暮らしのコト

麺は口ほどにものを言う~ご当地ヌードル探訪~

あの人気ゆるキャラも大ファン? 千葉県船橋市の「船橋ソースラーメン」

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日本各地に根付いた「麺料理」を求めて、全国を巡る「ご当地ヌードル探訪」。今回は、千葉県船橋市にやって来ました! 船橋と聞いてまっ先に思い浮かぶものといえば……最近は、あの某非公認ゆるキャラ。その彼(彼女?)が愛してやまないという、ご当地ラーメンがこの街にあるというのです。それが、今回ご紹介する「船橋ソースラーメン」。焼きそばのようなラーメン?様々な妄想が広がります。

船橋駅に降り立ち、歩くこと数分。まるで戦後のゴチャゴチャ感をそのまま残したような一角に差しかかりました。見わたす限り飲み屋、飲み屋、飲み屋。ディープな雰囲気が漂う中、目的地を目指します。

狭い一帯に飲み屋がこれでもかとひしめき合っています。

狭い一帯に飲み屋がこれでもかとひしめき合っています。

路地を抜け、お店もまばらになってきたところで、見つけました。今回の目的地、中華料理 大輦。昭和42年創業の中華食堂です。

昭和の趣きを感じさせる店内。

昭和の趣きを感じさせる店内。

案内してくれたのは斉藤由則さん。「先代である亡き父が作り上げた味を守っていきたい」と、兄と母の3人でお店を切り盛りしています。

さっそく聞いてみました。「ソースラーメン」って何ですか?

斉藤さん「その名の通り、スープにソースを使ったラーメンです。いわゆるタレにソースを使って、鶏ガラスープを合わせています」

甘みと酸味のバランスがとれた秘伝の自家製ソース。

甘みと酸味のバランスがとれた秘伝の自家製ソース。

話を聞いても味の想像がつかない! ということで、さっそく「ソースラーメン」を出していただきました。

青のりに紅ショウガにキャベツ。トッピングだけ見ると焼きそばのよう。

青のりに紅ショウガにキャベツ。トッピングだけ見ると焼きそばのよう。

フワッと立ちのぼる香りは、まさに馴染みのあるウスターソース。スープをすすってみると、飲み始めこそソース由来のシャープさを感じますが、甘さ・辛さ・酸味・うま味が渾然一体となり、口の中の隅々にまで広がっていきます。コシのある麺にもスープがほどよく絡まり、食べるとまたも、口の中にソースの味が広がります。まるでソースそのものを食べているような、中毒性のある不思議な味!

斉藤さんもともとは『花蝶』というお店が始めた、『ダイヤキ』という汁だしのソース焼きそばがルーツと聞いています。先代が子どもの頃にはもうあったというから、戦後すぐでしょうか。そのうち、うちを含む他のラーメン店がそれにインスパイアされて、各々『ソースラーメン』を出すようになったそうです」

なんと、ソース焼きそばがルーツなのです。大輦 御殿通店で「ソースラーメン」を出すようになったのは、およそ30年前。それ以前にも、常連さんには出していたといいます。

斉藤さん「うちの『ソースラーメン』の特徴は、ハムカツがトッピングできることですかね。ソースの味に負けないよう、厚めに切るようにしているんですよ」

そう、気になっていたんです。ハムカツ。始めはサクサクっとした感じでしたが、時間が経つといい感じでスープを吸っていて、食欲をそそります。

たっぷりとスープを吸い込み、輝きを放っています。

たっぷりとスープを吸い込み、輝きを放っています。

口に入れると予想通り、衣からスープの味が染み出し、うまいこと! 付け合わせにこれ以上のものはないでしょう。スープが濃厚なので、お口直しにぴったり。ハムカツを食べると、また麺が恋しくなります。

見た目も味もボリュームもインパクトがある「ソースラーメン」ですが、女性客にも人気なんだそう。この味を好んで食べているという某非公認ゆるキャラの後押しによって、じわじわと知名度を上げているといいます。

焼きそばとラーメンが出会った未体験の味、「ソースラーメン」。醤油でも味噌でも塩でもない第4のラーメンとして、今後メジャーな存在となるか、注目していきたいですね!

外観
  • 店舗情報
    ●中華料理 大輦
    住所:千葉県船橋市本町4-20-17
    電話:047-422-8952
    営業時間:11:30〜14:30、17:00〜21:30(火曜休)

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

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