（Ｊタウンネットより）
「食べログ」で東京都内の「レストラン」の評価ランキングを見ると、1位はフレンチ、2位は懐石、3位に寿司屋――といった具合に、さまざまなジャンルの高級店がずらりと並ぶ。東京に限らず、ほとんどの都道府県は同じような結果だ。
ところがそんな常識が通用しない？地域がある。うどん県でおなじみの香川だ。食べログの「レストラン」に登録されている4812件のうち（2015年7月29日現在）、ランキングの1〜15位を「うどん屋」が占めている。
評価が高いのは実直な店
うどんは我が国が誇るファーストフード。これがレストランに分類されているのも驚きだが、一般的なレストランよりも上位にランクインしていることにあ然とさせられる。
最高点4.27を獲得したのは善通寺市の「長田 in 香の香」。麺の卸や系列店、海外への出店は一切行っていない。
公式サイトの「あいさつ」に謙虚さがにじみ出ている。
「別に、釜揚げうどんに、こだわっているのではありませんが、私たちは、釜揚げうどんしか、知らないのです」「田舎のおばさん達が、頑張ってやっているお店です。是非おいで下さい」
長田 in 香の香の「釜あげうどん」（miragechopinさん撮影、Flickrより）
気になる価格は、釜あげうどんの（小）が250円、（大）が350円、（特大）が600円。冷しも同一だ。東京の感覚だと信じられないくらい安い。おにぎりや赤飯、おはぎといったサブメニューもある。
2位にランクインしたのは、まんのう町の谷川米穀店。「香川ベストレストラン2014」では１位だった店だ。
ブログによると家族4人で切り盛りし、仕込んでおいた生地を当日分だけ手打ちしている。売り切れ次第、その日の営業は終了だ。うどん（小）が150円、（大）が280円。
讃岐山脈の山あいの集落という立地条件にもかかわらず、行列の絶えない人気店だ。
以下、3位が「上戸」（観音寺市）、４位が「蒲生うどん」（坂出市）、５位が「須崎」（三豊市）と続く。見事に住所が分散しているところに、うどん文化の奥深さを感じてしまう。
16位にようやくうどん以外の店が登場する。といっても中華そばだが――。17〜20位は再びうどん屋の独占状態。
「ひょっとして……香川に洋食のレストランは出店していないのかも！？」と疑念を抱いたが、フレンチやパスタの店も普通に登録されていた。
先のランキング上位の店のコメントを再読すると、うどん好きの他県民が高評価するケースが目についた。
