(OVO オーヴォより)

この10月で、発足から2周年を迎えたスポーツ庁。初代長官を務めているのは、ソウル五輪男子100メートル背泳ぎ金メダリストの鈴木大地氏だ。スポーツ庁は来春からスタートさせる「FUN+WALK PROJECT」の一環として「スニーカー通勤」など“歩きやすい服装”を推進するというキャンペーンを2日に発表した。1日の歩数目標を普段より1,000歩(約10分)増やすことによる、健康増進と、ひいては医療費抑制を目的とするものだ。職種や職場環境によっては、スニーカーを着用したままでの勤務は難しいかもしれないが、革靴などのドレスシューズの履き心地には、やはり窮屈な面があることは否めない。そのため、就業時間内に履き換えるとしても、「通勤時だけでもスニーカーを履きたい」「スニーカー通勤したい!」という人はある程度いてもおかしくない。そこでOVO編集部は「どんなスニーカーなら通勤時に履きたい?」という調査をしてみた。
この調査は、ジュピターテレコム(J:COM)「インタラクTV」の投票機能を使って10月に実施したもので、522人から回答を得た。回答のトップは「職場のスタイルに合うものがあれば」が35%。続いて「スーツに似合うものがあれば」が34%と、自分のニーズに合うものがあればスニーカーを履きたいという人が6割を占めた。その一方では、「絶対に履きたくない」という回答も15%存在。おしゃれは足元からと言われるように、ある程度のフォーマルさが求められるビジネススタイルにスニーカーは合わせづらい面もあるのかもしれない。また「仕事帰りの運動」(ジョギングなど)に使えるものなら履きたいという人は17%に留まり、「スニーカー通勤」がイコール運動促進や歩数の増加などには必ずしも直結するわけではなさそうだといった一面も見せた。
「スニーカー通勤推奨」の発表を受け、ネット上では賛否が分かれている。中には3.11の震災をきっかけに、すでにスニーカー通勤を始めている人などさまざまだが、見た目は「革靴」、機能は「スニーカー」をうたうアパレルメーカーの新商品には、早くも注目が集まっている。また「スニーカー通勤」について、推進どころか切望する声すら上げているのが、つま先が狭いパンプスなどを履いたことによる「外反母趾」に悩む女性たちだ。靴を選ぶ際には、もちろんTPOに合わせることも大切なのだが、足にあったスニーカーに履き換えれば外反母趾や水虫、たこ、ウオノメなど足のトラブルを軽減するだろうし、歩きやすいスニーカーなら、歩く距離も伸びやすい。歩いて運動量が増えれば健康増進といったゴールにも近付くことができるかもしれない。
でも、ひとつ気を付けたいのは、スーツ+スニーカーの組み合わせは学校の先生みたいになってしまう可能性があるということ。選び方によっては、格好悪いおじさんたちが職場に大増殖してしまうかもしれない。「スニーカー通勤」の浸透。足元は気楽になっても、履きこなしのセンスが問われることを覚悟しておいたほうがいいだろう。