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ちょっと複雑なフランスのキーボード事情 日本の顔文字変換に感激!

ちょっと複雑なフランスのキーボード事情 日本の顔文字変換に感激!

 パソコンのキーボードの並び方は、言語圏によってかなり異なっている。例えば日英間なら記号程度の違いで済むが、フランス語圏では、アルファベットの並び方も数字の打ち方も違う。この並び方を今後どうすべきか、フランスでは工業標準化協会がユーザーの意見を募り、議論中だ。 日本でパソコンを使っていると、大抵のキーボードはQWERTY(クウェルティ)と呼ばれる並び方。アルファベットの列の左上から横に、この文字が並んでいるからだ。日本語を打ち込んでいる人でも、ローマ字入力なら、英語配列のパソコンに切り替えても多少の違いを乗り越えれば済むが、フランスでは基本の配列がAZERTY(アゼルティ)。QとA、WとZの位置は入れ替わり、Mは中段右へ。?や!の位置も違うし、もちろん@も異なる。数字は同じ位置に並んでいるが、そのまま打てば記号やアクサン付きのアルファベットが出る。数字を打つならシフトキーを押しながらだ。 隣のイタリアやスペインはクウェルティだが、やはり記号の位置や、アクセントのついた特殊なアルファベットはもちろん、デッドキーの位置がそれぞれ異なるし、ドイツ語圏に行けばQWERTZ(クウェルツ)配列だ。このあたりの国境を越える機会が多いと、旅先の公共施設などで備え付けのパソコンでメールアドレスを打ち込む際に、@やピリオドの位置が違っていて苦労する人は少なくない。持参した自分のパソコンで済むことなら問題ないが、仕事などでセキュリティー上オフィスから持ち出せず現地のパソコンを使わざるを得ないとなると、まずはこのキーボードの並びに指を慣らすところからスタートだ。 現在、フランスで検討されているのは、現行のアゼルティの改良版と、まったく並びが異なるB?poと呼ばれる配列の二つ。アゼルティの改良版は、数字やアルファベットはほとんど現行通りだが、@やカッコの位置が変わるほか、今はシフトキーを押しながらでないと打てないピリオドが、そのまま打てるようになったり、アクサンのついた大文字が簡単に打てるようになる。B?poは文字通り左上からB?poと並んでいて、アゼルティともクウェルティとも異なっている。あまり普及しているとはいえないが、フランス語の文章を打つ時のアルファベットの使用頻度などを人間工学的に考慮した配列といわれている。 どの言語圏でも、言葉には時代を経て多くの外来語が加わっていく。コンピューター関係の用語はやはり英語圏のものが多く、@などの記号も同様。多用する言葉の中身が変われば、打ちやすさも、それに従い変わってくる。そもそも「現行のキーボードはフランス語向きにできていない」(仏文化・通信省)という前提もあり、寄せられた意見を集約し、結論を出すのは9月。ほとんど国外で製造されているキーボードに変更を強制するものではなく、選択肢が増えれば、ということらしい。 もっとも多言語のユーザーは、大抵自分のパソコンに使用する言語のキーボードを追加して使っているから、言語を切り替えるごとに頭の中で配列を切り替えているだけで、目の前にあるキーボードを「見て」打ってはいないし、見る意味もない。議論中の配列でも、他言語圏のものと並びがそろうわけではなく、仮に人間工学的には優れていても、慣れた配列から覚え直すのは勘弁、という困惑の声もある。 ちなみに、変換キーを経由して言語が打ち込まれていく日本語のキーボードには、かなり多くの外国人が関心を示す。中でも感激するのが顔文字。「かお」などと入力して出てくる大量の可愛い変換候補。そもそも変換キーがない言語圏ならではの驚きかもしれないが、中にはその楽しい機能に魅せられ、日本語キーを追加する人も・・・Σ(・□・;)。

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個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力 ◎文・和田博巳

