(Jタウンネットより)
都道府県の魅力度ランキングで全国最下位の茨城の影に隠れているけれど、東京のベッドタウンである埼玉も観光地としては冴えない――。日本中の人はそんな印象を持っていることだろう。地元愛あふれる埼玉県民だってきっと同じ気持ちだ。
ところが埼玉県のPRアニメ「観光大戦SAITAMA〜サクヤの戦い〜」では、宇宙からの侵略者に対抗する、観光の最後の砦として描かれている。

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SAITAMAは世界的な観光地に匹敵する!?
舞台は地球によく似た星・地玉(ちたま)。ここでは観光が主産業で人々は平和に暮らしていた。ところが宇宙からの侵略者「スペース・インバウンダー」が来襲し、米国を手始めにあらゆる観光資源を奪い取る。残るは東洋の島YAPAN国。首都TOKKYOも陥落し、世界中から観光地が失われたと思われたが……。
第1話「最後の観光地SAITAMA」(YouTubeより)
ヒカワ女体神社に祭られていた観光戦士サクヤが2000年の眠りから目覚め、インバウンダーに勝負を挑む。サクヤは、マクロスFのランカ・リーと東方Projectの博麗霊夢を足して2で割ったような美少女だ。アクセサリーの勾玉(まがたま)がカワイイ。
第2話「サクヤ降臨」(YouTubeより)
ピラミッドにはサキタマ古墳群で対抗だ!
サクヤとインバウンダーはSAITAMAスタジアム2002で観光地を競う。手元の札を掲げると、その場所が召喚→出現するカード対決だ。その魅力が「うなポイント」となり、高い方が勝者となる。
インバウンダーは支配下に置いた世界の超メジャー観光地を繰り出す。る〜ぷる美術館やピラピッ、シャンゼリ〜ゼ。それに対してサクヤは次のかけ声と共に絵馬を掲げる。
「ミヌマに眠る竜神と、大いなる多岐姫の加護のもとに!」
出てきたのは鉄道博物館や盆栽美術館、サキタマ古墳群&吉見の百穴、KAWAGOE蔵造の街並みなど。「2000年も寝ていたら鉄道博物館とか知らないんじゃ?」というツッコミはさておき、両者譲らぬ攻防を繰り広げる。
シャンゼリ〜ゼはパリのシャンゼリゼ通りを示しているのだろう。小江戸川越を対抗馬に持ってくるのはフランスに失礼な印象もするけれど、そこはアニメの世界、なかなかいい勝負をしている。
ご当地ゆるキャラが「ゆる玉応援団」として降臨、(行田の)ゼリーフライなどを配って助太刀する。
その光景を見ていた外国人の観客が思わずこうつぶやく。
「OHこれはスバラシイ アピールだ」
「SAITAMA…ここで家族と次のバカンスを過ごしたいですね」
第3話「ゆる玉応援団、参上!」(YouTubeより)
埼玉がほめ殺しされている……ことはもちろんないのだが、世界中の名所を揃えたインバウンダーは強い。クライマックスが近づくにつれサクヤはエネルギーを消耗していく。
敵の女ボスは戦いに決着をつけるべく巨大化する。もうダメか〜と思われた瞬間、会場に現れたものとは……。
第4話「サクヤ・最終決戦」(YouTubeより)
ストーリーは全4話で、2011年3月から5月にかけてYouTube やニコニコ動画、SKIPCITY Channelなどで順次公開された。
もう4年も経っているわけだが、作品には埼玉のあらゆる観光の魅力が凝縮されており、今も色あせない。「インバウンド」という言葉が一般化した今再見すれば、埼玉の観光地が世界に通ずることを認識できるかも!?