街のコト

いざ出陣! 鎧と兜で身を包む歴女「甲冑女子」の世界

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歴史や歴史上の人物をこよなく愛する女性「歴女」。中でも戦国時代は、ダイナミックな時代と個性豊かな武将たちが歴女の心をつかむようで、人気の時代です。来年の大河ドラマは「真田幸村」が取り上げられるなど、近年の戦国ブームはまだまだ続いているもよう。そこで、その実態に迫るべく、at home VOXではアンケート調査を行ってみました。

Q.戦国時代や戦国武将が好きですか?kacchujoshi_graph

戦国時代や戦国武将が好きな男性は48.5%と半数近いのに対して、女性は27.9%とやや少なめ。

しかしVOX編集部では、数こそ少ないものの、ぐっとディープな歴女の存在をキャッチしました! それは、自らが甲冑を着て武将になりきる「甲冑女子」なる人たちです!

甲冑を身にまとって斬り合いをする甲冑女子。勇ましさは男性顔負け!

甲冑を身にまとって斬り合いをする甲冑女子。勇ましさは男性顔負け!

今回は、そんな甲冑女子のひとりである東京在住のKさんに、甲冑女子について詳しく伺いました。

■甲冑イベント参加理由は「細川忠興公が不びんに思えて」

Kさん「私はもともと関ヶ原の戦いが好きで、2010年、410年の節目の年に何かお祭りをやらないのかなと思い、関ケ原町の観光ページを見に行きました。そこでお祭りの参加者を募集していて、私の好きな細川忠興隊の参加者が足らず追加募集になっていました。それまで一人で参加するか迷っていたのですが、忠興公が不びんに思えて参加することにしたんです」

そう語るKさんは、1年に1回、関ケ原町で行われる「合戦祭り」に参加しているそう。合戦祭りとは、役者や市民などの参加者が甲冑に身を包み、それぞれの役になりきり合戦の流れを演じるイベントのこと。関ケ原町では、だいたい100人規模で行われています。

昨年の10月に行われた「関ケ原合戦絵巻2014」の様子。3つのパートにわかれて平成の戦いを繰り広げます。

昨年の10月に行われた「関ケ原合戦絵巻2014」の様子。3つのパートにわかれて平成の戦いを繰り広げます。

Kさん「その後甲冑製造専門店に行って、ディスプレイ用の甲冑に一目惚れ。運命を感じて、ついマイ甲冑を買ってしまいました」

初めての来店で、甲冑を購入したというKさん。ですが、甲冑は見るからにお高そうですよね……。一体いくらくらいするのでしょう?

Kさん「私の甲冑は、ディスプレイされていたものなのでお得プライスで30万円でした。一般的なのは金属製ですが、軽くて簡単に着用できる強化プラスチック製も増えてきていて、兜や胴など一式そろえて30万円くらいで購入できます。好きな形をオーダーできるオーダーメイドのショップもありますよ」

甲冑でおしゃれを楽しんでいるのですね! 歴史に忠実な決まった型があるのかと思っていましたが、意外と自由に楽しめるのも魅力のひとつなのかもしれません。ちなみに鉄製の甲冑をフルオーダーすると、200万円くらいかかることもあるそうです!

■レンタル甲冑で気軽に武将気分を味わえる

「戦国時代は好きだけれど、甲冑は敷居が高そう」という方に向けて、Kさんに初心者の楽しみ方を伺いました。

Kさん「関ケ原町の参加型の大きなイベントは年に1回ですが、4月〜12月であればだいたい毎月イベントを開催しています。甲冑を着た「武将隊」と呼ばれる人たちが、演舞や寸劇などのパフォーマンスをしたり、クイズ大会が行われたりします。武将隊とは、観光地などで武将に扮しておもてなし活動をしている人たちのことです」

関ケ原町の石田三成陣跡である笹尾山でおもてなし活動をしている方々。かっこよくきめています。

関ケ原町の石田三成陣跡である笹尾山でおもてなし活動をしている方々。かっこよくきめています。

観賞するイベントなら、初心者でも気軽に参加できそうですね。レンタルの甲冑などもあるのでしょうか?

Kさん「お城やその近くの博物館に行くと、甲冑を体験できるところがあります。関ケ原町では、レンタル甲冑を着て、2000円程度で1日町内を好きに回ることができますよ。甲冑姿でコンビニに入れちゃいます」

戦国時代が好きだという熱い思いのほか、コスプレ気分で非日常体験という意味でも良い思い出になりますね!

■甲冑女子の歴史愛のかたち

甲冑女子のみなさんは、やはり並々ならぬ歴史愛をもっているのでしょうか?

Kさん「甲冑女子は、基本的に歴史好きの集まりですが、武将が好きな人だけじゃなく、お城が好きな人やミリタリーに詳しい人、ゲームから歴史好きになった人などいろいろいます。甲冑の造形が好きで、歴史はそんなに詳しくないという人もいますよ」

なるほど、ひとくちに甲冑女子といっても、さまざまな嗜好があるのですね。Kさんいわく、関ケ原町のお祭りに参加する歴女たちは、男性よりも熱心な人たちが多いとか。

Kさん「全体の男女比は半々ですが、熱心なのは圧倒的に女性。特に、20代後半〜30代の女性の方が多いですね。男性はちょっと年齢層が高く、40代の方が目立ちます。友人で甲冑のイベントで出会って結婚したという人もいます」

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関ケ原町の合戦祭りは、18歳以下は保護者の同伴が必要な上、旗持ちとしてしか参加できないそうなので、大人の社交場としても活用されているのかもしれません。まずは気軽にレンタル甲冑に挑戦! その先に、合戦での思いも寄らぬ出会いがある、なんてことも。

甲冑を着て参加できるイベントは岐阜県不破郡の「関ケ原合戦祭り」のほか、歌手で俳優のGacktさんが上杉謙信役を務めたこともある、8月に開催される新潟県上越市の「謙信公祭」など、全国各地で行われています! 歴史ファン同士の出会いも期待できるというから、興味がある方はぜひ訪れてみては?

関ケ原町イベント情報サイト
関ケ原歳時記
※イベントの開催日は、変更になる可能性があります

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