげるたびにいちいちドライブの動作を再設定する必要がなくなっている。おかげで、一度設定してしまえば、パソコンやタブレットなどからも同じ設定を利用することができるようになっているので、ことBDR-WFS05Jのようなワイヤレス接続で様々な機器から利用する場合はとても便利だ。 また、映像や音声コンテンツの再生時にはディスクを低速で回転させ静音を保ち、データをハードディスクに保存するときはディスクを高速回転させてパフォーマンスを高めるアドバンスド静音ファームウエアも機能しており、利用状況に応じて最適な動作を自動的にチョイスしてくれるのも嬉しい。新しいスタイルのワイヤレス・ハイレゾシステム Stellanova さて、BDR-WFS05Jを、実際に使ってみるにあたり、今回はもうひとつ、個性的な製品を組み合わせてみた。それは、先にもちょっと触れたパイオニアのコンパクト&スタイリッシュオーディオシステムStellanovaだ。ワイヤレスミュージックシステム パイオニア Stellanova APS-S301J オープン価格 こちらの製品、何を隠そう、パイオニアはパイオニアでもピュアオーディオ部門ではなく、BD-Rドライブ開発と同じ部署が開発に携わったというユニークな生い立ちを持つ製品。本体は、超薄型の変形五角形デザインが採用されていたり、レッドやブラウンなどのカラーバリエーションが用意されたりと、なかなかにスタイリッシュなデザインとなっている。 シリーズとしては、システムの中核となるUSB DAC内蔵アンプ「APS-DA101J」、USB HUB機能を持ったワイヤレスユニット「APS-WF02J」をラインナップ。APS-DA101Jはシルバーにゴールド、レッド、グリーン、「APS-WF02J」はブラックにブラウン、ブルー、ピンクという、両者で全く異なる4色ずつのカラーバリエーションが用意されているのも特徴的だ。また、専用の小型スピーカーAPS-SP101Jも含めたフル構成のAPS-S301J、スピーカー&アンプ構成のAPS-S201Jなどのセットモデルも用意されている。  そういったスタイリッシュでコンパクトなスタイルもさることながら、やはりパイオニアというべきか、Stellanova最大の特徴といえば、ワ イヤレス環境を活用しつつも、ハイレゾ再生に対応していることだ。しかも、「Air Hi-Res Link Technology」なる独自技術によって、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスからのDSD5.6MHzと PCM192kHz/24bit(いずれも最大)までのハイレゾ音源が楽しめる。今後のハイレゾ音源の普及を考えても、十分に高いスペックを持ち合わせて いるといえる。 ワイヤレスドライブからiPhone/iPadにダイレクトCDリッピング ということで、今回はStellanovaのAPS-S301Jシステムと、BDR-WFS05Jを組み合わせて、どのような活用ができるのかをいろいろと試してみた。なお、パソコンはWindows8.1、iOSデバイスにはiPhone5Sを使用。Windows8.1には専用プレーヤーソフト「Pioneer Stellanova Player」と機器接続ソフト「Pioneer Wireless Connect」を、またiPhone5sには専用アプリ「Wireless Hi-Res Player 〜Stellanova〜」をインストールして、それぞれの使い勝手や機能性についてテストを行っている。 まずはWindows8.1でパソコン用プレーヤーソフトPioneer Stellanova Playerを使う。一言でいえばオーソドックスな音楽再生ソフトで、特に奇をてらったものではない。その分、操作はとても分かりやすかった。加えて、(当然ながら)ハイレゾ音源の再生やその他の音源の再生などもこちらのソフトから行えるため、操作がひとつにまとまってくれているのはかなり便利。その点も含め、使い勝手はよいといえる。  いっぽう、機能の充実が光っていたのが、iOSデバイス専用アプリWireless Hi-Res Player 〜Stellanova〜だ。こちらはiPhone本体やパソコン、Stellanovaに接続したUSBメモリ(FAT32に対応)など、様々な場所に 置かれた音楽ファイルが再生できるうえ、それがどこに置かれたファイルなのかもアイコンを見ればひと目でわかるようになっている。また、ワイヤレス経由で BDR-WFS05Jと接続しておけば、CDリッピングもコントロールが可能(リッピングのファイル形式も選択可能なのが嬉しい)。ちなみに、リッピング したデータは、iPhone自身に保存されるため、外出時などにヘッドホン等で楽しむことも可能だ。   なお、Stellanovaおよび「BDR-WFS05J」については注意する点がひとつ。こちらの2製品ともに、プレーヤーやコントローラーとして接 続できるデバイスは同時にひとつだけとなっていて、パソコンからiPhoneに切り替えるときは「Pioneer Wireless Connect」を使ってパソコンとの接続をいったん解除、その後iPhoneの「Wireless Hi-Res Player 〜Stellanova〜」アプリから接続を行わなければならない。とはいえ、今回のようなテストならいざ知らず、そこまで頻繁にプレーヤーを切り替える ことはないだろうから、億劫に感じるほどではないだろう。StellanovaでiPhoneからワイヤレス・ハイレゾ再生 USB DAC内蔵アンプAPS-DA101JとワイヤレスユニットAPS-WF02Jを組み合わせたStellanovaは、iPhoneからのハイレゾ再生やUSB DAC機能など、なかなかに便利だ。では、実際のサウンドはいかがなものだろうか。ということで、StellanovaのワイヤレスユニットAPS-WF02JにUSBメモリーを挿し、その音質を確認してみることにした。 フォーカス感のしっかりした、明瞭なサウンド。ヴォーカルやメインギターがしっかりと前に出てきて、存在感のある歌声や演奏を楽しませてくれる。音色傾向としては、クセの弱い、ナチュラルなイメージ。ありのままの歌声を、ストレートに楽しませてくれる。自然でいて、活気のあるサウンドといえるだろう。   しかしながら、APS-S301Jに組み合わせられている小型のスピーカーは、ミニマムなサイズはありがたいものの、66mm口径フルレンジユニットを採用して いる。このためか、低域の量感としてはバランスは悪くないのだが、ローエンドののびがもう少し欲しいという印象を覚えた。そこで、手元にあったドイツELACの BA72を組み合わせてみたところ、これがなかなかに相性がよく、重心の下がった、かつエネルギー感の高いサウンドを披露してくれた。同時に、音場的な広がり感も向上、立体的なサウンドフィールドになってくれた。  両者の違いは、あくまでも好みの範疇ではあるが、APS-DA101Jのパワーアンプ部が(そのサイズからは望外といえる)良好な駆動力を持ち合わせているため、もしお気に入りのブックシェルフスピーカーがあれば、そちらと組み合わせて活用するのも手だろう。それでも、「Stellanova」ならではの利便性や音質の良さは、十分に活かすことができるはずだ。 ワイヤレス環境を得ることで活用シーンが大きく広がったBDR-WFS05Jと、スマートなデザインと手軽で便利な機能性を持ち合わせつつも、音質に関して一切の妥協なく仕立てられたStellanova。どちらもパイオニアらしい、こだわりに満ちた製品だと感心させられた。

