街のコト

ビール醸造所跡がアーティスト専用住宅に!/ロサンゼルス(アメリカ)

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(ライター:上野 ハジメ)

再開発が進んで、オシャレな街に大変身中のロサンゼルス・ダウンタウン。俳優やモデル、歌手志望者が全米から集まってくる街ですが、今、熱いのがアートシーンです。

80年代初頭に、ダウンタウンの倉庫街に勝手に住みついたアーティストたちに市が居住許可を与えたことから、「アーツディストリクト」と呼ばれる一大アートエリアが誕生しました。工業地帯の倉庫の壁は巨大なキャンバスとなり、街はさながら野外ミュージアムに。おしゃれなカフェやレストランが軒を連ね、グルメの流行はここから始まるといわれるほどです。

ブロック一帯は、レンガ造りのビール醸造所のテイストを生かした独特の空気感が漂う

 

隣接したエリアには世界最大規模のアーティスト専用集合住宅「ブリューワリー・アーツ・コンプレックス」があります。中心となるのは地ビールの醸造所を改装した10階建ての建物で、工業用につくられた周辺の建物や倉庫を含め、ほとんどそのまま住宅として「アーティストだけに」貸し出しているのです。映画でしか見ることができないような堅牢なエレベーター、高い天井、広いロフトの部屋、レンガの壁…。独特な風合いが芸術家の創作魂に響くのでしょうか。長い間、空きがまったく出ない状況が続いています。

 

最上階の日本人写真家が住むロフト空間。ロサンゼルスらしい生活体験ができるスペースとして世界からの旅人にレンタルしている

 

年に2回、この一帯全てを無料開放して、アートウォークと呼ばれるオープンスタジオの展示販売会が開催されています。実に100を超える住人兼アーティストが参加し、ロサンゼルス中から集まってくるアートファンを自宅ギャラリーに迎えます。ロサンゼルスでは、まさに街全体が、「夢」を見て自分らしく生きる人々を支え、応援しているといえるでしょう。

 

上野 ハジメ(うえの・はじめ)
ライフコーチ/コンサルタント。東京の広告会社勤務後、1994年にハワイに移住し、2011年よりロサンゼルス在住。海外メディアの社長、編集長を経験し独立。時間と場所に縛られないヘルシーなライフスタイルを提唱中。

 

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