
「常盤橋街区再開発プロジェクト」全体パース

「今後は周辺地域も含めた広い視点でまちづくりを展開していく」と話す杉山社長
三菱地所(株)は31日、「東京」駅日本橋口前の大規模複合再開発「常盤橋街区再開発プロジェクト」の計画概要を発表した。
同プロジェクトは、「東京」駅周辺で最大となる総面積約3.1haの再開発。旧大手町合同庁舎1、2号館跡地を活用し場所を変えながら複数回にわたり段階的かつ連続的な建て替えを推進する「大手町連鎖型都市再生プロジェクト」の第4次事業となる。同社は、関係地権者とともにプロジェクトを検討。このほど再開発事業の施行予定者として都市計画手続きを開始した。
計画では、街区内の下水ポンプ場および変電所等のインフラ機能を維持しながら、段階的に4棟のビルを開発する。プロジェクトの総延床面積は約68万平方メートル。A棟は、地上37階地下5階建て、高さ230m。B棟は、地上61階地下5階建て、高さ約390mと、日本の建築物最高の高さとなる。いずれも事務所および店舗となる予定。C棟は地下4階建てで、店舗の他、変電所を移設。D棟は地上9階地下3階建てで、下水ポンプ場を配置する。
都市再生貢献として、「東京」駅・周辺地区を結ぶ地下歩行者ネットワークの整備や、常盤橋公園を再整備するとともに、総面積約1ha超に及ぶ大規模広場・親水空間を創りだす。また「東京国際金融センター」構想の実現に向けたビジネス交流機能など国際競争力を強化するほか、災害復旧活動の拠点となる広場整備や自立・分散型エネルギー導入等で防災と環境面にも配慮する。
2015年度中には国家戦略特別区域計画の大臣認定を取得(予定)し、事業認可・権利変換認可手続きを経て、17年度に着工。全体竣工は27年度を予定している。
同日開催した記者発表会で挨拶した同社代表取締役社長の杉山博孝氏は、「同プロジェクトを“東京の新しいシンボル”とするとともに、国際性を高めることで、世界の企業に選ばれる都市にしていきたい」と抱負を述べた。