ワオンレコードが一作品を96kHz/24bitとDSD2.8MHzのハイレゾ音源DVD-Rで発売

ワオンレコードが一作品を96kHz/24bitとDSD2.8MHzのハイレゾ音源DVD-Rで発売

 独自のこだわりある録音によるCDやハイレゾ音源制作で知られるワオンレコードは、『バルサンティ:リコーダーソナタ<全6曲>』を、WAVE96kHz/bitまたはDSD(DSDIFF) 2.8MHzの2形式のハイレゾデータで収めたDVD-Rにて、7月2日(木)に発売する。いずれもオープン価格で、市場では4,100円前後の見込み。 作品は2007年8月発売の同名タイトルCDのハイレゾ版となり、リコーダーソナタの名曲として名高いバルサンティの6つのソナタのバロックアンサンブルでの演奏をステレオペアマイクで捉えたもの。チェンバロやリコーダーをはじめ、リュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、手ふいごオルガンなどのめずらしい楽器の音色も聴くことができる。 WAVE版は、オリジナルマスターの96kHz/24bitデータをそのまま書き込み、DSD版はオリジナルマスターを収録時の2.8MHzDSDIFFに変換したデータを収録。DSD変換には、スイスのワイス社のDDコンバーターソフトを使っている。『バルサンティ:リコーダーソナタ<全6曲>』●アーティスト:本村睦幸(リコーダー)、櫻田 亨(リュート)、平尾雅子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、上尾直毅(チェンバロ/手ふいごオルガン)●レコード番号:WAONXA-086(WAVE96kHz/24bit)、WAONXA-088 (DSDIFF2.8MHz)●発売日:7月2日●販売:キングインターナショナル●価格:オープン(市場価格4,100円前後)

ハイレゾプレーヤーAstell&Kern AK380が7月10日発売 価格は50万円

ハイレゾプレーヤーAstell&Kern AK380が7月10日発売 価格は50万円

 5月に発表されオーディオファンの間で注目を集めたハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤーAstell&Kern AK380が、7月10日(金)に発売開始。オープン価格で、直販ショップでは499,980円(税込)で販売が予定されている。取り扱いのアユートが明らかにした。 AK380は、AK100、AK120、AK240など数多くのハイレゾ対応ミュージックプレーヤーをラインアップしてきた同ブランドのシリーズ最上位モデルとなる。DAC部は、最新のAKM(旭化成エレクトロニクス)AK4490を左右独立で計2基を使うデュアルDAC構成として、これをディファレンシャル動作。アナログ出力アンプもその能力を十分に生かすようにフルバランス構成としている。クロック系の高精度化にも取り組み、200フェトム秒の超低ジッターのVCXO(電圧制御水晶発振器)を採用。PCM384kHz/32bitとDSD5.6MHz/1bitのハイレゾ音源のネイティブ再生に対応する。 ネットワーク(DNLA)機能も大幅に強化。メディアサーバー(NASなど)の音源のダウンロードやストリーミング再生などで自らがネットワークプレーヤーとなったり、サーバーからコンテンツを選び再生機器を選択するコントローラーとしたり、自分がメディアサーバーとなってほかのネットワーク機器に配信できるるなど、ネットワーク上でもさまざまな能力を発揮する。 プロ級の高精度な音質調整が可能なパラメトリックイコライザーを装備。内蔵メモリーは256GB、microSDカードスロットによる最大128GBの拡張も可能で、ハイレゾ音源によるファイル容量の増大に対応している。出力端子は、フルバランス回路を生かした2.5mm4極バランスとアナログが3.5mmステレオミニ、3.5mmミニの光デジタル出力も備えている。サイズは79.8×112.4 ×17.5mm、重量218g。

highreaudio.jpがパンク・レーベル「WAX」の復刻シリーズ・ハイレゾ音源  6月17日より第2回30タイトル配信開始

highreaudio.jpがパンク・レーベル「WAX」の復刻シリーズ・ハイレゾ音源  6月17日より第2回30タイトル配信開始

 ハイレゾ音源配信サイトhiresaudio.jpは、徳間ジャパンが復刻するパンク・オルタナティブ専門セーブルWAXのハイレゾ音源のシリーズの第2回13タイトルを、6月17日(水)より配信開始する。5月13日の初回7タイトルに続くもの。計30作品のリリースが予定されている。作品は以下のとおり。説明文は発表資料より。 腹ふり町田町蔵+北澤組1992年リリース作品。全編 15曲 76分の大作。FISH INN (2015 REMASTER)THE STALIN自主レーベルからリリースされた同作品のリミックス・アルバム。ビル・ラズウェルがプロデュースを担当。FOR NEVER (2015 REMASTER)THE STALIN1985年2月の東京調布の大映スタジオで行われた解散ライブを収録した作品。REPLICANT WALKフリクション1988年リリースされたフリクションの3枚目のアルバム。DUMB NUMB CDフリクション1990年リリースされたライブ・アルバム。BLUE SPHINXE.D.P.S1983年にリリースされた 1stアルバム。Edges of DreamE.D.P.S1984年リリースの 2ndアルバム。DECEMBER 14th 1983 MAY 27th 1984E.D.P.S1984年リリースのライブ・アルバム。MASATOSHI TSUNEMATSU恒松正敏1991年リリースのソロ・アルバム。TRAPチコ・ヒゲ1985年リリースのソロ・アルバム。あぶらだこ 木盤あぶらだこ1985年リリースの1stアルバム。あぶらだこ 青盤あぶらだこ1986年リリースの2ndアルバム。あぶらだこ 亀盤あぶらだこ1989年リリースの3rdアルバム。    -

