全国から注目の道の駅をご紹介する『全国「道の駅」めぐりの旅』、今回は愛知県新城市にやってきました! 新城市は、東は静岡県に接している県境にある市で「奥三河」とも呼ばれています。豊かな自然に恵まれ、名産はシイタケ、自然薯、カキ、ブドウなどが有名で、夏になれば市内を流れる川で鮎も獲ることができます。
そんなこの地に、いま注目の道の駅があるんです!
2月13日に「新東名高速道路」の未開通区間である「浜松いなさJCT=豊田東JCT」間が開通になったことをご存知ですか? 今回の道の駅は、新規開通区間の新城ICを出ててすぐの場所にあることで注目されています。ちなみにこちらの道の駅は、JR飯田線三河東郷駅からも徒歩15分と、電車でも訪れることができます。
新東名を降りて、すぐの十字路先に目的の道の駅はありました。1〜2分というところでしょうか。
こちらが今回ご紹介する「道の駅もっくる新城」です! 平日のお昼過ぎにもかかわらず、駐車場は車でいっぱい。次々にお客さんが入ってくることからも、注目度の高さがうかがえますね。
施設も気になりますが、なんといっても名前についている「もっくる」が気になりますね。その語源を探るために「道路情報・観光案内」と書かれた建物に入ってみると、すぐに答えがわかりました!「もっくる」とは、造語で「木材」と「来る」を合わせた言葉なのだとか。たしかに建物には木材がふんだんに使われています。自然豊かなこの地ならではのネーミングなんですね。
この道の駅には、建物の外にも休憩所として非常に魅力的な施設があるんです。それが「足湯」! 高速道路で緊張した足や頭をリラックスさせるには最高の施設ですね。この日は肌寒いこともあって、たくさん沢山の方々が足を出し、足湯にゆったりと浸かっていました。
ちなみに、足湯に使われているお湯は、もっくる新城から車で15分ほどの距離にある「湯谷温泉」から運搬されています。湯谷温泉は開湯1300年の歴史をもち、特に皮膚病に効くと言われていて遠方からもお客さんが訪れる名湯。それが足湯とはいえ無料で利用できるのはとてもうれしいですね!
次に、メインの建物に入ってみましょう。道の駅の定番、地元野菜や食材の売り場も充実しています。
メインの建物の中は、名産品やお土産品を扱う物販ゾーンと、食事をするフードゾーンに大きく分かれています。中も多くのお客さんでにぎわっていました。
おみやげに買って行きたい商品がたくさんありますね! お腹が空いてきたので、フードゾーンへ行ってみましょう。この建物の中には、「お惣菜バイキングもっくる」と「奥三河製麺」の2店舗が入っています。
「お惣菜バイキングもっくる」は、地元の高原野菜を使ったヘルシーなメニューのほかに、鹿肉などを使った珍しいジビエメニューも楽しむことができるバイキングレストランです。時間も無制限で、ゆっくりとメニューを眺めながら好みのメニューを選ぶことができそうです。
そしてもう1つの店舗が「奥三河製麺」。こちらにももちろんジビエメニューが存在しています。それが、猪を使った「ししラーメン」!
なんと、この日は大好評ということもありまだお昼時だというのに完売御礼! 売り切れとのこと…。残念です。しかし、お店にはとんこつラーメンや鶏出汁の「とり蕎麦」もあるので、ご心配なく。しかし、せっかくならししラーメンを一目拝みたかったですね~。
ししラーメンは、名前の通り猪を使ったラーメン。チャーシューが猪肉で作られているだけではなく、スープも猪の骨から出汁を取るというこだわりよう。豚の骨のとんこつラーメンがアレだけ美味しいのですから、きっと猪骨ラーメンもおいしいでしょうね…。
このお店ではダントツ人気の商品ということですが、猪骨が貴重なため1日50〜60食しか作れないそう。しかし、この日はオープンから1時間半ほどで売り切れたということで、その人気の凄さ、味のポテンシャルが伝わってきますね。
今回、このもっくる新城を紹介してくれたのが、駅長の田原 直さん。まずは、この建物のデザインについて伺いました。
田原さん「これは梁あらわし造りといって、梁と柱を組み合わせて構造体を支える作り方なんです。この組み方も、昔この地域で行われた『長篠の合戦』で用いられた馬防柵をイメージして組み上げました。使われている木材は、地元産のものを多く使用しています。これらのことが評価され、第23回愛知まちなみ建築賞も受賞しています」
地域の歴史を感じさせる建築物だったんですね。その他にも、この地域の歴史にちなんだ道の駅づくりをしています。その1つが、商品の品ぞろえ。
田原さん「物販で扱う野菜や果物は、もちろん地元産のものは多く扱っていますが、南信州を中心に近県のものも積極的に並べています。江戸時代の新城は『山湊馬浪(さんそうばろう)』といわれ交易の要所として栄えたんです。海のものが川で運ばれ、この地で馬に乗せ代え信州方面へ。信州の山の恵みは馬から船に乗せ代えられ川を下っていました。このような歴史があるので今にそれを伝えていきたいと思い、南信州のものは積極的に置くようにしているんです」
売り物一つにしてもそういった歴史的背景があると感慨深いものがあります。いま新たに新東名が開通し、江戸時代を思わせる賑わいを取り戻しつつありますね。
田原さん「新東名もこれから先、ますます交通量の増加が見込めます。そこで昔のような交通の要所として賑わって、この道の駅がその中心となればいいと思っています。そのために今後も近隣の地域の名産品なども積極的に取り入れご紹介していきたいと考えています。あと歴史といえば、この地方で昔からよく食べられている五平餅を外のスナックコーナで販売しています。普通サイズのものをあるのですが自称『日本一大きな五平餅』も販売しているので、よかったら見に行ってみてください」
五平餅とは、ご飯を潰し竹や木でできた串に付けて焼き赤味噌を塗った郷土料理で、この地方でおもてなしの料理として昔から食べられているものです。大きさとしては、大人の手のひらぐらいのものが一般的。
日本一の大きさとはどのぐらいなのでしょうか? お店の窓にその実物大模型が置かれていました。
これは予想以上の大きさです。説明書きによると串の長さが110cm、ご飯部分が90cmもある特大サイズです。通常の12本分に相当するとのこと。これだけ大きいと注文する人が実際にいるのか気になるところですが、「週末になると2、3本は注文が入る」というからさらに驚きますね!
しかも、なんとこちらにはもう一つジャンボメニューがあるとのこと! それが40cmの粗挽きフランクが入った「ジャンボホットドック」です!!
ちなみにこのジャンボホットドックで早食い大会を催したことがあるそうですが、最速は3分51秒という驚異的な記録だったとか。自信のある人は、次回大会にチャレンジしてみては?
かつて交通の要所として栄えた新城の地。新東名開通と共にまたその歴史が甦ろうとしているのかもしれません。疲れを癒す足湯、わざわざ食べに来たくなる名物メニューの数々。目的地として立ち寄っても後悔しない、見所満載の道の駅でした。
-
施設情報
●道の駅もっくる新城
住所:愛知県新城市八束穂五反田329-7
営業時間:
本館売店 9:00〜18:00
モーニング営業 8:00〜10:30
「お惣菜バイキングもっくる」11:00〜15:00
「奥三河製麺」 11:00〜18:00
http://mokkulu.jp/
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。