街のコト

砂漠にそびえる 白亜の街並み/アシガバート(トルクメニスタン)

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(ライター:ギュルソユ 慈)

中央アジアのトルクメニスタンという国をご存知だろうか。独特の体制を敷き、絶対権力者である大統領の写真が国中にあふれる様子に、なじめない人も多いかもしれない。しかし、世界屈指の天然ガス埋蔵量を誇り、そこから巨万の富を得るこの国の人々の暮らしぶりはそんなに悪いものではない。なにしろ彼らが暮らすのは、絢爛豪華な白亜の街なのだ。

首都アシガバートに林立する高層ビルは、どれもすべて白大理石づくり。大理石は莫大な費用をかけて外国から輸入されている。マンションも十分に瀟洒なつくりだが、これが公共の建物になると壁に滝がつくられていたり、屋上に巨大な地球儀を乗せていたり、ビル自体が本や星の形をしているものまであり、なんとも豪勢である。

街中には大理石でつくられた白亜のビルが林立する

街中には大理石でつくられた白亜のビルが林立する

ビルの間を縫うように、いくつもの噴水や、自動散水で花の絶えない緑地帯がつくられているのを目にすると、国土の8割が砂漠であることなどつい忘れてしまう。かつて砂漠の遊牧民だったこの国の人々にとって、水と緑が豊かであることは大理石のビルと同じくらい贅沢なことなのだ。

夜になれば、噴水や高層ビルは七色に変化するLEDライトで一晩中ライトアップされ、白亜から一変、カラフルな近未来都市となる。

七色に変化するLEDライトで一晩中ライトアップされるビル

七色に変化するLEDライトで一晩中ライトアップされるビル

そんな街に暮らす市民の多くは、日頃から民族衣装を身につけ、遊牧時代から変わらぬ手織り絨毯を部屋に敷きつめることを好む。この地に暮らして1年経つが、いまだにこの近未来と伝統が同居する姿には面食らってしまう。しかしこのギャップこそ、トルクメニスタンという知られざる国が持つ魅力の一つなのだ。

人々は民族衣装を身に着け手織り絨毯の部屋に暮らす

人々は民族衣装を身に着け手織り絨毯の部屋に暮らす

ギュルソユ 慈(ぎゅるそゆ・ちか)
トルコ人の夫の赴任先に帯同し、2015年より外国人観光客が少ない国の一つといわれるトルクメニスタンに暮らす。一児の母。ブログ「スパイシーdays@トルクメニスタン」。

 

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