街のコト

試してみよう! 大阪の街は「ジグザグに歩く」といいことがある

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(Jタウンネットより)

東京理科大学MOT大学院教授の宮永博史さんによれば、旅先では脳が刺激され予期せぬ出会いや発見=「セレンディピティ」に出会いやすいそうだ
東京理科大学MOT大学院教授の宮永博史さんによれば、旅先では脳が刺激され予期せぬ出会いや発見=「セレンディピティ」に出会いやすいそうだ

大阪を訪れて、「ごちゃごちゃした街だな」という印象を持った人は多いだろう。「ダンジョン」の異名を誇る玄関口・梅田についてはこのサイトでも何度か紹介したが、入り組んだ狭い道、密集した店舗、飛び交う関西弁――その独特の雰囲気は、慣れない人には少し敷居が高い。

だが、あえてそうした路地に飛び込んでみると、普段は味わえない、どこか不思議な感覚に包まれるはずだ。大阪を代表する作家・織田作之助は、こんな一文を残している。

「表門の石の敷居をまたいで一歩はいると、なにか地面がずり落ちたような気がする。敷居のせいかも知れない。あるいは、われわれが法善寺の魔法のマントに吸いこまれたその瞬間の、錯覚であるかも知れない」

路地で出会う「思いがけない出会いや楽しみ」

「目的地に一直線ではなく、ジグザグに歩く」ことの楽しさを語る精神科医・名越康文さん
「目的地に一直線ではなく、ジグザグに歩く」ことの楽しさを語る精神科医・名越康文さん

関西出身で、「ルソンの壺」(NHK)に出演中の精神科医・名越康文さんも、そんな大阪の路地の魅力を愛する1人だ。名越さんは、大阪の街を歩く時には、「目的地に一直線ではなく、ジグザグに歩く」のがおススメだと言う。

「表通りよりも、そこから2〜3本入った辺りには小さな店がひしめいていて、そこには必ず思いがけない出会いや楽しみが、必ず潜んでいます。稀有なパーソナリティを持った人がいるから、お店ではどんどん話しかけてほしいです。喉がつぶれるほどに楽しませてくれるはずです」

これもひとつのセレンディピティです

大阪に限らず、旅先などで名越さんの言うような、「思いがけない出会いや楽しみ」に遭遇した経験がある人は多いだろう。JR西日本のウェブサイト「あしたセレンディピティ」によれば、「予期せぬふとした発見(を感じ取る力)」を英語では「セレンディピティ」と言うそうだ。東京理科大学MOT大学院教授の宮永博史さんは、旅先では脳が刺激されこうした「セレンディピティ」に出会いやすいとしている。

「ポンテベッキオ」オーナーシェフ、山根大助さんも、関西は「思いがけない食の発見」に満ちていると言う。上記の「あしたセレンディピティ」に、詳しい話が掲載されている
「ポンテベッキオ」オーナーシェフ、山根大助さんも、関西は「思いがけない食の発見」に満ちていると言う。上記の「あしたセレンディピティ」に、詳しい話が掲載されている
空間デザイナーの間宮吉彦さん。「関西は古い街が多く、歩くと好奇心が刺激される街路が多いのですが、そんな場所に佇む店はセレンディピティそのものかもしれません」と指摘する
空間デザイナーの間宮吉彦さん。「関西は古い街が多く、歩くと好奇心が刺激される街路が多いのですが、そんな場所に佇む店はセレンディピティそのものかもしれません」と指摘する

思えば大阪をはじめ、京都、神戸、奈良といった関西の街は、比較的狭いエリアに食、生活、アート、歴史とさまざまな要素が密集し、かつ独自の強烈な「キャラ」がある。その空気感は、セレンディピティを誘発するまさに「魔法のマント」と言えるかもしれない。

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