街のコト

チップに悩むホリデーシーズン/ニューヨーク(アメリカ)

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(ライター:木田 敦彦)

毎年秋になると、ニューヨークの街には浮足立った雰囲気が漂い始めます。ハロウィーンを皮切りにサンクスギビングデー、クリスマス、ニューイヤーズイブに至るホリデーシーズンが始まる時期。家族や友人へのプレゼントを買い込む1年で最も物入りな季節でもあるこの時期に、ニューヨーカーはもう一つの大問題、「ホリデーチップ」に頭を悩ませることになります。

秋になると浮足立った雰囲気が漂うニューヨークの街

チップ社会のアメリカでは、日常的なサービスへのお礼として、簡単なカードを添えて少しまとまった額を渡すホリデーチップが定着しています。その対象は美容師やジムのトレーナー、郵便配達人、子どものいる世帯ではベビーシッター、幼稚園や習い事の先生と多岐にわたりますが、中でも最も気を遣うのが毎日顔を合わせるアパートの従業員です。

アパート従業員の種類と人数は、ビルの規模やサービスの質によってさまざま。どんなおんぼろアパートでもスーパー(Superintendent)と呼ばれる管理人とゴミ捨てなどを手伝う助手がいますし、高級アパートになると、マネージャーをはじめ、スーパー、コンシェルジュ、ドアマン、ジム管理人、専属トレーナーなど総勢20人を超える物件も珍しくありません。

ある記事によればドアマンへのホリデーチップは15~80ドルとのことだが…

問題は「いくら包めばいいのか」。少なくとも今後1年間冷遇されずに済む金額はいくらなのか?これには明確な相場も基準もありません。毎年シーズンになると、新聞などではホリデーチップの金額や時期、作法などに関する記事の掲載が恒例となっていますが、それだけこの問題に悩む人が多いということでしょう。ただ個々の条件が違うだけにどれも一般的な助言の域を出ず、結局のところ金額は自分で決めるしかないのです。

木田 敦彦(きだ・あつひこ)
早稲田大学卒。高校教師を経て渡米。日本人学校、学習塾設立に携わった後、長く現地情報誌の編集に従事。現在はフリージャーナリストとしてニューヨーク関連情報を日本のメディアなどに幅広く発信。

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