(OVO オーヴォより)

「給料が上がっているっていうけど、大企業の話でしょ?」というような声を聞くが、実際に中小企業の昇給はどうなのだろうか。エフアンドエム(東京)がクラブ会員企業909社に対し、2016年度の昇給予定について調査を行った。
調査によると、2016年度に昇給の予定と回答した企業は58%。これは前年度に比べて10ポイント低下しており、厳しい結果となった。従業員数別では、11〜30人以下の企業の昇給予定の割合が、6〜10人以下の企業の昇給予定の割合を下回っている。また、パートタイマーなどに昇給を行う予定の企業は17%にとどまり、正社員の昇給を予定している企業の3分の1にも満たない。昨年4月1日に改正されたパートタイム労働法により、職務内容や人材活用の仕組みが正社員と同一であれば正社員と差別的扱いが禁止されたが、調査結果をみる限り、実態はかけ離れている様子だ。
他方、正社員の平均昇給予定額は4,704円で、前年の5,854円と比較すると1,150円のダウン。業種別では、不動産業、飲食業、建設業が5,000円を上回ったが、小売業は唯一3,000円台と厳しい結果となった。
月例経済報告では、「景気は、このところ弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いている」とされていたが、中小企業は昨年に比べて厳しい状況。では、大企業はどうかというと、こちらも「2016年春季生活闘争 第2回回答集計結果」の定昇相当込賃上げ計は6,335円で前年対比マイナス801円となっており、日本の景気は給料からみると悪くなっている。アベノミクスは大丈夫?