街のコト

多くの人に愛されるグアダルーペの聖母マリア/メキシコシティ(メキシコ)

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(ライター:岩本京子)

クリスマスが近づき街が電飾でにぎやかな12 月12 日、メキシコシティ中心部から車で約30分程度の場所にある世界一の巡礼者数を誇るグアダルーペ寺院で、「グアダルーペの聖母の日」のお祝いが盛大に行われます。
聖母マリアの出現を祝うお祭りで、かつてメキシコが植民地だった時代のこの日、あるインディオの目の前に褐色の聖母マリアが現れ、彼の持つマントにその姿を浮かび上がらせたのだとか。その伝説の奇跡のマントも、500年の時を経ても色あせず、ちゃんと聖堂の正面に本物が掲げられています。

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聖母像を掲げて集まる人々


メキシコは国民の9割以上がカトリック。最近の若い世代の中にはそれほど熱心ではない人もいるようですが、特にシニア世代にとっては日曜日は教会に行くのは当たり前。クリスマスはもちろん、日本のお宮参りや成人式に相当する人生の節目イベントでは必ず教会に行きます。そんなメキシコで、グアダルーペの聖母はとても愛されており、そこかしこ、家の中、いくつもの祭壇があり、普段でも毎日のように花とロウソクをともして聖母が崇められています。

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踊る人々。ヨーロッパ中世の騎士風もあればアステカダンスもあるというのがメキシコらしい


そしてこのお祝いの日は聖母像を掲げて車、自転車、あるいは徒歩で多くの人が聖母を祝いに集まるのです。もう、聖堂の周りは人、人、人。境内ではさまざまな衣装を着たグループが夜を徹して踊り明かします。聖堂の中では大きなミサが行われ、メキシコの大御所の歌手たちがそれぞれ聖母を称える歌を歌います。この模様はテレビ放映され、我が家ではそれを家族総出で見るのがおなじみ。メキシコにいるのに、まるで年末に実家で紅白を見ているようだなといつも感じています。

岩本 京子 (いわもと・きょうこ)
2006年、以前より気になっていたメキシコにふらっと訪れ、そのまま住み着く。現在はマクラメアクセサリー作家として活動する傍ら、メキシコ人の夫と共にアクリルのバラを手作りするアルテサノ(職人)の日々。http://balamjade.cart.fc2.com

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