『全国「道の駅」めぐりの旅』、今回は秋の北陸、新潟県見附市にやってきました!
見附市は南北に長い新潟県の「ど真ん中」。信濃川の支流である刈谷田川の豊富な水により、県内でも有数の米どころとして知られ、市内には美しい田園風景が広がっています。そんなのどかな空気に包まれたこの街には、全国に誇る自慢の道の駅があるのだとか。それが2013年8月に開駅した「パティオにいがた」です!
「パティオにいがた」は、車では北陸自動車道中之島・見附ICを下りて約8分。JR信越本線見附駅からは、見附市コミュニティバスで訪れることができます。
道の駅の入口で出迎えてくれたのは、毎年6月に見附市今町地区と長岡市中之島地区の間で、川をはさんで行われる大凧合戦で使用される「六角大凧」の展示台です。畳8枚分ほどの大きさの凧が空に舞う姿は圧巻でしょうね!
建物は大きく分けると二つ。まず右の「産直マルシェ 健幸めっけ」でショッピングを楽しみましょう! こちらの「健幸めっけ」は、地元農家さんの丹精込めて作った新鮮野菜がズラリと並ぶ農産物直売所。真っ白で美しい「越後白ナス」や、この地域でよく食べられるというピーマンに似た唐辛子「かぐら南蛮」など、東京では珍しい野菜も多く並びます。
そんなたくさんの野菜が並ぶ中、店員さんが「寒くなるこれからの時期に特においしい」と語るのが、全国的にも有名な長岡名産「大口れんこん」です。白さと柔らかくもシャキッとした食感が特徴で、煮物をはじめ、焼いても揚げてもおいしく、多くのお客様が買って帰るとか。
店内を見渡すと地元の洋菓子や和菓子、お酒や伝統工芸品まで売られています。中には1日50個限定の「パティオ大福まんじゅう」などこの施設限定商品もあるので、要チェックです!
もちろんこの施設では、新鮮な地場野菜をすぐに味わうこともできます。農家さんから仕入れた野菜を、地元の郷土料理やオリジナルメニューで味わえるビュッフェレストラン「農家レストラン もみの樹」へ向かいましょう! メニューは新鮮野菜のサラダをはじめ、煮物や和え物といったおばんざいや子供に人気の定番メニュー鶏の唐揚げやカレー、日替わりのパスタやデザートまで揃った充実のラインアップ。その日仕入れる野菜や季節によって変わるので、何度来ても楽しめそうですね!
このお店では、食材の新鮮さだけでなく栄養バランスや塩分量にも気をつけて、体に優しい料理を心がけてメニューを作っています。平日でも地元の方で大いに賑わい、週末は地方からの家族連れで店内が賑わうそうです。
「健幸めっけ」の新鮮で安心安全な野菜、それを使った「もみの樹」の体に優しい美味しい料理。これらで散見される食への配慮は、現在見附市が取り組んでいる「スマートウエルネスみつけ」というプロジェクトに関連したもの。これは、安心して豊かな生活を送れるように「食生活」「運動」「生きがい・交流」の大きな三つの柱を大切にした活動で、パティオにいがたでは「食がいかに大切か知っているまち」をテーマに、市民の健康を気遣った試みに協力しています。
そんな、パティオにいがたの館内施設ですが、もう一つ大きな話題を集めている場所があります。それは道の駅にどうしても欠かせない、とても大切な施設……。
そう、「トイレ」です!
なんと、このパティオにいがたのトイレは、国が選定する「日本トイレ大賞」において、2015年9月、全国の道の駅で初めて「トイレ大賞」を受賞しました! 全国でわずか28件の表彰に選ばれているということは、道の駅では「日本一のトイレ」といっても過言ではないでしょう。
道の駅は、長いドライブの休憩やリフレッシュが本来の目的。特に誰もが利用するトイレが自慢というのは、誰もが納得の魅力です。パティオにいがたのトイレを設計したのは、東京駅名店街や京王百貨店(新宿)など、数多くのトイレを手がけてきた小林純子さんによるもの。パティオにいがたがオープン前から、いかにトイレを大事にしていたかがわかりますね!
今回、特別に道の駅のオープン前にトイレを撮影させていただきました! 大きな窓から明るい光が差し込み室内はとても明るく、女性側にはゆったり広々としたパウダーコーナーもあり、リラックスできる空間になっていました。子どもが利用するキッズトイレも、大人の目が届く半個室型になっており、子どもだけでも安心して用が足せるようになっています。ベビールームも広々としていて、オムツ台も寝かせるタイプと立たせるタイプの2種類設置。広い授乳室や粉ミルク用の給湯器もあり、子ども連れのファミリーにはうれしい施設です! これは大賞受賞も納得の、素敵な空間ですね。
トイレを出ると、大きな窓の向こうに芝生の広場が広がります。この「みんなの広場」では、ルールを守ればボール遊びなどが自由に楽しめる広場になっています。さらにデイキャンプができるエリアもあり、天気のいい日にはバーベキューが楽しめるんです。しかも、場所の利用料は無料! バーベキュー機材もレンタル(有料)できるので、手ぶらで訪れて健康めっけで新鮮な食材を買い、そのままバーベキューを味わうという楽しみ方もできますね!
デイキャンプの受付は11月末で終了しますが、冬になって雪が積もれば、一体が楽しい雪の広場に。ソリのレンタルが行われ、2月には「雪だるまコンテスト」も開催されるので、こちらも楽しみですね!
広々とした広場には、もう一つ、とても大きな役割があります。それには、まずこちらの施設の成り立ちからご紹介しましょう。
パティオにいがたのすぐ横を流れる刈谷田川、そして同じ信濃川水系の五十嵐川、中之島川は、2004年7月に大雨が原因で決壊。長岡市、見附市は大規模な水害に襲われました。その後、このような悲劇が繰り返されないよう、河川改修の改修が行われ、その埋め立て用地にこのパティオにいがたは建設されています。そのためパティオにいがたは、道の駅としての名前だけでなく、「刈谷田川防災公園」とも呼ばれています。
パティオにいがたの施設内には、災害時に備えて食料や水の備蓄倉庫があり、施設の屋根には太陽光発電パネルが設置され、停電時を想定して自家発電されています。また広々とした芝生はヘリポートの役割も担っており、ドクターヘリや自衛隊のヘリの発着場として、また災害時にはボランティアの方たちの宿営地として開放される予定です。
地元の新鮮な食材を味わえるだけでなく、日本に誇るキレイなトイレでひと安心。災害時には備蓄や防災機能をフルに発揮と、まさにこれ以上ない「安心安全」の基地として魅力的な道の駅ですね。
見附市では、11月29日(日)~2016年2月14日(日)まで、市役所通りから本町商店街までの2.7kmの区間を約70,000球の電飾で鮮やかに彩る「街路樹イルミネーション」も行われます。今年で10年目となる、冬の風物詩は、神秘的な夜景を楽しむことができます。魅力的な道の駅巡りもかねて、ぜひ見附市を訪れてみましょう!
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施設情報
●パティオにいがた
住所:新潟県見附市今町1-3358
営業時間:
・産直マルシェ「健幸めっけ」 9:00〜19:00
・ランチ11:00〜15:30 ディナー5:30〜21:00
・防災アーカイブ 9:00〜21:00
http://patio-niigata.jp/
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。