(OVO オーヴォより)

若い女性の半数がSNS上の投稿・シェアで自己演出―。20〜30代の女性500人を対象としたトレンド総研のアンケート調査によると、若い女性の半数がSNS上では「自分をよく見せたい」と思い、いろいろ考えて、日々、投稿・シェアを繰り返していることがわかった。ネットを介して大勢の人の目にプライバシーがさらされるネット時代の若い女性にとって、別キャラも演じられる「女優力」が必須なのかもしれない。
回答によると、「おしゃれでセンスが良い人というイメージに見せたい」(26歳)、「リア充(リアルの生活が充実している人)だと思われたい」(28歳)、「多少いい暮らしをしていると見栄を張りたい」(32歳)などよく見せたい点は、人さまざま。また「Facebookでは順調に人生を送っているように見せて、Twitterは面白い人に見せる」(39歳)などSNSごとになりたい自分を変えて、演出方法を変えている芸達者もいる。
このような「なりたい自分」をネット上で巧みに演出する女性の心理について、マーケティングライターの牛窪恵さんは「彼女たちは、素の自分に自信を持ちにくい世代。だからこそSNSで自分をよく見せたがるのです」と分析。その上で「親しい人には素の自分を分かってほしい、評価してほしい、とも思っている。本音を出す手段として、投稿より簡単なシェアを自分の本音をアピールする手段としてうまく使っていると」と複雑な女性心理を解説した。
女性ユーザーに人気の女性向けキュレーションメディア「バイエス(旧SELECTY)」の編集長山崎ひとみさんは、若い女性がシェアする記事の傾向について「内部で、恋が生まれる記事と呼んでいる、次のアクションにつながりやすい記事が一番シェアされやすい。例えば、友人や恋人と一緒に遊びに行くことができるイベント情報などです。一方でタイムリーな時事ネタと呼ばれるような記事もよくシェアされます」と話している。
シェアする記事の内容で自分の「見え方」が変わるのだから、ネット社会では、シェアという選択行為そのものが表現行為と同等の価値があるのかもしれない。