【2015年5月】〜毎月更新〜厳選!ハイレゾ10本勝負 ◎文・麻倉怜士 

【2015年5月】〜毎月更新〜厳選!ハイレゾ10本勝負 ◎文・麻倉怜士 

特薦?ザ・ピーナッツ ハイレゾ・コレクション シングルス2ザ・ピーナッツキングレコードe-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit 3,240円 DSF 5.6MHz/1bit 3,500円)VICTOR STUDIO HD-Music.(WAV/FLAC 96kHz/24bit 3,240円  DSF 5.6MHz/1bit 3,500円) 2004年11月にアルバムリリースした『ザ・ピーナッツ・メモリーズBOX』DISC2に収録された26曲をアナログマスターテープからDSDでマスタリングしている。「スク・スク」「ヘロー・メリー・ルー」「コーヒー・ルンバ」「シンデレラ」……などの翻訳ものが懐かしい。 ハイレゾのザ・ピーナッツは、本欄でも以前に採り上げたが、ユニゾン、そしてハーモニーの美しさが圧倒的だ。双子ならではの“同質性、”つまり同種の声質の二人が同時に歌う声の質感の微妙な違いをハイレゾだから感じることができる。ユニゾンで歌っても、やはり二人の声色にはほんのわずかな違いが出る。このちょっとだけという部分、9割同じだけど1割だけ違うというのが、DSD5.6MHzでよく分かるのである。 そうしたニュアンスに加えて、弱音のやさしさと強音の張り感の対照も愉しい。テクスチャーは鮮烈で新鮮、それでいてナチュラルなのである。まさにアナログの精雅。ワイドレンジで天井が高く、声とバックのオーケストラの対比感もいい。 なお、この音源については、アスキーネット(ASCII.jp)でキングレコードのリマスタリング現場を取材、リポートしているので参照して欲しい(来週にもアップ予定)が、当時録音したTelefunkenやSTUDER製のデッキでアナログマスターテープを再生し、リマスタリング(イコライジング)し、その場でDSD5.6MHz化していた。 かつてのアナログアーカイブものはフラットトランスファーするか、イコライジングをかけるかという2種類の選択があるが、この作品の場合、当時の歌声、そして作品に込められた芸術性を現代に甦らせるためには、イコライジングが必要だと考えているという。それもアナログ領域で掛ける。イコライザーはAVALONDESIGN AD2077、コンブレッションはNeve33609を使用、録音はMERGING TechnologiesのA/Dコンバーター+Pyramix。 完成したDSDのマスターとSTUDER A820で再生したオリジナルの2トラック/38センチのアナログマスターを比較する機会があったが、オリジナルのよさを保ちつつ、さらに現代的な風味が加わったのが印象的であった。ヴォーカルはよりブライトになり、音の力感がくっきりしていた。とはいえデジタルっぽさ(つまり強調感や冷たさ)はなく、明晰化しても、アナログ的なヒューマンな響きを維持していた。(次ページへ続く) -特薦?Tchaikovsky: Symphonies Nos.4, 5 & 6 "Pathetique"Leningrad Philharmonic Orchestra,Evgeny MravinskyDeutsche Grammophone-onkyo music(FLAC 96kHz/24bit 3,703円)mora(FLAC 96kHz/24bit 3,703円)HQM STORE(FLAC 96kHz/24bit 3,703円) 「チャイコフスキー交響曲第4番へ短調」を聴く。アナログ時代からの天下の名盤だ。1960年9月、ヨーロッパのツアーの際に、ロンドンのウェンブリー・タウン・ホールで録音された。チャイコフスキーのロマン的側面を誇大に表現するのではなく、ザッハリヒ(直截的)に、スコアを透徹し作曲者の意図を峻厳に読み取り、それを音に再現している。レニングラードフィルの性能の高さ、サウンドの豪放振りが、本ハイレゾで堪能できる。 さすがに録音年代からして、トゥッティの強奏はやや粗い(金管など)が、残響の少ない中での直接音主体の録音からは、このオーケストラの凄さを痛感させられる。弦の低域力は、比肩するものがない。同時にリリースされた第5と第6交響曲はウィーンのムジークフェライン・ザール録音なので、ドライなウェンブリー・タウン・ホールの録音とは異なり、ひじょうにソノリティが豊潤だ。(次ページへ続く)  -特薦?SHARED ZONEMonjeuVIVID Productionse-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit 2,000円) 懐かしいミュゼット音楽が帰ってきた。ギター、アコーディオン、コントラバスのトリオの愉しい調べは、パリ下町の大衆的なカフェで、ワインを飲みながら、聴き流して(?)いるような、むかしどこかできいたようなデジャヴ感覚にとらわれる。「Night In Tunisia チュニジアの夜」「Manha De Carnaval 黒いオルフェ」「Norwegian Wood ノルウェイの森」など、懐かしい曲ばかり。 しかし、懐かしい気分に浸っている暇もないほど、音が良い。各楽器の質感が見事に捉えられ、左のギター、中音のコントラバス、右のアコーディオンと見事なほどに分離を見せる、まさに眼前感の演奏だ。泰西の小品が、おしゃれジャズに編曲されている。Monjeu、モンジューとはフランス語で私の遊びという意味。(次ページへ続く) -特薦?Now ThisGary Peacock TrioECMe-onkyo music(FLAC 96kHz/24bit 3,086円) 第1曲、GAIA。鮮明だ。冒頭、ピアノのオブリガードが静かな空気を引き裂くように、鮮烈に始まる。音場内の空気が澄んでいる。ピアノ、ウッドベース、ドラムスはいずれもファントムセンターを中心に音像を形成しているが、ピアノは音域によって左右に拡がる。