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まちびらきから6年、「越谷レイクタウン」事業完了/UR都市機構

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向かって左側の建物は環境共生モデル街区で太陽熱を利用したセントラルヒーティングシステムを導入。右手は大規模調節池で、ヨットを出せる桟橋や周囲には遊歩道がある

NPO団体によって管理されているビオトープ

調節池の中川への排水門(写真左)

(独)都市再生機構(UR都市機構)がインフラ整備を進めてきた埼玉県の「越谷レイクタウン」が、間もなく事業完了する。

「越谷レイクタウン」は、敷地面積225.6haに及ぶ大規模ニュータウン。元荒川と中川に囲まれ、田んぼが広がる湿地帯で洪水被害が多かったエリアで、土地区画整理と大相模調節池、道路、公園、橋などを整備。河川整備と土地区画整理を同時に行なった初のプロジェクトで全国でも唯一。計画総事業費は約800億円。地権者数は950。計画人口は約2万2,400人。

1983年より同機構、建設省(現・国土交通省)や地方自治体等からなる委員会で開発内容を検討開始。88年にレイクタウン整備事業が創設、都市計画策定、調節池施工同意等を経て、99年に土地区画整理事業計画の認可を受け、本格的な開発を開始した。

2008年にはJR「越谷レイクタウン」駅が開業し、まちびらき。今年3月には、UR都市機構が設置・管理してきた「水辺のまちづくり館」を市へ移管し、10月には県へ調節池の管理を引き継いだ。11月中旬には換地処分が行なわれ、同機構の土地区画整理事業が完了する予定。

越谷レイクタウン駅は都心部から約40分。街区内の全エリアが徒歩15分圏内という利便性から、「周囲に開発されている分譲戸建住宅やマンションは完売状態で人気を集めている」(都市再生機構首都圏ニュータウン本部埼玉業務部埼玉常磐・埼玉東部現地事務所所長・鈴木勝之氏)という。街区内の計画住戸数は約7,000戸で、今後も住宅開発が計画されている。調節池に隣接する住宅地では環境共生モデル街区を設定。次世代省エネルギー基準に適合する建築の誘導、環境負荷の少ないエネルギー活用の推進による街区のCO2排出量を20%以上削減を住宅事業者を通じて実現している。

まちの象徴である容量120万立法メートル、面積39.5haに及ぶ調節池は、大雨等による河川水位上昇時には水を最大水深5mに貯め、河川水位低下時に排水する等、総合治水対策を行なう。水辺にはビオトープや遊歩道等を設けた。日頃はNPO団体による水上アクティビティ利用やイベント開催等、住民の憩いの場となっている。

また、まちびらきから6年経ち、UR都市機構がまちづくり拠点として09年にオープンした「水辺のまちづくり館」を中心に、住民によるコミュニティ活動は活発化。清掃・除草作業に参加したら、同館会議室が利用できる券を発行するなど、市民参加を誘発してきた。「まちづくり当初より参加していただいている地権者の皆さまによるNPO団体が中心となってさまざまな活動が行なわれている。国内外からの視察も多く、これから新たな商業施設等もできる計画。今後もさらなるまちの発展に期待したい」(同氏)。

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