「グリーン」

記事一覧

第11回「MY PARでコースマネジメント?」【読むだけでスコアアップ! ―村瀬流・新ゴルフマネジメントー】

第11回「MY PARでコースマネジメント?」【読むだけでスコアアップ! ―村瀬流・新ゴルフマネジメントー】

 前回、『MY PAR』を守るために刻む選択をする、「勇気」についてお話しました。ここでは、刻む選択をすることの良さについてもう少しご説明しましょう。前回お話しした2打目の状況は、ピンまでは残り145ヤード、7番アイアンでナイスショットすればピッタリの距離です。一方グリーン右には池があって、130ヤードで届きます。更にグリーン左手前にも深いバンカーがあります。?もちろん7番アイアンでビシッと狙っていく。?池に入れたくないので、池に届かない9番アイアンかな?のうち、?を選択していただきたいということでした。『MY PAR』は5です。このホールを「5」にするために、確率が高いのはどちらでしょう?もちろん『MY PAR』でのバーディー、4を狙ってはいけないというわけではないのですが、ケースバイケースの判断で身の丈以上のリスクを冒してまでは狙わないということです。『MY PAR』を5に設定したのなら、おそらく普段90台や100台前半で回られる方が多いでしょう。その方が7番アイアンでグリーンにオンできる確率は、良くて3割程度ではないでしょうか?そしてもし池に入れてしまうと、次は4打目のアプローチ。ほぼ「6」以上が確定ですね。一方、9番アイアンでナイスショットとはいかないけども、100ヤードそこそこ池に入らないように前に飛ばすなら7割〜8割程度は成功するのではないでしょうか?あと残り30〜40ヤードをグリーンに乗せるだけなら、これも高確率で成功するでしょう。あとは2パットで、『MY PAR』達成です。 刻む選択にはもうひとつ目的があります。刻むと決めたショットに限って、ナイスショットをしようという欲がなくなり、フェースの芯に当たり、まっすぐに飛んで行ったという経験がみなさんにもありませんか?「あーあ、これがグリーンを狙うときに出てくれたらなぁ」という嘆きが聞こえてきそうです。 メンタルマネジメントにおいて、「平常心」は欠かすことができません。「刻む」ショットは、飛ばさなければならない、グリーンに乗せなければならないという不安や欲を少なくし、リラックスした気持ちで、平常心を取り戻させてくれます。その結果がいいのは明らかですね。9番アイアンで100ヤードそこそこ前に飛ばせる確率は7割〜8割、と言いました。まして不安や欲の少ない刻むショットでは、その確率が8割にも9割にもなります。『MY PAR』をキープできる確率はますます高まるというわけです。 たとえばバンカーも大嫌いと言う人には、池だけではなく、バンカーにも絶対に入らないPWでのショットもおすすめです。正にスコアマネジメントを身の丈で実践することの充実感が味わえます。これこそ、ゴルフが考えるスポーツと言われる理由です。 ラウンド中でも、意図的に刻むショットこそ確率的に有利だということを思い起こしてください。あとはそれを実践するための「勇気」を出して、プレショットルーティンに臨みましょう。  <著者プロフィール> 村瀬雅宣(むらせ・まさのぶ)一橋大学時代に体育会ゴルフ部キャプテン、1977年卒。就職後は東京海上火災保険ゴルフ部キャプテンとして実業団会社対抗戦などで活躍。ハンディキャップ:JGA3.0大学での講座、各種研修会やセミナー主催多数。ゴルフ専門誌や新聞でのコラム連載経験あり。一橋大学体育会ゴルフ部コーチ。メンタルカウンセラーの資格取得。<NOBU GOLF SCHOOL><ゴルフメンタルマネジメント論 メールセミナー>

