「人工涙液」

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ネット販売解禁で求められる“医薬品のリテラシー”  使用期限チェックしてる?

ネット販売解禁で求められる“医薬品のリテラシー”  使用期限チェックしてる?

 家の救急箱には、どんなものが入っているだろう? 切り傷につける薬や絆創膏、飲み過ぎた時の胃腸薬、目薬、湿布、体温計、もしかすると、風邪をひいた時の処方薬の残り、なんていうのも入っていたりするだろうか。だが、冷蔵庫の食品に「消費期限」があるのと同様、医薬品にも当然「使用期限」がある。もちろん分かってはいるが、救急箱をチェックしたのはいつ?と聞かれると口ごもらざるを得ない人が多いようだ。トレンド総研(東京)が、20代〜50代の500人に家庭の常備薬についての実態調査をしたところ、3か月以内にチェックした人は55%、1年以上チェックしていない人は26%に上ることが分かった。 ネットで気軽に買い物ができる時代。医薬品も、昨年6月にネット販売が解禁されて1年になる。だが、医薬品は身体への効果を期待して使う特殊な“商品”だからか、実際ネットで薬を買ったことがある人は19%にとどまっている。もっとも、「こまめに買い足すもの」や「いつも買っているもの」なら、安心して買えるから、今後ネットで買いたいという意向を持つ人を含めると、全体の6割がネットでの医薬品購入に肯定的だ。こうなると、薬局で対面で買う時よりも更なる自己責任、常備薬の「管理」を含めた使う側の”リテラシー“が求められる。 もっとも、医薬品に使用期限があること自体は94%の人が知っている。つまるところ、知ってはいても、管理はなかなかできていない、というのが実情だ。自宅にある常備薬の種類は、絆創膏(84%)、目薬(78%)、風邪薬(77%)が上位3位。使用期限が切れているかもしれない薬で最も多かったのは目薬(25%)だった。眼科医の石岡みさき氏によると、使用期限のきれた目薬を使って目が痛くなったと来院する人も少なくないのだそうだ。「症状がひどいと、眼球の角膜上皮が大きくはがれてしまい、角膜びらんと呼ばれる角膜上皮障害をおこしてしまう」から、使用期限を甘く見るのは禁物だ。 目薬の使用期限は、市販薬で2〜3か月、処方薬では長くても1か月。「開封してしばらく経ってしまえば、雑菌の影響は避けられず、目薬の変質などにより大きなトラブルにもつながりかねない」と石岡先生。 常備薬の目薬として先生が勧めるのは「人工涙液」だ。涙液に近い成分になるよう作られた点眼薬で、防腐剤を含まないものなら副作用の心配も少ないし、子供も使えるから、家族全員用の常備薬としてぴったりだそうだ。それでも、使用期限を守らねばならない点に変わりない。しばらく救急箱は開けてない、という健康な人たちは、週末あたり、一度チェックしてみてはどうだろうか。