街のコト

京の歴史が詰まった 路地裏に迷い込んでみる(京都市/先斗町)

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(ライター:村上 健)

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京都の中心部、鴨川と高瀬川の間を南北に走る石畳の細い通りがあります。このかいわいが今号の先斗町です。

まちの始まりは、高瀬川を行き来する船頭や旅人目当ての茶屋や旅籠が置かれた江戸時代中頃のこと。芸妓が居住するようになった幕末を経て、祇園などとともに京都を代表する花街となりました。今でも、飲食店に混じって古くからのお茶屋や芸妓を抱える置屋が数多く残っています。

そんなわけで、500m近い通りに立ち並ぶ店構えを眺めながら歩けば、いかにも京都らしい風情を感じますが、悲しいかな、世間ズレしたオジサンは、旅番組で見慣れた風景を再確認する気分になるのも事実。そこで交差する路地に踏み込んでみると、これが面白い。配管や電線が張り巡らされた壁に挟まれた奥に、隠れ家のようなバーや極小の喫茶店がひっそり。50ほどある路地の中には通り抜けられない袋小路もあって、探検気分が盛り上がります。

路地と交差する袋小路も数多くあり、探検気分が盛り上がる

路地と交差する袋小路も数多くあり、探検気分が盛り上がる

お茶屋遊びは敷居が高くても、路地裏散歩なら歴史の詰まった京都の魅力を手軽に味わえること請け合いです。

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村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

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月刊不動産流通2016年9月号掲載

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