個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力 ◎文・和田博巳

個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力 ◎文・和田博巳

個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力◎文・和田博巳 Nonesuch Records(以下ノンサッチ)はエレクトラ・レコードを起こしたジャック・ホルツマンによって、1964年にエレクトラの子会社として設立された。現在ノンサッチが紹介する音楽ジャンルはポピュラーミュージックを中心としているが、そのポピュラーミュージックも、ロックやカントリー、ジャズやワールドミュージックに加えて、ひと言でこうとはカテゴライズし難いアーティストも多く、かつたいそう趣味性が高い音楽や趣味の良いミュージシャン、グループを揃えるところがこのレーベルの大きな魅力だ。 ノンサッチのサウンドの特徴は、ポップス系の作品が多いレーベルにはめずらしく、コンプ・リミッターを多用しないナチュラルな録音が多いことである。したがっていずれのアルバムもハイレゾで聴くにふさわしい、ニュアンス豊かなハイファイサウンドになっている。ダイナミックスや音場感といった要素と共に、ヴォーカルや楽器の質感にもこだわって聴けば、さまざまなオーディオ的、音楽的魅力が横溢していることが分かると思う。 現時点でe-onkyo musicを通して我が国でリリースされるのは、別掲リストにある13タイトルだが、この中から代表的な、あるいはぜひ注目して欲しい作品を紹介しよう。(次ページへ続く)-超絶技巧のフラット・マンドリン、クリス・シーリー 最初は今が旬な超絶技巧のフラット・マンドリン奏者、クリス・シーリーの関連アルバムを3タイトル。マンドリン奏者と言うと、皆さん一気に引いてしまうだろうか。でもそれはあまりにもったいない。クリス・シーリーの音楽は掛け値無しに素晴らしく、聴いて絶対にソンはありません、いやぜひ聴いていただきたい。『The Phosphorescent Blues』  まずはクリスを中心に結成されたアメリカーナ/ブルーグラス・バンド、パンチ・ブラザーズの『The Phosphorescent Blues』から。パンチ・ブラザーズの最高傑作と言える本作は、プログレッシヴでオルタナなブルーグラス・バンドがTボーン・バーネットのプロデュースを得て、完熟のバンドサウンドへと成長を遂げた記念碑的アルバム。これならバンジョーとマンドリンとフィドルが入ったご機嫌なロックバンドと紹介しても大丈夫だし、録音もこれ以上ないハイファイサウンド。『Bass & Mandolin』 そのクリス・シーリーが若き天才コントラバス奏者のエドガー・メイヤーと作ったデュオ・アルバムが『Bass & Mandolin』。二人ともヨーヨー・マとコラボレートした『ゴート・ロデオ・セッション』他数度の共演経験があり、その見事に息の合ったデュオは、繊細にして伸びやか、アコースティック楽器のソノリティを最大限に生かしきった見事な演奏となっている。さらにもう一枚、クリスのソロでヴァイオリニストにとっては難曲とされるバッハの楽曲をマンドリンでプレイした、『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』。これほど躍動的で美しく、楽しいバッハもそうは無いと思う。ぜひ一聴されたい。『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』(次ページへ続く)-熱いジャズ・サックスを濃密なハイレゾサウンドで堪能 続いてはジャズのアルバムで、サックス奏者ジョシュア・レッドマン関連の3タイトルを紹介する。『Walking Shadows』 『Walking Shadows』はプロデュースとピアノにブラッド・メルドーを迎え、ストリングス・オーケストラをバックにジャズのスタンダードのみならず、ロックのカバーも含めたバラード演奏をじっくりと聴かせる。妖艶と言いたくなるほど滑らかで艶やかなテナーサックスの音色にうっとりさせられるが、おなじみビートルズの『レット・イット・ビー』では、途中からだんだんテンションが上がっていって、熱いジョシュア・レッドマンに変貌してゆくさまが聴きどころだ。バックのリズム隊も負けず劣らずいいプレイを展開。『Trios Live』 もう1作『Trios Live』は、ピアノレス・トリオ編成にて、ニューヨーク「ジャズ・スタンダード」とワシントンDC「ブルース・アレイ」の2カ所のジャズクラブで行われたライヴを収録、ジョシュアのテナーとソプラノ・サックスを心ゆくまで堪能できるアルバムとなっている。収録は2009年と2013年で、ドラムスのグレゴリー・ハッチンソンは両ステージ共通だが、ベースはマット・ベンソンとルーベン・ロジャースの2人に分かれる。聴きどころはトリオの緊密で躍動感溢れる演奏だが、もうひとつハイレゾならではと感心するのが、ジャズクラブ特有の濃密な空気感と観客の発する熱気だ。ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビー』のように終始客がざわついているということはないが、それでも質の良いジャズファンは、絶妙のタイミングで歓声を発し手拍子をする。まさに自分がジャズクラブに居ると言う気分が味わえる最高のライヴアルバムだ。『City Folk』 もう1枚はジョシュアがアーロン・パークス(ピアノ)、マット・ペンマン(ベース)、エリック・ハーランド(ドラムス)と組むスーパーユニット、ジェイムス・ファームの『City Folk』。眼の前にジョシュアがガッと仁王立ちでテーサックスを大ブロウ。こちらはもう狂喜乱舞だ。ベースもブルブルと空気を震わせて、震えた空気がこちらの足裏を震わせるのが分かるほど録音はリアルだ。(次ページへ続く)-まだまだ聴き逃したくない個性的な作品が目白押し『Kin (<―>)』 パット・メセニー・ユニティー・グループ『Kin (← →)』は、鉄壁の従来メンバーに加えて、新たにジュリオ・カルマッシが参加。彼はピアノ、キーボード、木管&金管楽器、チェロ、ヴァイブ、ヴォーカルと、およそ何でもこなす驚異のマルチ・インストルメントゥル奏者。と言うわけでサウンドはグッと厚みを増し、ダイナミックな演奏を千変万化の色彩感で彩る。これこそハイレゾで聴かなくてはと、本気でそう思わせるとてつもなく緻密で濃密なサウンドだ。 他にもロックファンにはおなじみのウィルコのアルバムが4タイトル。さらにNYのフォークシーンの誕生を活写した映画『Inside Llewyn Davis』のオリジナルサウンドトラック。さらにはレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドの参加にビックリの、ミニマル・ミュージックの先駆者、スティーヴ・ライヒの最新作『Radio Rewrite』など、ぜひ聴いていただきたい。 演奏内容もサウンドクォリティも極上のノンサッチ、ぜひとも聴き逃すこと無きよう。『Radio Rewrite』●配信中のNonesuch Records作品一覧『The Phosphorescent Blues』 Punch Brothershttp://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597952674/『Bass & Mandolin』Edger Meyer、Chris Thile /http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953800/『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』Chris Thile http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58607/『Radio Rewrite』Steve Reich http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953336/『Trios Live』Joshua Redman http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr956153/『Walking Shadows』Joshua Redman http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58508/『City Folk』James Farm / http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953534/『Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording』http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597957518/『Kin (← →)』Pat Metheny Unity Group http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58072/『Being There』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58331/『Wilco [the album]』Wilcohttp://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58300/『Sky Blue Sky』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58317/『A.M.』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58348/-