アンビエントは少なめで、ある距離を隔てて聴くのではなく、まさに眼前の直接音中心な臨場感だ。トリオの醸し出す精妙な音模様が、ECMならではの清涼で透明感の高い描写力にて、余すところなく捉えられている。Gary Peacockのコントラバス、Joey Baronのドラムス、Marc Coplandのピアノ。2014年7月12-14日。ノルウェーはオスロのRainbow Studioで録音。(次ページへ続く) -推薦?The End Of The InnocenceDon HenleyGeffene-onkyo music(FLAC 96kHz/24bit 3,086円)  ドンヘンリーはイーグルス解散後の1982年からソロ活動を開始。本作品はグラミー賞ベスト・ロック・ボーカル部門を受賞した、1989年のアルバム。重いリズムとねっとりとしたカントリー調の歌唱だが、ひじょうに切れがシャープで、音の剛性感が高い。音場内部にバンドサウンドが緻密に、そして剛直に配置され、大きなヴォーカル音像を支える。ベースが安定して音階を奏し、ソプラノサックスの音色も艶っぽく、チャーミング。音像の造形が強靭だ。 推薦?Dvorak: Requiem, Op. 89, B. 165Philippe HerrewegheRoyal Flemish PhilharmonicPHIe-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit 2,500円) 冒頭の弦楽のユニゾン。スピーカーから物理的に音が出ているという感覚ではなく、空気そのものから音が湧きいずる。コーラスが加わっても同じ音場テクスチャーで、音の軽々とした浮遊感が印象的。音が高く舞い上がり、垂直方向にも豊かに拡がる。活発な音の飛翔がホール全体をきれいに埋めている。音像は2つのスピーカーの間で緻密に、安定的にポジションを持つ。音質は清らかで、音の粒子が細かい。空気感の透明さには驚くほど。(次ページへ続く) -推薦?LOVE中島 美嘉Sony Music Labels Inc.mora(FLAC 96kHz/24bit 3,200円) 「雪の華」を聴く。ポップスや歌謡曲のハイレゾによくありがちの、小さなシステムで聴くのがよいのだか、本格的システムでは逆効果という現象は比較的少ない。特に前半の音数が少ない部分は、ハイレゾ的な質感が堪能できる。ベースの存在感が過剰に大きく、もっと切れ味が欲しいところだが、中島の鮮鋭であると同時に歌詞を大切にした情感溢れるヴォーカルはハイレゾではおおいなる魅力。説得力のあるニュアンス表現が耳の快感だ。後半のクレッシェンド部分は、オーケストラが少し硬くなる。推薦?Prokofiev: Piano Concerto No.3 / Ravel: Piano Concerto In G MajorMartha Argerich,Berliner Philharmoniker,Claudio AbbadoDeutsche Grammophon、e-onkyo music(FLAC 96kHz/24bit 3,086円)mora(FLAC 96kHz/24bit 3,086円) 「プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番」を聴く。まさに鮮烈を絵に描いたような演奏であり、録音だ。アナログマスターなのだが、音が良い意味でデジタル的である。細部まで透徹して描写し、クールな音色にて、ピアノとオーケストラの絡みの密度感が高い演奏芸術を素直にそのまま捉えている。若きアバドは、オーケストラにとっても難曲を見事にコントロールしている。高域のきらめき感、中域の豊かな感情感、低域の剛性感……のすべてがアルヘリッチの素晴らしさ!シャープで鮮烈な音楽性が本ハイレゾで堪能できる。1967年、ベルリンはイエス・キリスト教会で録音。(次ページへ続く) -推薦?伊東ゆかり ハイレゾ・ベストコレクション伊東ゆかりキングレコードe-onkyo music(WAV/FLAC 96kHz/24bit 3,240円 DSF 5.6MHz/1bit 3,500円)VICTOR STUDIO HD-Music.(WAV/FLAC 96kHz/24bit 3,240円  DSF 5.6MHz/1bit 3,500円)  2011年11月にリリースされた『決定版 伊東ゆかり』収録の20曲をアナログマスターテープからハイレゾ化。ピラミッドスタイルのF特だ。オーケストラはベース、トランペット、ギター、ストリングス、打楽器……と、楽器の数が多いが、個々の音像が際立つわけではなく、塊的なまとまりで描かれる。ピーナッツはハイファイ調だが、伊藤ゆかりは、あまり音の表面の粒子を立たせず、マイルドタッチなアナログ的な解像感だ。その意味では昔懐かしい歌謡曲音調が、そのままハイレゾで伝えられるという感覚。ハイレゾだから、精細にカラフルに、輪郭が立つというより、ハイレゾが過去のアナログ音源の特徴をそのままリニアに伝えるという風だ。 推薦?ワルツの夢 〜幸田浩子・イン・ウィーン(24bit/96kHz)幸田浩子DENONe-onkyo music(WAV /FLAC 96kHz/24bit 3,000円)  幸田浩子の声は透明感が高く、優しい。しなやかで柔軟性に富む。耳触りが美しい声は、ウィンナオペレッタにぴったりだ。本アルバムは本場のグィド・マンクージ指揮ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団をバックに2012年にCDで発売されたもの。懐かしく、親しみやすいオペレッタの名作を、しっとりとした情感とコロラトゥーラテクニックで朗唱。ナチュラルな音調で、オーケストラと声のバランスも良い。アンビエンスが豊かで、生々しさと麗しさが同居する。録音は2012年7月2-4日、ウィーン、カジノ・バウムガルテン。  -

