暮らしのコト

雪崩が最も多いのは「春」ではない! 2月の表層雪崩に注意を

この「記事」が気に入ったらみんなにシェアしよう!

みんなにシェアしよう!

(OVO オーヴォより)

雪崩というと、冬の終わりから春先の寒さが緩んだころに雪がとけて発生するイメージが強いが、実は雪崩が最も多発するのは2月だという。雪国で暮らす人たちはもちろん、雪への警戒心が甘くなりがちな観光客なども、あらためて雪崩の仕組みを知って被害を防いでほしいと、内閣府政府広報室が注意を呼びかけている。

国土交通省によると、1993年から2014年の間に観測された計376件の雪崩のうち、165件(約44%)が2月に発生しており、2月は雪崩が最も多く発生する時期。また、日本は国土の約半分が豪雪地帯対策特別措置法に基づく「豪雪地帯」に指定されており、特に日本海側に集中している。人家5戸以上の集落を対象に雪崩の危険箇所が指定されているが、その総数は全国でおよそ2万カ所に上り、雪崩は身近な危険のひとつだ。

雪崩は大きく「表層雪崩」と「全層雪崩」の2つのタイプに分けられ、このうち「表層雪崩」が1〜2月の厳寒期に起きやすい傾向がある。「表層雪崩」は最高で時速200kmという新幹線並みのスピードで雪が滑り落ち、被害が広範囲に及ぶのが特徴だ。また、気温が上昇して積もった雪がとけ始める融雪期 (おおむね3月以降)には、大量の雪が自動車並みの速度(時速40〜80km)で滑り落ちる「全層雪崩」が起きやすい。

雪崩が起きやすい地形は、急な斜面や、低木林やまばらな植生の斜面。気温が低い厳寒期(1月〜2月)に起きやすい「表層雪崩」は、すでにかなりの積雪がある上に短期間に多量の降雪があった時や、0度以下の気温が続き吹雪や強風が伴う時にも引き起こされやすい。一方、気温が上昇する春先(3月)や、降雨後やフェーン現象で気温が上がった時に起きやすい「全層雪崩」は、過去に雪崩が発生した斜面や山腹傾斜地、斜面に積雪の亀裂が発生している時などが危険。

都道府県や市町村が提供する「ハザードマップ」などで、各自治体の雪崩の危険箇所などが確認できる。気象庁「防災気象情報」のサイトでは、気象情報や注意報が確認でき、雪崩の危険が予想される際には「なだれ注意報」が出される。また、雪崩が発生する前に、「雪庇(せっぴ)」「雪しわ」「巻きだれ」「スノーボール」などの前兆現象がみられる場合があり、ただちに避難が必要(可能ならば近くの警察署や消防署、市町村防災担当課などに連絡)。しかし前兆現象の名称を見ても、積雪地帯以外の人にはどんな現象かさっぱりわからないかもしれないから、要確認。積雪地帯にレジャーに出かける際には、情報収集とできる限りの注意を心がけたいものだ。

気象庁/防災気象情報 http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/

<関連リンク>
政府広報オンライン/お役立ち情報「雪崩(なだれ)から身を守るために」
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201311/4.html

政府広報オンライン/政府インターネットテレビ 「冬の脅威!『雪崩災害』から身を守る」
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5778.html

この「記事」が気に入ったら
みんなにシェアしよう!

MATOME