街のプロに聞く朝・昼・晩。南大阪の玄関口・中百舌鳥

堺市南区で生まれ育ち北区で働くこと12年。［Piece Home］の田中さんが抱く中百舌鳥のイメージは「駅前は賑やか。でも少し離れると閑静な住宅街が広がっている」とのこと。マイホームの購入を検討するお客に胸を張って薦められる街だという。確かに、会社近くには世界遺産候補の百舌鳥・古市古墳群のひとつ、土師ニサンザイ古墳があり、百舌鳥八幡宮のふとん太鼓の音を聞けば「秋の訪れを実感する」など伝統行事も健在。子育て世代には特に、旧き佳き文化が残る街は魅力的に映るはずだ。

また、普段は車移動が多く、中百舌鳥で飲むことは少ないそうだが、ビール好きの田中さんが以前から気になっていたのは［CRAFT BEER DINING enibru］。国内外のクラフトビールが樽生で21種類スタンバイ。気鋭ブルワリーとタッグを組み、オリジナルビールを年３回醸造するマニアックさ。飲食店もよその街には無い個性派が揃っているようだ。

［エスポワール］の高橋さんによると、ここ20年ほどで街の景色はガラッと変わったそう。中百舌鳥近辺では、土地の区画整理事業を機に、新築の一戸建てや高層マンションが続々と誕生。加えて、高橋さんも「ウォーキングにお薦めです」と語る大泉緑地や、金岡公園、大仙古墳など緑溢れるスポットが近辺に多く、関西国際空港や大阪市内への利便性の高さもあって、子育て世代に人気抜群のエリアに。また、駅前には［堺商工会議所］や［堺市産業振興センター］、［S-Cube］など中小企業やベンチャービジネスを支援する機能が集積。職住両面で次世代を育む土壌となっている。一方、食に関しては「落ち着いて飲める」老舗が好みな高橋さん。学生街でもある中百舌鳥駅周辺は賑やかな店が多いため、取引先の接待やプライベートでは、あえてひと駅先にある［くいしん坊］へ足を延ばす。ナイター中継を観ながら、部下と杯を交わすのが幸せな時間だと教えてくれた。