街のコト

アメニティの充実が著しいシニア住宅(アリゾナ州/アメリカ)

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(ライター:大山 真理)

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人々が交流できるようにカフェテラスなどを設置している

毎日1万人以上が65歳になっているベビーブーマー(1946年~64年の間のベビーブームで生まれたアメリカ人)たち。全米シニア住宅協会によると、彼らの5~8%は、シニアアパートなど、シニアだけが居住する住宅を探す傾向があるという。
ある不動産仲介会社は「これまでシニア関連の住宅は投資物件として人気がなかったが、ここにきて需要が高まりつつある」と話す。

これに伴い、他との差別化を図るため、シニア住宅のアメニティを充実させる動きが活発化してきた。例えば、カフェやコーヒーショップがある物件の隣にシニアアパートを建設したり、1階をカフェや中庭、屋根付きのテラスにして、居住者が集える空間を提供するものも出ている。

他州より税金が安く、アクティブなベビーブーマーたちのメッカといわれて人気のアリゾナ州。同州には、地域開発会社「DMB Associatiates, Inc.(DMB)」が開発したコミュニティ「Verrado(ベラード)」内に、同じくDMBが3年かけてリサーチを行い、55歳以上のみが居住できる「Victory(ビクトリー)」が開発された。

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「Victory」のゴルフ施設。居住者だけでなく、地域の人々も利用することができる

ヘルシーな食、フィットネス、人とのコネクションをテーマとしており、施設内には、レストラン、セラピー効果のあるプール、テニスコート、ゴルフコース、ジム、エステサロンなどを設置している。通常、施設の利用は居住者だけができるものだが、さまざまな年代の人たちと交流を深められるように、誰でも利用を可能にしている。また、安全性を高めるゲートは地域の人々から隔離するという理由から設置をしていないという。こうしたアメニティの充実は、今後ますます進化していきそうだ。

 

大山 真理(おおやま・まり)
東京都生まれ。2000年よりロサンゼルス在住。日経ヘルス、日経トレンディなどに執筆。『新・年金を活かす!海外ロングステイ30都市徹底ガイド』(JTBパブリッシング)ロサンゼルス担当。訳書に『「もう頭にきた!」と思った時に読む本』(中経出版)。

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