「免疫力」

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医師が考えるインフル対策 最も効果的なのは?

医師が考えるインフル対策 最も効果的なのは?

 インフルエンザが猛威をふるっている。毎日ラッシュの電車で、やむを得ず他人と“近距離”接触していることに不安を感じている人も多いはず。そこでまず、もちろん予防が大切だ。「医師10万人のアンケートで分かる!インフルエンザ対策」によると、医師たちが考えるインフルエンザ予防にもっとも効果が高い対策は、「手洗いをする」ことだった。 医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」に参加する10万人の医師ネットワークに、メドピア(東京)が特別アンケート調査を実施したもの。手洗いが最も効果があると思う理由は、「触れたものから口の粘膜にウイルスが移行する頻度が一番高い」「手指についたウイルスが、特に鼻をさわることで上咽頭、鼻腔粘膜から感染することがわかっているので。うがいは効果なし。マスクは、鼻や口を触る頻度が減るから次いで効果がある」などだ。 次に効果があるのは「人混みに行かない」こと。なかなか難しいことだが、もちろん「感染の機会が多ければ多いほど感染の可能性が上がるので、出歩かないのが一番」というアドバイスは納得だ。そして「睡眠・休養をとる」ことも大切。「ウイルスに対抗するにはまずは体力」だし、「免疫力の維持とアップには睡眠と休息」だ。 インフルエンザにかかりやすいと考えられる人として、「免疫が低下」、「人との接触が多い」、「高齢者」、「小学生以下の子ども」、「予防注射(ワクチン)を打っていない」が上位に。「ストレス過多・睡眠不足・疲労なども免疫力低下と関係し、罹患しやすくなる」というコメントもあり、たとえ健康であっても、睡眠不足の時は気をつけた方が良さそうだ。 ところで、インフルエンザにかかった時に起こる最も怖い症状は、医師たちによると「インフルエンザ脳症・脳炎」。「どのような患者さんがなぜ発症するか不明であり、治療も確定したものがなく、予後に関しても死亡率も高く、回復しても後遺症が残る可能性があるから」というのが理由。肺炎や脱水症状なども怖い。とにかく体調を崩したら、まず病院へ!

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健康に注意しすぎるのは不健康!? ストレスで免疫力低下の逆効果!

健康に注意しすぎるのは不健康!? ストレスで免疫力低下の逆効果!

 ジリジリと照りつける日差しを浴びた後、ガンガン冷房が効いた部屋でキンキンに冷えたビールを飲む。ビール党には至福の一瞬だが、強すぎる冷房や冷たい飲み物で急に体を冷やすことは要注意だ。体を病気から守る「免疫力」が弱まるからだ。免疫力の低下は「プール熱」 や「手足口病」などの「夏かぜ」を招く原因になってしまう。 免疫学を研究する順天堂大学大学院医学研究科の竹田和由准教授は「夏は免疫力が落ちやすい時期」と注意を呼び掛ける。人間の細胞には、病気につながる病原体を殺すナチュラルキラー細胞が存在し、免疫機能を担っている。しかし、このナチュラルキラー細胞は、体温の急激な変化や激しい運動、ストレス、高齢化など、さまざまな要因で働きが弱まってしまうという。 「冷房は26〜28度に設定し、冷たいものを飲み過ぎないこと。急激な体温の変化は免疫力低下を招くから禁物。健康維持の運動も週3回、1回1時間程度の軽めのウォーキングなどで十分。激しい運動は免疫力を確実に弱める。スポーツ選手が大事な試合の前に合宿所などにこもって一種の“隔離状態”をつくるのは、免疫力低下を自覚しているためだ」 一方、免疫力アップのためには「食事が大事」と指摘する。竹田先生お勧めの食品は、キノコ類や納豆のほか、ヨーグルトなどの乳酸菌。これらはナチュラルキラー細胞の働きを活発化させる効果があるという。 「一番手軽に摂取できるのがヨ―グルト。あるヨーグルトを1日1個摂取し続けると、2〜3週間後にナチュラルキラー細胞の働きが5%ほど高まったとのデータもある」 夏は、休みが続き、夜更かしや暴飲暴食など、普段の生活リズムをとにかく崩しやすい。これも“変化を嫌う”免疫力が、夏に弱まる一因だ。 竹田先生は「免疫力を落とさないためには体に気持ちよいことを続けること。気持ちよいことは個人ごとに違うが、とにかく無理をしないことだ。一般に体によいとされていること(禁煙、早起きなど)でも、なれない人が無理にやるとストレスになる。その人の免疫力維持には逆効果」と“自然体”を強調する。 過ぎたるは及ばざるがごとし−―。中庸(ちゅうよう=偏らないこと)を説いた孔子先生の教え(「論語」)は、夏の体調管理にも有効なのかもしれない。