(OVO オーヴォより)

3年の改装作業を経て2013年にお目見えした新しい歌舞伎座。ダイナミックな唐破風に迎え入れられて観る世界無形文化遺産の歌舞伎は、日本の伝統文化そのものだ。だが、観劇に出かける時間がとれない、観たい演目が多すぎて選べない、そもそも歌舞伎は初心者、という人もいるだろう。そんな人におすすめなのが、衛星劇場の歌舞伎放送だ。松竹直営のCSチャンネルで、人気の高い演目を、毎月20本以上放送。中でも、3月2日に放送される中村吉右衛門、尾上菊五郎、坂田藤十郎という、人間国宝揃い踏みで堪能できる「勧進帳」は見逃せない。
兄・頼朝との不仲から、山伏に身をやつして奥州平泉を目指す義経と弁慶。途上、関守富樫の詮議を受けて進退きわまった弁慶が、白紙の巻物を勧進帳として読み上げる場面は、歌舞伎初心者でも知っている有名な場面だ。吉右衛門の弁慶に、菊五郎の富樫、藤十郎の義経という珠玉の舞台。他にも、3月では中村勘三郎の「京鹿子娘道成寺」、さらに4月には片岡仁左衛門特集が放送される。
家でのんびり鑑賞するには少々ぜいたくすぎる舞台の数々は、スカパー!、CATV、ひかりTVで視聴できる。衛星劇場のホームページから「ステージアワー」を見ると、平成26年秋の最新舞台”撮って出し”など、詳しい演目の情報も手に入る。 http://www.eigeki.com/
なお、歌舞伎の舞台で実際に使用されている衣装を収録した、全頁カラーの図録が20名にプレゼントされる。希望者は下記のWEBサイトにアクセスしよう。
https://www.eigeki.com/form/present/index/kabuki_201502.html
いまやパリのオペラ座もライブビューイングで観劇できる時代。歌舞伎ファンはもちろん、その楽しみをまだ知らない初心者も、この際テレビでじっくり伝統文化に触れてみよう。