街のコト

しぶとく生き残る 昭和の「くいだおれ」横丁(大阪市/新梅田食道街)

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(ライター:村上 健)

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近年、JR「大阪」駅周辺では、再開発やビルの改築で新しい風景が次々と生まれています。そんな中、十年一日、いや40〜50年変わらない風景もあります。JRから阪急「梅田」駅へ向かう道筋に広がる「新梅田食道街」がそれ。「新」と言っても開業は昭和25年。旧国鉄退職者の救済事業として始まった飲食店街には、たこ焼き、洋食、餃子、お好み焼きと、くいだおれ大阪の王道メニューがそろい踏み。早朝から深夜まで、通勤客や出張途中のサラリーマンを中心に賑わっています。

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極小店舗ならではの省スペース型たこ焼き器

ガード下なのに2階があるため、天井は低く、迷路のように入り組んだ通路に小さな店が200ほどもひしめいていますが、この狭さがかえっていい。横丁気分を盛り上げてくれるのです。
「こないだ豊中でお見掛けしました」「ホンマ? あんたも豊中なん?」。洋食店でウエイトレスに声を掛けられたオジサンが、スポーツ紙をたたんでニッコリ。どうやらここは、都会暮らしの庶民のお腹と心を満たすまちのようであります。

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村上 健 Ken Murakami
編集者の仕事の傍ら、各地の風景を描く。著書に『昭和に出合える鉄道スケッチ散歩』『怪しい駅 懐かしい駅』がある。

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月刊不動産流通2016年3月号掲載

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