日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、2025年には700万人を超えると推測されている(2015年、厚生労働省)。認知症の中でも多くの割合を占めるのがアルツハイマー型認知症だが、アルツハイマー病は一度発症すると進行を止めたり回復したりするのが難しく、いかに発症を予防するかが大切だといわれている。森永乳業は、東京大学大学院農学生命科学研究科および神奈川県立産業技術総合研究所と共同で、ビフィズス菌A1(Bifidobacterium breve A1)がアルツハイマー病に与える影響を研究。ビフィズス菌A1を摂取すると、アルツハイマー病の発症を抑える可能性があることを発見した。 研究では、アルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβを脳内に投与したアルツハイマー病のモデルマウスに、ビフィズス菌A1を1日当たり10億個、10日間にわたり経口投与し、3つの実験を行った。その結果、ビフィズス菌を投与したマウスは生理食塩水だけを投与したマウスと比べ、空間認識力や学習・記憶能力が改善したと考えられるデータが得られた。また、ビフィズス菌を投与したマウスはそうではないマウスと比較して、免疫異常や過剰な炎症に関わる脳内遺伝子群の発現が正常の状態を保っており、認知機能障害が改善した可能性が示唆された。 つまり、ビフィズス菌を摂取すると、認知機能が改善したり、脳内の過剰な免疫反応や炎症を抑えたりする作用により、アルツハイマー病の発症や進行を抑制する可能性があることが分かった。ヒトにおいても、その効果が早く証明されることを期待したい!
「東京大学」
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「おもてなし」の科学的理解!? 東大とANAの共同研究
日本といえば、おもてなしの国。笑顔で丁寧な接客や、マニュアルにない臨機応変な個別の対応は、日本人だけでなく、日本を訪れる多くの外国人の心をつかむ。実際、世界経済フォ−ラムの『旅行・観光競争力指数』でも、日本の『おもなてし』の力は世界一と評価されている。そこで、東京大学人工物工学研究センターとANA総合研究所(東京)は、この「おもてなし」の科学的理解に向けた共同研究をスタートすることになった。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックや観光立国の実現に向け、このおもてなしは内外で注目の的だが、その概念は数値や指数のない文字通り“マニュアル化”できない抽象的なもの。そこで、この研究では、おもてなしの源泉を相手に対する“気づき”と仮定し、ANAの客室乗務員の機内における行動やチームワーク、客室乗務員間の会話などを調査。『気づき』の能力習得プロセスやさまざまな場面での予測行動などを科学的に分析して、モデル化することを目指すのだそうだ。 おもてなしはジャパンブランド。マニュアル化できない伝統が、どんな風に“解析”‘されるか楽しみだ。
大学の“おいしい”大集合 研究心と豊かな発想の成果
教授や学生たちが開発に携わり、大学の研究室などから生まれた大学発のブランド食品を紹介する人気の催し、第8 回 『大学は美味しい!!』フェアが28日から、新宿高島屋でスタートする。
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大学生は無料、の“就活カフェ” 採用担当と学生の出会いの場
学生が無料の飲料を飲みながら、企業を「知る」ことができる「知るカフェ」(京都)。企業からのスポンサー費用で運営されていて、学生にとっては身近に企業と触れ合う場、企業は学生とのいち早い出会いの場となる就活カフェだ。
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