ハイレゾで聴けたキース・ジャレットの奥深い魅力  ◎文・和田博巳

ハイレゾで聴けたキース・ジャレットの奥深い魅力  ◎文・和田博巳

ハイレゾで聴けたキース・ジャレットの奥深い魅力◎文・和田博巳 以前も、このGaudio+PCオーディオfam.comでECMのハイレゾ作品を紹介させていただいた。その時は、キース・ジャレットの作品は故チャーリー・ヘイデンとのデュオ『LAST DANCE』を紹介したが、もっと多くのキース・ジャレットの演奏をハイレゾで聴きたいと思った人は多かったと思う。かく言う私もそのひとりだ。すると嬉しいことにe-onkyo musicからこのたびキース・ジャレットのアルバムが16タイトル一度に登場した。 内容は新旧取り混ぜてバラエティに富んだものだが、嬉しいのはECM作品だけでなく、インパルス時代(1973年〜1977年)のアメリカン・カルテットによる5タイトル(『Fort Yawuh(フォート・ヤウー)』、『Mysteries(ミステリーズ)』、『SHADES(シェイズ)』、『Byablue(バイアブルー)』、『Bop-Be(バップ・ビー)』)が含まれていることだ。さらに往年の名盤以外に、今年の5月にECMからリリースされたばかりの最新作『Creation(クリエイション)』も含まれている。『クリエイション』はソロピアノ作品なので、ちょうど40年前の1975年にリリースされてキース・ジャレットの人気を決定づけた『ザ・ケルン・コンサート』と聴き比べるのも面白いと思う。当時30歳のキース・ジャレットと現在70歳のキース・ジャレットの変わらないところ、変わったところ。あるいはアナログ録音とデジタル録音の音質の違い。そしてコンサート会場ごとに変わる空気感の違いなど、ハイレゾで聴くと音質的な向上に加えてニュアンスの違いまでいっそうよく感じられるはずである。アメリカン・カルテット5作品『Fort Yawuh』/『Mysteries』/『SHADES』  『Byablue』/『Bop-Be』 (次ページへ続く)  - ソロで聴ける情感に満ち溢れた独自の境地『Creation[Live]』 では、キース・ジャレットの主要アルバムを見てゆこう。まずは最新作『Creation[Live](クリエイション)』である。このアルバムはキース・ジャレットが今年70歳となることを記念して制作されたアルバムで、キースの代名詞ともいえる完全即興ソロピアノ演奏集となっている。2014年に行ったワールドツアー(東京、トロント、パリ、ローマに於ける計6回の公演)から厳選した9曲を収録しているが、その収録日時をチェックしていたら、ローマで演奏された3曲の日付が2014年7月11日とあった。 この日付に何となく見覚えがあったので調べてみると、その日はチャーリー・ヘイデンの命日だった。“チャーリー・ヘイデン危篤”の報はローマのキース・ジャレットのところにも届いていたのだろう。その日披露された即興曲3曲は、深い悲しみを湛えた演奏と聴こえる。ピアノを通してチャーリー・ヘイデンに静かに語りかけるキースの姿がここには奇跡的に記録されている。『The K?ln Concert[Live]』 次にずっと昔の録音『ザ・ケルン・コンサート』を聴くと、こちらの演奏はファンならよくご存知と思うが、ピアノの音色は驚くほど瑞々しく、そして演奏は若々しい。ちなみに『クリエイション』(48kHz/24bit)は最新のデジタル録音らしく極めて澄みきったピアノの音が、空気中にスーッと溶けてゆく様子がよく分かる。対する『The K?ln Concert[Live](ザ・ケルン・コンサート)』だが、今回新たにECMのアナログ録音は、オリジナルアナログマスターから96kHz/24bitでハイレゾファイル化されている。したがって本作でもその艶やかで凛としてニュアンス豊かなピアノの音色は、聴いた誰もが魅力十分と分かるはずである。『Fort Yawuh[Live]』 70年代のキース・ジャレットは、ソロ演奏、トリオ編成、そしてアメリカン・カルテットとヨーロピアン・カルテットという二つの異なるクァルテットを率いて八面六臂の活躍を繰り広げていた。そのうちアメリカン・クァルテットは本稿の最初のほうでも挙げたが5タイトルがリリースされている。チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアン・デューイ・レッドマンを擁したアメリカン・カルテットの特徴は、熱いマグマが噴出するが如くフリーキーで、いや『Fort Yawuh[Live](フォート・ヤウー)』のようなライヴ録音を聴くと、まぎれもなくこの時期のアメリカン・カルテットはフリージャズに超接近した演奏をしている。 極めて濃密でスリリングで、かつ不思議なことに官能的と言うかエロチックに傾く瞬間も多々訪れるという、ひじょうに魅力溢れるフリーインプロビゼーションが、狭いジャズクラブの聴衆の眼前で繰り広げられる。だからアメリカン・カルテットでどれか1枚と言われたら、私は真っ先に1973年にヴィレッジ・ヴァンガードでライヴ録音された『フォート・ヤウー』を挙げたい。(次ページへ続く) -ハイレゾはアーティストと血の通った付き合いができる ヨーロピアン・カルテットはメンバーにヤン・ガルバレク、パレ・ダニエルソン、ヨン・クリステンセンを擁している。ヨーロピアンジャズを牽引するECMらしい布陣と言えるが、キース・ジャレットがこの北欧の新進ジャズレーベルと契約したことで、ヨーロッパにも驚くべき才能を持ったジャズミュージシャンがいることを、アメリカや日本のジャズファンは驚きと共に知ることとなったわけだ。アメリカン・カルテットに比べるとヨーロピアン・カルテットは各ミュージシャンの発する音がキース・ジャレットも含めて際立って澄みきって美しい。ジャズだから決して冷徹ということはないのだが、青白い炎がチロチロと燃えているようなクールなエモーションは、この時代かなりユニークで、この音に痺れまくったジャズファンは、私も含めて多かったと思う。 今こうやって聴き返しても、最新のハイレゾ・マスタリングの恩恵も大とは思うが、昔聴いていたイメージよりもいっそう思索的で、いっそう清澄で、時に妖艶ですらある。まさに当時ECMが謳っていたクリスタルサウンドを実感する。もちろんこれはハイレゾで聴いての印象だが、ハイレゾで聴くことで、キース・ジャレットは全く異なる二つの世界(アメリカと北欧)を行き来していたことがよく理解できる。そこにソロピアノ演奏を加えた大きく3つの世界を自由自在に行き来することで、溢れんばかりの才能とジャズの衝動を発散させていたのだろう。与えられた字数が尽きてきたので、まだまだ取りあげるべきアルバムはある、いや全てのアルバムについてその魅力をお伝えしたいが、とにかくキース・ジャレットのファンは各人の愛聴盤を改めてハイレゾで聴き返して欲しい。 キース・ジャレットが、何故かは分からないがまるで古い友人のように親密な印象でそこでピアノを弾いていると感じられると思う。ハイレゾで音楽を聴くということは、つまりアーティストと血の通った付き合いができるということに他ならない。キース・ジャレットそのほかの作品『Standards, Vol. 1』 / 『Standards, Vol. 2』 / 『Facing You』  『My Song』 / 『Belonging』 / 『The Survivors' Suite』   『Eyes Of The Heart[Live]』 / 『Changes』 / 『Arbour Zena』  『Hamburg '72[Live]』   -

