街のコト

フランス人の憧れ 老後のポルトガル移住/サオ・ルイ(ポルトガル)

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(ライター:山口 由紀)

住んでいるパリをしばし離れ、バカンスにポルトガルへ。リスボンから南に200キロ、大西洋寄りのひなびたサオ・ルイという村に、インターネットで格好の短期貸し住宅を見つけたのです。

村は、10分も歩けば端から端までまわれるほどこぢんまりしていますが、お店は肉屋、魚屋、八百屋、雑貨屋から床屋やネイルサロンまでひと通りそろっています。住民たちは穏やかで、曲がり角ごとにベンチが置かれ、老人たちがおしゃべりに興じています。

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今回滞在した家と村の小路

今回滞在した家と村の小路

借りた住宅は、プール付きで寝室8室バストイレが4つもある大邸宅。今回は友人カップルとその息子一家とともに総勢10 名で借りました。こうした短期貸し住宅を借りるのはほぼ100%が外国人だとか。そのため物価の安いポルトガルだからといって格別に安いということはなく、相場は10 人宿泊できる一軒家で1カ月50~60万円のようです。それを、今回私たちは貸主の都合で期間が3週間と短めだったため、当初より安くなり、3000ユーロ強(約34万円)で借りることができました。3世帯で割ればそう高いこともありません。

しかも、短期貸し住宅の賃料はさておき、ポルトガルの一般的な物価は、フランスの2分の1、パリとの比較だと3分の1です。友人は夕食の炭火焼きにするイワシなどを買いに出た際、その安さと新鮮さに目を見張っていました。実際、ユーロ圏なので計算に面倒がないし気候もいいところから、自宅を処分して完全移住するフランス人年金生活者は案外いるようです。

山口 由紀(やまぐち・ゆき)
フリーライター。編集プロダクション企画制作四谷事務所を経て、1991年、フランス人と結婚し、渡仏。以来、パリの学生街カルチェ・ラタンにある、築350年のアパートに住んでいる。

 

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