休日は朝活するのもいいけど、ゆっくりとした目覚めで、おうちブランチを楽しむのもいいですよね。そんなブランチの主役は、もちろんパンケーキ。ハワイの「エッグスンシングス」などここ数年、パンケーキがブームで、分厚かったり、ふわふわだったりと色々なタイプが楽しめます。実は、小麦粉を変えると食感が違うパンケーキが作れるんです。 というわけで、今回の「てきな研究所」は、「パンケーキの秘密に迫る!」的な研究です。▽パンケーキの基本 「パンケーキって何で作る?」 こんな問題は女子力が高くなくても、今の女子にはほとんど常識。さすがに「ホットケーキミックス!」って答えちゃうと「女子力低い〜」ってことになるかもしれないけど。 パンケーキの材料といえば、小麦粉と塩、砂糖、ベーキングパウダー、バニラエッセンス、たまご、牛乳です。 これらを適当量混ぜて、フライパンで焼けば、「パンケーキの完成!」ってなるわけですが、実は、これだけだとパリパリしたものになってしまいます。そこで必要なのが「サラダオイル」や「溶かしバター」で、これを入れるとしっとりとしたものが作れます。【パンケーキの基本レシピ】・小麦粉 100g ・塩 一つまみ ・砂糖 10g ・ベーキングパウダー 5g ・バニラエッセンス 適当量 ・サラダオイル 10g ・たまご 1個 ・牛乳 80ccぐらいから適当量 これらの材料をそろえれば、市販のホットケーキミックスがなくても、自分で作ることができます。▽粉を変えるとあら不思議 でも、この材料でパンケーキを作ると、食感がいつも同じパンケーキになります。それなら「市販の粉を使えばいいじゃん」ということになるので、今回は、小麦粉に着目。小麦粉の種類によって、どんなパンケーキができるのかを研究しました。 用意した粉は「フラワー」「バイオレット」「スーパーバイオレット」「イーグル」の4種類。「フラワー」と「バイオレット」は大きめのスーパーマーケットならよく見かけます。同じ薄力粉でも「スーパーバイオレット」は、お菓子やパン作り材料専門店に行かないと手に入らないかもしれません。「イーグル」は強力粉です。 この4種類の粉をそれぞれ、まったく同じ分量でほかの材料と混ぜてみると、あら不思議!もう焼く前から粉による違いが出ます。 粉をこねてみると、強力粉の「イーグル」はかなりもちもちした感じ。そして、「フラワー」「バイオレット」「スーパーバイオレット」の順でさらさらした感じになります。あまりもちもちでも、あまりさらさらでも焼き上がりがよくないので、牛乳の量は粉によって変える必要がありそうです。 粉に牛乳を入れて混ぜるにはスプーンを使うと思いますが、シリコン製のヘラを使うと混ぜやすいし、最後に容器からフライパンに乗せるところまでヘラ1本で行えるので便利。100均でも売っているので、手軽に入手できます。 最近は、アルミ不使用のベーキングパウダーが売られています。というのも、一般的なベーキングパウダーの成分には「ミョウバン」(硫酸アルミニウム)が使われていて、これが認知症と関係があるかもと心配されているからだそうです。実際は、危険性はないとの見解もありますが、気になる方はアルミ不使用のベーキングパウダーを使いましょう。 また、意外に知られていないのがバニラエッセンスのこと。バニラエッセンスは、バニラビーンズをウオッカに半年ほど漬けておくと作れます。つまり「バニラ風味のウオッカ」ということで、常温で保存しても特に腐ることもありません。▽軽さ派? もっちり派? さて、4種類の粉で作ったタネを焼くとどうなるか? 焼いてみるともちろん、どれもパンケーキになりますが、小麦粉の違いが、かなり食感の違いとなってあらわれます。 「スーパーバイオレット」はシフォンケーキ作りなどに使う超薄力粉なので、噛んだ時の抵抗感が少なく、ふわふわ。かなり軽い食感です。反対に強力粉の「イーグル」は、もっちりした感じ。 つまり、食感の軽さで言えば、スーパーバイオレット>バイオレット>フラワー>イーグル、の順番になりました。しかし、軽さ一押しの「スーパーバイオレット」だと厚みが出にくいので、適度に軽い食感を求めるなら「バイオレット」。そして、もちもちの「イーグル」も意外に良い感じ、というところでしょうか。 もちろん、軽くてふわふわが好きな人、もっちりがいいという人など、食感はその人の好みですから、どれがいいということではありません。でも「軽さ」派のひとでも、たまには趣向を変えてもっちりにチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。▽焼き方も一工夫を パンケーキ作りで大切なのは、粉だけではありません。それ以上に大切なのが焼き方。均一な焼き色を目指して、工夫したいところです。 焼く際に失敗する原因となりやすいのが、フライパンの温度調整です。フライパンの温度が高すぎるとタネを流し込んだ瞬間に焼けてしまうので、ムラが出やすくなります。最初に焼く時はフライパンをガスコンロに乗せたと同時にタネを流し込めばOK。温度は高くなってないので、ムラはできにくくなります。 2枚目以降を焼く場合は、すでにフライパンが熱くなっているので、濡れ布巾の上に乗せて温度を下げましょう。このひと手間が、綺麗な焼き上がりを作ることになります。 また、フライパンは手軽さを考えるとテフロン加工がベスト。意外に手に入りにくいのが難点ですが周囲が低いクレープパンがあると便利です。 実際にやってみるとわかりますが、分厚いパンケーキを焼くのはとても大変です。セルクルや牛乳のパックなどを使って壁を作り、その中にタネを流し込んで弱火で15〜20分ぐらい気長に焼くことになります。20分あれば、オーブンを使ってスポンジケーキやパウンドケーキが焼けますから、手作りのパンケーキは厚さ1cm以下のものがよさそうです。 もし「気分を変えたいなあ」と思ったら、セルクルを変えてみるにもいいかも。今回は雑貨ショップ「オフノオン(off&on)」で購入した、かわいいハートの型も使ってみました。ハート以外にも、何種類もかわいい型があるのでおすすめです。熱が加わると膨らむので、パンケーキのタネは、セルクルの高さで半分から2/3程度までにしておくことがきれいに焼くコツです。 パンケーキはベーキングパウダーを使うので、パンを焼くより断然手軽。「こうでなければ」という先入観にはとらわれず、もし全粒粉やそば粉、コーングリッツ、あるいは「絹ごし豆腐」などがあれば、それらも混ぜてお店では味わえないオリジナルのパンケーキを作ってみるのもいいかもしれません。 きれいに焼ければ嬉しいし、ムラが出たらそれも自分流だし、厚く焼けたら大成功。クレープみたいに薄いのが出来たらイギリス風、バターにジャム、チーズや野菜、ハムなどを添えて休日のちょっとオシャレな食事になります。パンケーキって大人の食べ物なのです。
粉を変えて“ふわふわ”も“もっちり”も 「パンケーキの焼き方の秘密に迫る」 てきな研究
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