Celsus Soundが小型USB DAC/アンプ「CompanionOne」 DSD再生やAirplayに対応

Celsus Soundが小型USB DAC/アンプ「CompanionOne」 DSD再生やAirplayに対応

 輸入オーディオ機器のフューレンコーディネートは、米国Celsus Sound(セルサスサウンド)のUSB DAC/ヘッドフォンアンプCompanion Oneを、6月12日(金)に発売する。DSDなどのハイレゾ音源に対応、また192kHz/24bitまでサポートするWi-Fi機能を搭載している。価格は、83,000円(税抜)。 DACチップには定番となっているESSテクロノジーのES9018MK2を使い、DSD5.6MHzとDXD384kHz /32bit(いずれも最大)の音源に対応し、ASIOもサポート。USB転送は非同期モードによる低ジッター化を図り、44.1kHz系と48kHz系で分けた2基のクロックを設けるなど、据え置き型並みの高音質設計を採る。アンプ回路もI/V変換にOPA1612、ゲイン/電流バッファーにAD8397と、こちらも定評あるOPアンプを使い、ヘッドフォンの十全な再生を目指している。 本体はアルミ削り出し、両面にクリアガラスを配したスマートフォンを厚くしたような形をしており文字通りスマート。USB入力はUSB-micro B、出力端子は、デジタルとライン(3.5mmステレオミニ)とヘッドフォン(3.5mmステレオミニ)のほか、デジタル(光ミニ)を装備する。また、Airplayに対応し、Wi-Fiを通してアップル機器の音楽コンテンツのワイヤレス再生が可能なのは、アウトドアでの使用に便利。 アンプ出力電圧はハイ3Vrmsとロー1.5Vrms、ヘッドフォン出力(適合インピーダンス16〜300Ω)が160mW(32Ω)、28mW(300Ω)。各機器との接続ためのMicro USBと、ライトニング、アップル30Pin、Android OTG USB、USB Aの各端子のケーブルが付属する。■リンクブランドwebサイト・インフォメーションページ  http://www.nuforce.jp/information.html-

ニュープライムが小型DAC/アンプ「μDSD」 DSD256&PCM384kHz/24bitのハイレゾ対応

ニュープライムが小型DAC/アンプ「μDSD」 DSD256&PCM384kHz/24bitのハイレゾ対応

 輸入オーディオ機器のフューレンコーディネートは、ニュープライム(NUPRiME)社製のUSB DAC/ヘッドフォンアンプμDSDを、5月25日(月)より発売する。価格は、26,000円(税抜)。 本体は高剛性アルミボディ製。バスパワー駆動の小型サイズながら、先のデジタルプリメインアンプIDA-16と同じX-MOSのUSBレシーバーとver3.2ドライバーにより、DSD256(11.2MHz)とPCM384kHz/24bitのネイティブ再生に対応。ヘッドフォン出力は140mW/32Ωで、さまざまなヘッドフォンを十全に鳴らすことができる。  USB入力はType-B。ヘッドフォン出力(3.5mmステレオミニ)、ライン出力(RCA)のほかデジタル出力(RCA同軸)も装備する。サイズは57W×23H×101Dmm、重量151g。■リンクフューレンコーディネートwebサイト・製品ページ  http://www.nuforce.jp/nuprime/udsd.html-

メリディアンの小型USB DAC/ヘッドフォン・プリアンプ「Explorer2」 MQAファイルにも対応

メリディアンの小型USB DAC/ヘッドフォン・プリアンプ「Explorer2」 MQAファイルにも対応

 輸入オーディオ機器のハイレスミュージックは、英国MERIDIAN(メリディアン)の小型USB DAC/ヘッドフォン・プリアンプExplorer2を発売した。既発売のExplorerのグレードアップモデルで、DSPの処理能力を大幅に拡大するとともにCD時代から知られた同社の高いデジタル技術を投入する。また、メリディアンが提案する、いまハイレゾ界で注目の新圧縮フォーマットMQAのファイルにも対応している。 16コア・1000MIPSという高い処理能力をもつデュアルタイルXMOS DSPを使い、最大192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応。回路部は6層基板の採用や信号経路の最短化、最適化を行っている。また、変換時のプリリンギング(音の立ち上がり前に生じる微小ノイズ)を補正する独自のアポダイジングフィルター、可聴帯域外にノイズを追いやりS/Nを向上させるノイズシェーピングも採用。44.1kHz系と48kHz系の2系統のクロック回路など、据え置き型にも匹敵する高度な設計となっている。 バスパワー駆動で入力はUSB miniB、アナログ出力はヘッドフォンとレベル固定のプリ出力の2系統(3.5mmステレオミニ)を装備。サイズは102W×32H×18Dmm、重量50g。■リンクハイレスミュージックwebサイト  http://www.hires-music.jp/-

Astell&KernがDAPの新フラグシップ「AK380」 384kHz/32bitとDSD5.6MHzをネイティブ再生

Astell&KernがDAPの新フラグシップ「AK380」 384kHz/32bitとDSD5.6MHzをネイティブ再生

 デジタルミュージックプレーヤー(DMP)のAstell&Kernブランドなどを取り扱うアユートは、その新しい最上位モデルAK380を発表した。30万円近いプライスながら大ヒットしたAK240に代わるもので、価格、発売日などは未定。 DAC部はAKM(旭化成エレクトロニクス) AK4490を2基で構成し、PCM384kHz/32bitとDSD5.6MHzのネイティブ再生が可能という。クロックは0.2psの高精度VCXOを搭載。DNLA機能も強化しており、専用アプリによるスマートフォンやタブレットからのリモートコントロールしてネットワーク内のNASやパソコンの音楽コンテンツを再生できる。パラメトリックEQやおなじみ2.5mm4極バランス出力をと装備。 内蔵メモリーは256GB、microSDカードスロットによる最大128GBの拡張も可能。ハイレゾで増大するファイル容量に対応している。出力端子は、アナログが3.5mmステレオミニと2.5mm4極バランスで3.5mmミニの光デジタル出力も備える。サイズは79.8×112.4×17.5mm、重量218g。■リンクiriver・webサイト・ブランドトップページ http://www.iriver.jp/ -

