ルーアンの悶絶スイーツ 一歩先のフランスの旅(その2)

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(OVO オーヴォより)

ダム・ケークのクランブル

 町ごと美術館と言われるフランス・ノルマンディーのルーアンで、大聖堂からメインストリートを歩いた前回。その通りの突き当りに、ジャンヌ・ダルクが火刑に処せられたヴューマルシェ広場がある。ルーアンには、コロンバージュと呼ばれる中世の木組み構造の建物が多いが、この広場を囲むように建つレストランも同様。その中央、色鮮やかな花の鉢植えで窓辺が飾られた一軒が、フランス最古のオーベルジュとして有名な「ラ・クーロンヌ」だ。1345年に開業したこのオーベルジュは、名物鴨料理をはじめ、ノルマンディーらしく、りんごやカルバドスを使ったデザートなど、地域色豊かな食事が楽しめるとあって、世界中から訪れる人が絶えない。

 この広場のすぐ近くにあるホテル・ブールテルードは、これからルーアンを訪ねてみようと思う人にお勧めの宿だ。16世紀に建てられ、ゴシック様式やルネッサンスの彫刻など、中世をそのまま伝える建築物は、1924年からフランスの歴史的建造物に指定されている。スパホテルとして、屋内プールや数々のスパメニューも充実、レストランとブラッスリー、バーも併設している。宿泊しなくても、ビストロのテラス席で食事をすれば、コロンバージュと石畳の広場を眺めながら、郷土料理や、季節の味が楽しめる。

 歩き疲れてお茶をするなら、大聖堂近くの「ダム・ケーク」をはずしてはいけない。

 かつて金物装飾の店だっただけあり、店入口には繊細な曲線の装飾。ウィンドウには、マドレーヌやショコラ、タルトなどがきれいに並べられ、すでにそのファサードがスイーツ女子には悶絶ものだ。お天気の良い日なら、中庭のテラス席を頼んで、名物のクランブルにマリアージュ・フレールの紅茶を。もちろんお菓子を買って帰ることもできるが、目移りするほどさまざまな種類があるから、要注意だ。

 せっかくのフランスの旅、やはり夕食は星付きレストラン、という人は、セーヌ川沿いのGill(ジル)へ。カニやオマール海老の前菜、タラやヒラメなどの魚介類の料理が有名だが、肉好きの人にはもちろん、仔牛の胸腺や仔羊肉のコンフィなども。

 こうやって食べ歩くより、のんびり散歩しながら、おいしいパンやおやつを買ったり、朝市で日常の食をのぞきたい、という人にも、この“町ごと美術館”のルーアンは美しい舞台を提供してくれている。次回は、コロンバージュの建物と石畳が続く町歩きへ。

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MATOME