at home VOXが全国各地のご当地スーパーを訪ね、その個性や魅力をお伝えする「それいけ!ご当地スーパー探検隊」。今回は、沖縄・石垣島のショッピング事情をお伝えすべく、現地の個人スーパー・知念商会へ。そこで、島内全土で話題沸騰中というB級フード「オニササ」に出逢いました。
写真を見ても分かるとおり、知念商会は小規模な個人経営のスーパー。ところが「オニササ」は、お店の規模とは裏腹に、1日平均1000個(休日は1500個!)も売れているというではありませんか!!いったいどんな魅力があるのだろう……。
■「オニ」はおにぎり、「ササ」はささみ
それではご覧いただきましょう、こちらが「オニササ」です。
もしかしたら拍子抜けした人もいるかもしれません。「オニササ」の「オニ」はおにぎり(写真はふりかけのおにぎり)で、「ササ」は「ささみフライ」のこと。この2つをギュッとくっつけただけの食べ物なのです。
これだけで本当においしいのか? 誰もがそう疑うと思いますが、いざ口にしてみると……。う、美味い!!
しっかりと下味が付けられたささみフライは、おにぎりと絶妙にマッチ。衣はサクッと、身はプリプリとしていて食感も最高です。なにより、フライ弁当を片手で食べているような手軽さがGOOD!
「地元の高校生が発明したメニューなんですよ。揚げ物とおにぎりをビニール袋の中でがっちゃんこさせて、好みのソースを付けて。学生ってすぐにお腹を空かせるから、エネルギーになるんじゃないかしら」
そう語るのは、オーナーの知念秀子さん。たしかに、ささみフライは大きめに作られていて、女性なら一個食べればお腹いっぱいになれそうなボリュームです。
「オニササ」が生まれたのは、オープン間もない昭和56年頃。当時、子どもの世話で商売に手が回らなかったという知念さんが、セルフでお総菜を並べたところ、地元の高校生がフライとおにぎりをくっつけ始めたそうです。そうして誕生した「オニササ」はクチコミでいつの間にか評判を呼び、「当時は1台しかなかったホットケースを3台に増やした」ほどの人気商品に!
しかも、名前は「オニササ」ながらフライはささみだけではなく、カレーコロッケにポークフライ、唐揚げをはじめ、常時30種類近くもあります。おにぎりも、ふりかけ、炊き込みごはん、梅しその3種類から選べます。
■4ステップでできる! 「オニササ」のつくり方
それでは「オニササ」のつくり方を簡単に説明いたしましょう!!

①ビニール袋を手に取り、好きなフライを選んで乗せる。

②備え付けの調味料をフライにかける。調味料はソース、ニンニクソース、醤油、マヨネーズ、ケチャップから好きなもの。(写真はソース+マヨネーズ)。

③おにぎりを選んでフライの上に乗せる。

④フライ&おにぎりをビニール袋でくるみ、ぎゅっと挟む。
これで完成! 「おにぎりはフライの形に合わせるように」挟むのがポイントだそう。シンプルな食べ物ですが、フライ・おにぎり・調味料の組み合わせ次第で、さまざまな味が楽しめます。選んで楽しい。作って楽しい。思わず童心に返ってキャッキャはしゃいでしまいました。
■「オニササ」だけじゃない! 石垣島フードの宝庫
知念商会の魅力は「オニササ」だけではありません。個人経営ならではのフットワークの軽さを活かし、「売れそうと思ったものはすぐに並べてみるし、お客さんのリクエストにもできる限り応えるようにしている」とのこと。
「ここ最近の一番のヒット商品」というのが、「島一番の調味料屋」シリーズ。島唐辛子やシークヮーサー、石垣の塩など、石垣島らしい食材が使われたドレッシングです。
ほかにも、珍味から定番まで、沖縄らしい食品がいくつもありました。
なかでも驚いたのはそばだし用ポット! 沖縄そばがお総菜として別売りされていて、かければすぐに食べられるのです。
「オニササ」の誕生エピソードがまさにそうですが、地元に愛され、住民とともに育ってきたからこそ感じる「心の距離の近さ」のようなものが、個人経営のお店ならではの魅力だと感じました。観光コースにはない、石垣島のローカルでゆったりとしたくらしが見えるスーパー・知念商会。石垣島にお越しの際は、ぜひ訪れてみてください!
- 店舗情報知念商会
住所:石垣島登野城1249-18
営業時間:7:00〜21:00、不定休 - 次回予告次回は、宮城県「主婦の店さいち」をご紹介します!
※記事中の情報・価格は取材当時のものです。