パイオニアのAVアンプ「VSA-830」「VSA-1130」 Wi-Fi内蔵やBluetoothなどでさらに進化

パイオニアのAVアンプ「VSA-830」「VSA-1130」 Wi-Fi内蔵やBluetoothなどでさらに進化

 オンキヨー&パイオニアはパイオニア(Pioneer)ブランドにて、5.2chAVアンプ「VSA-830」(60,000円・税抜)と7.2chの「VSA-1130」(92,000円・税抜)を5月下旬に発売する。「ひとつ上のクラスの実現」を目指し、Dolby Atmosを含むサラウンド再生能力やハイレゾファイル対応などのネットワーク機能についての強化、HDCP2.2対応やWi-Fi内蔵、Bluetooth対応などAVアンプの最新の流れを広く取り入れている。 サラウンド再生については、VSA-1130では、従来、上位モデルのSC-LXシリーズで使われてきた音場補正技術MCACC Proを搭載するのが大きな特徴。スピーカー設置に合わせた音響的な最適化や部屋の特性に合わせた調整などに加えて、サブウーファーを含む全帯域において全スピーカーの位相をそろえるフルバンドフェイズコントロールまで全項目の調整で、Dolby Atmosなどのサラウンド再生のさらに高精度、リアルな再生を図る。 VSA-830では、従来のVSAシリーズ最上位モデルと同じAdavamced MCACCとして、基本の調整に加えて低音のズレや部屋の定在波の制御など補正項目を大幅に拡大している。  効果的なサラウンド再生を含みアンプの要は音ということから音質の強化も怠りはない。VSA-1130では電源部が、SC-LXシリーズと同様、銅箔シールドにより磁束の漏れを大幅に抑えた電源トランスを使って電磁ノイズを低減し、また基板類にもノイズ対策を施している。デジタル/アナログ回路は独立して供給し、低ノイズ化を図っている。内部についても、各回路の配置や基板の回路パターンなどを見直し、見た目でも美しく、かつ回路間の干渉を抑た、情報量が多く、スムーズなサウンドになっているという。 パーツ類についても、DACチップには高S/Nで定評あるESSテクノロジー社製ES9006Sやすでに同社オーディオ機器で実績のある専門メーカーのルビコン社と共同開発したオーディオ専用のPML MUコンデンサー(薄膜高分子積層コンデンサー)などを投入。また、内部の空洞共振を発生しない特殊形状インシュレーターなど、電気的、物理的を問わず、徹底したノイズの低減を図っている。 VSA-1130、VSA-830はともに同社AVアンプとしては初めてWi-Fi、Blutoothにも対応。Wi-Fi内蔵によりダイレクトにスマートフォンやタブレットと接続できるので、自宅が無線LAN環境でなくともアプリからのコントロールができたり、AirPlayやPUSH Playerも楽しめる。Wi-Fiについては8011a/nを含む5GHzと2.4GHzのデュアルバンドに対応し、ハイレゾファイルを含むより高品位なネットワーク再生が可能だ。またWi-FiやBluetoothがOFFできるので、使わないときのノイズの影響も抑えられる。 ハイレゾファイルの再生については、PCM・192kHz/24bitやDSD5.6MHz(VSA-1130のみでPCM変換。2.8MHzはダイレクト)に対して、Wi-Fi、有線、またUSBとすべてのメディアとの接続で対応している。 映像系では、先のBDP-LXプレーヤーで開発した4K映像へのアップコンバート技術Super Resolutionを投入。従来の1080pも画像解析を行った処理で、より緻密で自然な映像が得られるようにしている。前記のとおりメディアなどの著作権保護技術HDCP2.2にも対応し、将来についても安心して楽しめる。 ユーザーインターフェースについてもきめ細かく改良を加え使い勝手を向上。画面も文字主体で項目を読まないとわからなかったものがグラフィックスを使って項目を分類し、設定画面に直感的にアクセスできるようになった。さらに新しいアプリStart-up Naviを用意。Wi-Fiを利用して、スマートフォンやタブレットでアプリを起動してその問いかけにしたがって答え選んでいけば数分えネットワーク設定が完了、さらに周辺機器との接続に進むと、本体に内蔵のAVナビゲーターが起動し、引き続き画面との対話形式でスピーカーなどとの接続と設定が行える。AV機器に詳しくなくても、取り扱い説明書と首引きで何時間も接続に格闘するということが解消される。  ■リンクPioneer・webサイト・トップページ  http://pioneer.jp/-

フィリップスの“フィデリオ”ヘッドフォン3機種 ハイレゾ音源対応やDAC/アンプ内蔵型ほか

フィリップスの“フィデリオ”ヘッドフォン3機種 ハイレゾ音源対応やDAC/アンプ内蔵型ほか

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズはフィリップス(PHILIPS オランダ)ブランドの“フィデリオ”ヘッドフォンシリーズとして「F1」(市場想定価格22,000円前後・税込)、「M2L」(同43,000円前後)、「M2BT」(同29,000円前後)を5月下旬に発売する。 F1は40mmネオジムドライバーを使い、低音強化のバスレフ構造とともに広帯域化。40kHzまでの再生周波数帯域を獲得し、ハイレゾ音源対応を謳う。低反発フォームイヤパッドやアルミニウム・ハウジング、レザー・ヘッドバンドなど高級感ある仕上げで、接続したスマートフォンの通話もできるマイク/リモコン付き。インピーダンス16Ω、感度107dB。 M2LはiOSデバイス対応のライトニング端子を装備したDAC/アンプ内蔵のヘッドフォン。iPhone/iPad/iPodとのデジタル接続により、伝送ロスやクロストークの発生を押さえ込んだより高品位な再生が楽しめる。再生は48kKz/24bit。40mmネオジムドライバーは、不要な共振を排除し密閉度を高めたハウジングにマウントしている。アップルのMFi認証取得済み。 M2BTはBluetoothによるワイヤレスモデル。コーデックはAACおよびApt-Xとして、より高品位な再生を図る。NFC機能でソース機器とはワンタッチでペアリング、約10時間のワイヤレス再生が楽しめる。音楽の再生/停止や曲送りや音量、通話の切り替えなどは、ハウジング部に設けたコントローラーで操作が可能。■リンクオンキヨーwebサイト・トップページ  http://www.jp.onkyo.com/-

