(Jタウンネットより)
夏になると食べたくなるスイカ。最近、スーパーの店頭に並んでいるのは既にカットされたものがほとんどだ。丸ごと売られていても、1玉3~5キロほどが普通だろう。
しかし神奈川県の三浦半島では、普通のスイカの優に2~3倍はある巨大スイカが栽培されている。そのスイカの名は『天竜すいか』。
1玉10~14キロに育つ品種で、大きなものは20キロになることもあるというから驚きだ。

昭和30年代ごろには、10キロを超えるスイカは珍しく無かった。縄で縛って井戸の中に吊るして冷やし、近所の子どもたちが勢揃いしてスイカを頬張った。
となりのトトロの世界観と言えば、わかりやすいかもしれない。
しかし高度経済成長を経て核家族化が進むと、「冷蔵庫で冷やせない」、「家族だけで食べきれない」といった理由から、大玉スイカはすたれてしまう。
今では栽培する農家も少なくなってしまった大玉スイカ。それを三浦半島で作り続けるのが、木村政明さんだ。

木村さんが天竜すいかにこだわるのは、その味わいが素晴らしいから。
普通のスイカの糖度が10度ほどであるのに対し、天竜すいかの糖度は平均で13度。かなり甘いスイカだ。
さらに非常に果汁が多く、包丁を入れた瞬間切れ目から溢れてくるほど。ジューシーな果汁こそスイカの醍醐味だ。
「他の産地の西瓜も色々食べたし、試しに、他の品種を作ったこともあるけど、やっぱり天竜すいかが一番さ。」と木村さんは語る。

木村さんが作る天竜すいかは、何切れ食べても食べ飽きない完成度だ。絶対的な糖度が高いので、ジューシーな果肉でも水っぽさとは無縁。
最後まで非常に美味しく食べることが出来る。
大きなスイカは時代遅れとされ、年々生産量が減っている。しかし、木村さんが作る天竜すいかは、単なるノスタルジーに留まらない魅力に溢れている。
大きくて、甘くて、ジューシー。これからもずっと残っていて欲しい、昔ながらの美味しいスイカだ。

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