街のコト

変わるケアンズ家事情 消えつつある高床式/ケアンズ(オーストラリア)

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(ライター:南 盛隆)

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ブロック積みの平屋。土地の平均が600㎡と大きく庭が広いので、庶民レベルでプール付きの家も多い

ケアンズで築30年以上の古い家といえば、そのほとんどが「クイーンズランダー」と呼ばれている高床式の木造建築だ。名前から推測できる通り、クイーンズランド州に古くからある建築様式で、高床式なのは、湿気やシロアリ、洪水などから家を守るため。そしてなんと、大型トラックに載せて家ごとの引越しもできるという特長も。しかし、材木の価格の高騰などにより、今では年々減ってきているようだ。

それに代わって新しい主流となったのは、ブロック積みの平屋。平屋の方が建築コストが安い上、ブロックは耐久性があるからだろう。実際、私はかつて「クイーンズランダー」に住んだことがあるが、高床式で風通しがよく、床下は倉庫や駐車場、洗濯干し場などに使えて大変便利だった。それだけに減ってしまうのは残念だが、これも時代の流れと思えば仕方ない。

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「クイーンズランダー」イメージ

ケアンズの住宅事情といえば、現在、今後の住宅市場に大変大きなインパクトを与えるであろう、オーストラリア最大級のリゾート計画が話題だ。総工費約4,000億円(1豪ドル95.5円換算)で、大型カジノに豪華ホテル、ショッピングセンターや劇場、水族館、ゴルフ場などが併設される予定だ。この建築による雇用創出は完成後2万6,000人とされ、働く人とその家族の住宅需要が高まることと思われる。
つまり不動産価格の高騰が予想され、ケアンズの不動産はすでに値上がりを始めている。また、この開発が始まれば、建築関係の仕事が増え、それによる建築コストの高騰や大工不足も免れないだろう。不動産屋でなくてもこの開発が今後、ケアンズにどう影響するのか、非常に気になるところだ。

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リゾート計画イメージ

 

南 盛隆(みなみ・もりたか)
1964年生まれ 神戸市出身。オーストラリア・ケアンズ在住24年目。不動産会社(www.qldre.com)を運営している。妻と娘2人、犬とケアンズ生活を満喫中で、趣味はテニスとゴルフ、釣り、野球、将棋など。

 

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