(OVO オーヴォより)

飛行機に乗って最初に見るのが、機内安全ビデオ。ベルトの締め方から救命胴衣やマスクの着け方、緊急時の姿勢など、どの航空会社に乗ってもたいてい同じだから、数年前までは、もうほとんど見ていないという人が多かった。だが最近は、いかに見てもらうか?に重心がうつり、面白いものが増えている。映画とコラボしたものや、ミュージカル仕立て、もの真似の有名人ばかりが出演したものや、80年代風レトロ版など、同じ路線でも航空会社を変えると別のものが見られて楽しい。
中でも“悶絶もの”で名を馳せるのはニュージーランド航空だ。2009年のボディペインティング編では、ホンモノの社員が裸に制服のボディペインティングで出演。2011年のエアロビクス編は、ハリウッド・エアロビクスの教祖、リチャード・シモンズが音楽にのってエクササイズしながら案内するビデオで、ピンクのショートパンツ姿で同社のCEOがタバコを蹴飛ばす役で登場した。そんなオモシロ“大御所”航空会社が、新しい機内安全ビデオ「サーフィン!サーフィン!サーフィン!」編を発表した。
世界有数のサーフィン・スポットがいくつもあるニュージーランドらしい痛快な作品。有名サーファーが出演し、海で機内安全を案内。「新鮮な空気が必要なことがありますよね?」というアナウンスとともに、海岸で酸素マスクを着けている人は、まるで”酸素バー“にいるような気持ち良さげな表情だが、これって緊急時の話。タバコを吸ってる男性にはバケツの水をバシャーン。これも気持ちよさそうだ。日本人トップサーファーの大野修聖さんも出演している。
最近はビデオに飽き足らず、客室乗務員が踊ったり、ラップのリズムに合わせて機内案内をしたりする“生バージョン”で勝負するところもある。夏休みの航空会社選びは、結構楽しい。