ソニーがワイヤレススピーカー3モデル 音と機能を強化

ソニーがワイヤレススピーカー3モデル 音と機能を強化

 ソニーはBluetoothワイヤレススピーカー「SRS-X99」(市場推定価格72,000円前後)、「SRS-X88」(同46,000円前後)、「SRS-X77」(同35,000円前後)を、5月23日(土)に発売する。SRS-X99とX77は、それぞれX9、X7の後継機、X88はX99をコンパクト化して新価格帯にラインアップしたモデルとなり、3機種ともに音質についてははもちろん、ユーザーから要望の多かったワイヤレス&ネットワーク機能の強化を図っている。  最上位モデルSRS-X99は、PCM192kHz/24bitとDSD2.8MHz(PCM変換)のハイレゾ再生(ネットワーク経由)や独自のフルデジタルアンプ、CDとMP3などの圧縮音源の192kHz/24bitへのアップスケーリング機能などを搭載。スーパートゥイーター4基を含む2.1ch7ユニットの構成。アンプ出力が154Wに強化。天板にとりつけられたスーパートゥイーターは、ホコリなどがたまりにくいようにリデザインされた。  SRS-X88は、X99のハイレゾ再生対応やデジタルアンプなどを受け継ぎつつ、新開発スピーカーユニットやスーパートゥイーター2基などによる2.1ch5ユニットで構成。アンプ出力が90Wとして本体も小型化したハイパフォーマンスモデルとなる。   また、SRS-X77はハイレゾには対応しないが、アンプ出力が前X7の32Wから40Wへ強化。2.1ch3ユニット構成はそのままに各ユニットを強化し、ボーカル再現や低音の質感を高め、大音量時の歪み感も抑えている。 前記のワイヤレス機能の強化については3機種に共通。Bluetoothでは、ソニーが推進する従来より約3倍の情報量を送ることができる新技術LDACに対応し、Bluetoothでのハイレゾ音源グレードでの再生が可能。またWi-Fi規格でもより高速でデータ量の多いIEEE802.11nに対応し、ハイレゾ音源をそのままでワイヤレスで受けられるパフォーマンスを確保している。 またネットワーク関連では、同社独自のSongPal Link対応がポイント。この機能はホームネットワークを利用して、SongPalアプリをインストールしたスマートフォンやタブレット端末(Andoroid/iOS)、パソコンやNAS内の音楽コンテンツを対応スピーカーで再生したり、一括管理するもので、複数のソース機器と対応スピーカーのグルーピングとソース機器、出力スピーカーの選択から、曲の選択や音量調整などを手元のスマートフォンなどで一括管理できる。対応スピーカーならば、家庭内のあちら、こちらに置いたソース機器、スピーカーを任意に選んで楽しめる。さらに、インターネットを利用するGoogle Castのミュージックサービスも、従来、Song Pal経由だったものが、直接、利用できるようになり、より使いやすくなった。なお、この場合も本体のアップスケーリング機能が働き、スマートフォン経由よりも、よりいい音で楽しめるとしている。■リンクソニーwebサイト・製品別トップページ  http://www.sony.jp/active-speaker/-

highresaudio.jpがパンク・レーベル「WAX」の復刻作品をハイレゾ配信 5月13日より初回7タイトル

highresaudio.jpがパンク・レーベル「WAX」の復刻作品をハイレゾ配信 5月13日より初回7タイトル

 ハイレゾ音源配信サイトhiresaudio.jpは、徳間ジャパンがパンク・オルタナティブ専門レーベル「WAX」にて復刻するハイレゾ音源30タイトルを、3ヶ月にわたってリリースする。すべて最新版リマスターで制作を行い、初回7タイトルが5月13日(水)より配信開始となる。スターリン(THE STALIN)やスタークラブ(THE STAR CLUB)などの主要タイトルも含まれ、ファンには待望のものとなる。詳細は以下のとおり。紹介文はhiresaudio.jp資料より。『メシ喰うな! (2015 REMASTER)』INU●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:34:51●サイズ: 1.1 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1981●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 96kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A20150428114619INU の唯一のスタジオ・アルバム。日本のパンク・ロック史に燦然と輝く圧巻の名盤!ポップでアヴァンギャルドでストレートでノイジーでキュートでシニカル。この魅力的なアルバムが史上最高の音質で奇跡的に登場!『STOP JAP (2015 REMASTER)』THE STALIN●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:34:28●サイズ: 1.0 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1982●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 96kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A20150428158501982年7月リリースのメジャー第一弾アルバム。インディーズでの人気を背景に満を持してリリースされた渾身の作品。『虫 (2015 REMASTER)』STALIN●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:32:15●サイズ: 1.0 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1983●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 96kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A201504281525321983年4月リリースのメジャー第二弾アルバム。スターリンの最高傑作と押す声も少なくないアルバム。短めの曲がほとんど曲間なく繋がっていく展開は見事。『HELLO NEW PUNKS (2015 REMASTER)』THE STAR CLUB●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:38:12●サイズ: 1.2 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1984●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 96kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A201504299831984年メジャーデビューアルバム。日本のパンクロック史において、とても重要な作品。『PUNK! PUNK! PUNK! (2015 REMASTER)』THE STAR CLUB●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:38:44●サイズ: 1.2 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1985●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 96kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A2015042993321985年メジャーセカンドアルバム。よりアグレッシブになり、けれんのないパンク・ロックの塊のようなアルバム。『RADICAL REAL ROCK (2015 REMASTER)』THE STAR CLUB●形式:ALAC 24/44.1●収録時間: 0:43:52●サイズ: 558.45 MB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1989●ジャンル:punk●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 44.1kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A20150429114734ニューミックス&アルバム未収録曲で構成されたベスト・アルバム。といっても単なる寄せ集めではなく確たる意図の元に再構築された、もう一つのオリジナル・アルバムといってもいい内容。『エル・ドラド (2015 REMASTER)』ALLERGY●形式:WAV 24/96●収録時間: 0:37:34●サイズ: 1.2 GB●レーベル: Tokuma Japan Communications●発売年:2015●オリジナル発売年:1985●ジャンル:rock●価格:3,200円(WAV・FLAC・ALAC 44.1kHz/24bit)https://highresaudio.jp/?task=show&album_id=A20150429121480年代の日本のインデーズ・シーンにおいてその独自な音楽性で異彩を放っていたアレルギーのアルバム。-