■年代を重ねた風合いを出すのにおすすめな「クラッキング」

「ゼロから始める女子DIY部」。今回は、先週組み立ての工程までご紹介した木製丸スツールのペイント編です。長い年月を重ねたかのようなひび割れ加工が、独特のクラシカルな風合いを出してくれます。一見難しそうですが、実はコツさえつかめば誰でもできるクラッキング塗装。さっそく挑戦してみましょう!
■木製丸スツール
【難易度】★★★★☆(難しい)
【想定作業時間】約150分
【材料(ペイントのみ)】
・クラッキングメディウム…適量
・塗料(下地2色・仕上げ1色)…適量

■木製丸スツール(ペイント)の主な作業工程
1.下地を塗る
2.クラッキングメディウムを塗る
3.上塗りを塗る
1.下地を塗る
先週組み立てまで終わった木製スツールに好きな色の下地を塗ります。全体に塗る下地は上塗りの色に応じてお好みで選ぶとよいでしょう。
下地なので多少の塗り残しや塗りムラは気にせず、太めの刷毛で大胆に塗っていきましょう。
次に、ひび割れの部分から下地が見えたときに、アンティーク調の風合いがでるように緑や茶色といった濃いめの色でアクセントとなる下地を塗っていきます。細い刷毛に持ち替えて、ランダムに模様を描くような感覚で塗りましょう。
ちょんちょんと色をのせていく作業は楽しいですが、あくまでアクセントなので塗りすぎてしまわないように注意が必要です。
今回はこんな風にアクセントを入れてみました。
……果たしてこれがアンティーク調に仕上がるのでしょうか? ちょっぴり不安です。
2. クラッキングメディウムを塗る
下地を塗り終えたら10〜20分ほど、ペンキを乾燥させます。
そして完全に乾いたら、上からクラッキングメディウムを塗っていきます。
クラッキングメディウムは透明な塗料なので、どこを塗ったのか分からなくなってしまうことも。そのときは照明が映り込むように視点を動かして、ツヤ感のあるなしで判断しましょう。
掃部関さん「塗るメディウムの量によってひび割れ方が変わります。たっぷり目に塗るとひび割れは大きく、少な目に塗るとひび割れは細かくなるので、好みに合わせて調節してみてくださいね」
また、スツールの脚の内側、貫の側面といった塗りにくい部分も塗り忘れのないように!
3.上塗りを塗る
全体にクラッキングメディウムを塗り終えたら、再度乾燥させます。
が、クラッキングメディウムは完全に乾燥してしまうとひび割れができないという性質があるので、乾く一歩手前、指先で触るとべたつくくらいのところで上塗りをします。
塗りにくい箇所から先に塗っていきます。ペンキを二度塗りすると、ひび割れが出なくなってしまうので、上塗りは一筆で塗るようにしましょう。まんべんなく刷毛にペンキを含ませて一直線に塗り、ペンキがかすれかけたら刷毛を反対に向けて再度一直線に塗っていきます。
刷毛で塗った方向にひび割れが入るので、塗る方向を工夫してみてもよさそうですね。

塗っていくはしから、すーっとひび割れが入っていくのがとても不思議! いったいどういう原理なんでしょう?
掃部関さん「もし塗り残しができてしまったら、一度塗った場所には触れないように刷毛の先端を上手に使って、塗り残し部分だけにペンキをのせるようにして塗りましょう」
塗り残しがないか確認したら、最後の乾燥タイムに入ります。
そして、ある程度乾いたところで、わざと塗料を剥がしてニュアンスを与えます。
このように粘着テープを使って、乾ききる前の上塗りをところどころ剥がします。べたりとくっつけると剥がれる部分が大きくなりすぎるので、テープで軽くつつくようにして適度な剥がれ感を演出しましょう。
DIYしてみた感想は……。
「最初はひび割れ加工なんて一体どうすれば……と心配でしたが、下地とメディウムを塗るだけで簡単にアンティーク風のアレンジが完成してびっくりでした! この塗り方で家にある、他のアイテムもアンティーク風にアレンジしてみたいと思います」
そこに置くだけで、インテリア全体を格上げしてくれるようなクラッキング加工のスツール。机の側で腰掛けに使おうか、窓際に置いてお気に入りのグリーンたちを飾ってみようか……。部屋の中に置いた様子を想像するだけでワクワクしてしまいました。
- 取材協力
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