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ノンアルビール派も味にこだわり でも意外と見ない?成分表示

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(OVO オーヴォより)

ノンアルコールビールシェア上位4商品の成分表(トレンド総研)

ビール好きの「次善の策」として存在感を現したノンアルコールビール。アルコールゼロが最大の売りで、運転前などアルコールが摂取できない場面で重宝されてきたが、ビール市場の一角を占めるまでに成長した現在、味・原料そのもので勝負する商品に変化しているようだ。

ノンアルコールビールを飲んだことがある20歳以上の男女500人を対象にトレンド総研が今月実施したインターネット調査によると、約8割が、ノンアルコールビールを「選ぶ基準」として「おいしさ」を挙げている。圧倒的多数が味重視の消費選択をしている模様で、ノンアルコールビール市場が通常ビールと同様「味を競う市場」に育っていることが分かる。

では、ノンアルビール派はどのような味を「おいしい」と感じているのか。「おいしさにおいて重視する点」を聞いたところ、「ビールらしい味わい」が62%で最も多く、次いで「スッキリとした味わい」(50%)、「飲みやすさ」(49%)、「キレ」(28%)、「喉ごしの良さ」(22%)、「コク」(16%)などの回答が続く。

これらの好みが、ノンアルコールビールのうち何を選ぶかの選択基準の1つになっているようで、トレンド総研は、ノンアルコールビールのシェア上位4商品(「株式会社 KSP-SP」調べ)についてのアンケートを分析した結果、「サントリーオールフリー」好きは「飲みやすさ」、「アサヒドライゼロ」好きは「キレ」、「キリンフリー」好きは「スッキリとした味わい」、「サッポロプレミアム アルコールフリー」好きは「コク」と、それぞれの商品ファンが重視する嗜好(しこう)の違いが見られた、と指摘している。

味を左右する「原料」についても関心は高く、「重視している原材料」を聞いたところ、「麦芽」が73%で最も多く、次いで「ポップ」(53%)、「水」(49%)の回答が続いた。「原材料にこだわらない」と回答した人は1割未満だった。

これらの数字を見ると、ノンアルビール派の多くは、各商品の成分表示を十分踏まえて購入しているように思えるが、先に挙げた4つの人気ノンアルコールビールの成分表示に関する設問では逆の結果が浮き彫りになった。例えば、「原料が麦芽だと思うブランド」を聞いたところ、4商品の中で唯一、原料が「麦芽」でなく「大豆」である「アサヒドライゼロ」について、「ドライゼロ」ユーザーの53%が「麦芽」と誤答している。

そのほか、カロリーや糖質、プリン体の数字についても全体の正答率は24%と低く、味にこだわる割にはこれらの成分表示を正しく認識している人は少なかった。トレンド総研は、「意外な勘違も少なくない」として「原料やカロリーなどのチェック」を勧めている。

先の人気4商品の成分表示を見ると、原材料のほかにも、カロリーや糖質、プリン体の各項目で一応の違いがある。このわずかな違いにしのぎを削るノンアルコールビール市場は、健康志向を高める消費者の満足度100%を目指して、アルコール度数同様、各成分表示を限りなく0%に近づける「ゼロ並べ」競争の時代に突入している。

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