「台ふきん」

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食卓にふれた子どもの手に約1,000個の食卓菌  有効な対策の1つは“アルコール除菌”

食卓にふれた子どもの手に約1,000個の食卓菌  有効な対策の1つは“アルコール除菌”

 湿度も気温も高い日本の梅雨。加えて近年、どうやら「除菌」は“日本人の常識”になりつつあるようだ。水回り、食器、衣類は言うに及ばず、エスカレーターのベルトから車のシートまで、抗菌、除菌の文字が躍る。以前は、食卓をふきんできれいに拭くのは当たり前の行為だったが、実はそれも“食卓菌”をまき散らしかねない“危険”な行為という調査結果が出てきた。 例えば、食べこぼしの多い子供がいる家庭では、食事中や食後に台ふきんでさっと食卓を拭くというのは、普通のこと。実際、「日常的に、食卓の食べこぼしを台ふきんで拭いている」という人は、子供のいる家庭では73%。子供のいない家庭の56%を3割程度上回っている(トレンド総研と衛生微生物研究センター・東京)。「毎食必ず拭いている人」は84%。ところが、台ふきんで拭いた直後、食卓には、10cm四方に100万個以上の食卓菌が存在するという。 主婦の間でも、この食卓菌を心配する人は多く、アンケート調査では、7割が「食卓に菌がいないか気になる」と回答している。食卓菌が子供の手に付着する様子を調べると、手を洗った後に、手のひらに付着していた212個の菌は、食卓にふれた後には、4.4倍の932個に増加していた。食べこぼしに食卓菌が付着すれば、それを子供が食べてしまうこともあるし、食卓に食卓菌がいれば、食卓にふれた手も同様。これが食中毒につながっていく。身体が小さく、大人に比べると免疫機能の弱い子供は、より“食卓菌”に注意が必要、ということだ。 これからの季節、夏場に注意が必要なものの1つには、鶏卵や鶏肉から感染することが多いサルモネラ菌がある。しっかり加熱すれば死滅するが、卵を使ってマヨネーズやアイスクリームを作る“手作り派”は案外注意が必要だ。また、肉類に多いカンピロバクター菌も熱処理で死滅するが、調理時に使用した台ふきんを食卓でも使う時などは、要注意。 これらの菌による食中毒のリスクを下げる有効な対策の1つは、アルコール除菌だ。実験では、汚染された台ふきんで食卓を拭くと、10cm四方に約340万の食卓菌が存在するが、アルコール除菌を行うと食卓菌は10個未満にまで激減した。避けて通れない憂うつな季節、健康に夏を迎えられるように確実な対策で、明るい季節を待ってみよう。

まもなく迎える梅雨……  気を付けたい“食卓菌”とは?

まもなく迎える梅雨……  気を付けたい“食卓菌”とは?

 西日本では続々と梅雨入りが宣言され、蒸し暑く感じる日も徐々に増えてきた。そんな季節には、さまざまな菌が繁殖しやすくなるのはご存知のとおり。では、漂白する頻度が1週間に1回の台ふきんで食卓を拭いた場合、食卓に潜む菌、いわゆる“食卓菌”はどの程度いるのだろうか。答えはなんと、10cm四方当たりに100万個以上! ちょっと衝撃的な数字だ。きれいにしているつもりが、かえって菌を広げてしまっていることがトレンド総研(東京)と衛生微生物研究センター(東京)の実験で判明した。 トレンド総研が20〜40代の主婦500人を対象としたアンケートでも、82%の人が「台ふきんにおける菌の存在が気になる」と回答していて、その心配が的中した形だ。濡らして使う台ふきんは、その都度、煮沸消毒をしたり、天日干しで乾かしたりしない限り、菌増殖の温床になる可能性がある。台ふきんを使っている家庭は84%に及ぶから、多くの家庭で注意が必要だということになる。台ふきんで拭いている場所を聞いたところ、1位は88%で「食卓」。2位は70%で「食卓の上の食べこぼし」だった。さっと拭けて便利ではあるが、きちんと除菌していない台ふきんでは逆効果になってしまう。アンケートでは、「台ふきんではなく、毎回使い捨てで、ティッシュにアルコールを付けて拭いている」(神奈川県・43歳)や「台ふきんは不衛生な気がして使いたくない」(兵庫県・25歳)といった意見もあった。 では、“食卓菌”対策にベストな方法は何だろう? カビなどの専門家である衛生微生物研究センターの李憲俊(り・のりとし)所長に聞いてみた。「台ふきんで拭く頻度とは関係なく、台ふきんを利用することがあるすべての家庭で“食卓菌”のリスクがある。梅雨から夏にかけてのこれからの季節には、特に注意が必要だと言えるでしょう。小さい子どもは、食卓を手でたたいたり、食卓の上にこぼしたものを口にしたりすることもあり、食卓菌を口にしてしまうケースも多いため、除菌対策がより大切になります。食べこぼしなどの汚れを拭きとり、水気をしっかり取った後で、きちんと除菌すると良いでしょう。実験では、アルコール除菌後には付着していた食卓菌がほぼ死滅しました」と李所長は話す。 やはりキーワードは“アルコール除菌”のよう。拭き取りタイプなど便利な除菌グッズがたくさんあるから、憂鬱になりやすい梅雨の時期も、より手軽で確実な食卓菌対策を行いたいものだ。