個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力 ◎文・和田博巳

個性溢れるNonesuch Records〜そのサウンドの魅力◎文・和田博巳 Nonesuch Records(以下ノンサッチ)はエレクトラ・レコードを起こしたジャック・ホルツマンによって、1964年にエレクトラの子会社として設立された。現在ノンサッチが紹介する音楽ジャンルはポピュラーミュージックを中心としているが、そのポピュラーミュージックも、ロックやカントリー、ジャズやワールドミュージックに加えて、ひと言でこうとはカテゴライズし難いアーティストも多く、かつたいそう趣味性が高い音楽や趣味の良いミュージシャン、グループを揃えるところがこのレーベルの大きな魅力だ。 ノンサッチのサウンドの特徴は、ポップス系の作品が多いレーベルにはめずらしく、コンプ・リミッターを多用しないナチュラルな録音が多いことである。したがっていずれのアルバムもハイレゾで聴くにふさわしい、ニュアンス豊かなハイファイサウンドになっている。ダイナミックスや音場感といった要素と共に、ヴォーカルや楽器の質感にもこだわって聴けば、さまざまなオーディオ的、音楽的魅力が横溢していることが分かると思う。 現時点でe-onkyo musicを通して我が国でリリースされるのは、別掲リストにある13タイトルだが、この中から代表的な、あるいはぜひ注目して欲しい作品を紹介しよう。(次ページへ続く)-超絶技巧のフラット・マンドリン、クリス・シーリー 最初は今が旬な超絶技巧のフラット・マンドリン奏者、クリス・シーリーの関連アルバムを3タイトル。マンドリン奏者と言うと、皆さん一気に引いてしまうだろうか。でもそれはあまりにもったいない。クリス・シーリーの音楽は掛け値無しに素晴らしく、聴いて絶対にソンはありません、いやぜひ聴いていただきたい。『The Phosphorescent Blues』  まずはクリスを中心に結成されたアメリカーナ/ブルーグラス・バンド、パンチ・ブラザーズの『The Phosphorescent Blues』から。パンチ・ブラザーズの最高傑作と言える本作は、プログレッシヴでオルタナなブルーグラス・バンドがTボーン・バーネットのプロデュースを得て、完熟のバンドサウンドへと成長を遂げた記念碑的アルバム。これならバンジョーとマンドリンとフィドルが入ったご機嫌なロックバンドと紹介しても大丈夫だし、録音もこれ以上ないハイファイサウンド。『Bass & Mandolin』 そのクリス・シーリーが若き天才コントラバス奏者のエドガー・メイヤーと作ったデュオ・アルバムが『Bass & Mandolin』。二人ともヨーヨー・マとコラボレートした『ゴート・ロデオ・セッション』他数度の共演経験があり、その見事に息の合ったデュオは、繊細にして伸びやか、アコースティック楽器のソノリティを最大限に生かしきった見事な演奏となっている。さらにもう一枚、クリスのソロでヴァイオリニストにとっては難曲とされるバッハの楽曲をマンドリンでプレイした、『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』。これほど躍動的で美しく、楽しいバッハもそうは無いと思う。ぜひ一聴されたい。『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』(次ページへ続く)-熱いジャズ・サックスを濃密なハイレゾサウンドで堪能 続いてはジャズのアルバムで、サックス奏者ジョシュア・レッドマン関連の3タイトルを紹介する。『Walking Shadows』 『Walking Shadows』はプロデュースとピアノにブラッド・メルドーを迎え、ストリングス・オーケストラをバックにジャズのスタンダードのみならず、ロックのカバーも含めたバラード演奏をじっくりと聴かせる。妖艶と言いたくなるほど滑らかで艶やかなテナーサックスの音色にうっとりさせられるが、おなじみビートルズの『レット・イット・ビー』では、途中からだんだんテンションが上がっていって、熱いジョシュア・レッドマンに変貌してゆくさまが聴きどころだ。バックのリズム隊も負けず劣らずいいプレイを展開。『Trios Live』 もう1作『Trios Live』は、ピアノレス・トリオ編成にて、ニューヨーク「ジャズ・スタンダード」とワシントンDC「ブルース・アレイ」の2カ所のジャズクラブで行われたライヴを収録、ジョシュアのテナーとソプラノ・サックスを心ゆくまで堪能できるアルバムとなっている。収録は2009年と2013年で、ドラムスのグレゴリー・ハッチンソンは両ステージ共通だが、ベースはマット・ベンソンとルーベン・ロジャースの2人に分かれる。聴きどころはトリオの緊密で躍動感溢れる演奏だが、もうひとつハイレゾならではと感心するのが、ジャズクラブ特有の濃密な空気感と観客の発する熱気だ。ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビー』のように終始客がざわついているということはないが、それでも質の良いジャズファンは、絶妙のタイミングで歓声を発し手拍子をする。まさに自分がジャズクラブに居ると言う気分が味わえる最高のライヴアルバムだ。『City Folk』 もう1枚はジョシュアがアーロン・パークス(ピアノ)、マット・ペンマン(ベース)、エリック・ハーランド(ドラムス)と組むスーパーユニット、ジェイムス・ファームの『City Folk』。眼の前にジョシュアがガッと仁王立ちでテーサックスを大ブロウ。こちらはもう狂喜乱舞だ。ベースもブルブルと空気を震わせて、震えた空気がこちらの足裏を震わせるのが分かるほど録音はリアルだ。(次ページへ続く)-まだまだ聴き逃したくない個性的な作品が目白押し『Kin (<―>)』 パット・メセニー・ユニティー・グループ『Kin (← →)』は、鉄壁の従来メンバーに加えて、新たにジュリオ・カルマッシが参加。彼はピアノ、キーボード、木管&金管楽器、チェロ、ヴァイブ、ヴォーカルと、およそ何でもこなす驚異のマルチ・インストルメントゥル奏者。と言うわけでサウンドはグッと厚みを増し、ダイナミックな演奏を千変万化の色彩感で彩る。これこそハイレゾで聴かなくてはと、本気でそう思わせるとてつもなく緻密で濃密なサウンドだ。 他にもロックファンにはおなじみのウィルコのアルバムが4タイトル。さらにNYのフォークシーンの誕生を活写した映画『Inside Llewyn Davis』のオリジナルサウンドトラック。さらにはレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドの参加にビックリの、ミニマル・ミュージックの先駆者、スティーヴ・ライヒの最新作『Radio Rewrite』など、ぜひ聴いていただきたい。 演奏内容もサウンドクォリティも極上のノンサッチ、ぜひとも聴き逃すこと無きよう。『Radio Rewrite』●配信中のNonesuch Records作品一覧『The Phosphorescent Blues』 Punch Brothershttp://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597952674/『Bass & Mandolin』Edger Meyer、Chris Thile /http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953800/『Bach: Sonatas and Partitas, Vol.1』Chris Thile http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58607/『Radio Rewrite』Steve Reich http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953336/『Trios Live』Joshua Redman http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr956153/『Walking Shadows』Joshua Redman http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58508/『City Folk』James Farm / http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597953534/『Inside Llewyn Davis: Original Soundtrack Recording』http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr075597957518/『Kin (← →)』Pat Metheny Unity Group http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58072/『Being There』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58331/『Wilco [the album]』Wilcohttp://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58300/『Sky Blue Sky』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58317/『A.M.』Wilco http://www.e-onkyo.com/music/album/wnr58348/-